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自分の保有している投資信託、ファンドの「機能」を理解していますか?

投資信託にも、他の製品・サービスと同じく、商品それぞれに「機能」があると思います。

ほとんどの投資信託はふつうそれなりの時間をかけないとその成果を享受することができません。

したがって、長く持ち続ける、つみたて等で追加で買い続けるためには、自分の持っている、買っている投資信託の「機能」を理解することが不可欠だと考えます。

インデックスファンドの「機能」

日経225やTOPIX、MSCI KOKUSAI、S&P500等の株価指数の値動きに連動した投資の成果を目指すインデックスファンド。その「機能」は極めてシンプルです。

連動を目指す株価指数と同じようなポートフォリオをつくって、管理する。これがインデックスファンドの「機能」です。目標となる株価指数に連動することがその「機能」ですから、それを上回る成果は得られないことが通常です。なぜなら、ファンドの中身を恣意的に操作、変更することはできないはずだからです。仮に、連動を目指す株価指数から外れるような成果(それは上回ろうと、下回ろうと)スペックを満たさない、提供すべき「機能」を果たせないポンコツ品という評価になるわけです。

アクティブファンドの「機能」

一般に株価指数等を上回る成果を目指すと認識される、アクティブファンドの「機能」は、インデックスファンドほど簡単ではありません、実は。

日経225やTOPIX、MSCI KOKUSAI、S&P500等の株価指数等の株価指数を上回る成果を目指す、これはアクティブファンドの「機能」と呼べるでしょうか。私はこれは「機能」とは言えないと考えます。

その最大の理由は、目標とする株価指数のパフォーマンスは事前に分からないからです。事前に分からないものを上回ろうとする、、、そんなの無理じゃんねー!!!

アクティブファンドに求めるべき「機能」として最優先すべきは、「株価指数を上回るパフォーマンス」ではない、と考えています。

私がアクティブファンドに求める「機能」は以下の通りです。

1.企業活動を通じて社会の進歩に資する価値を持続的につくりだすことが出来る可能性を持つ会社を見つけ出すこと。

2.上記で見つけ出した会社を調査して、分析して、その実態的価値を測定すること。

3.上記で測定した実態的価値と比して、市場での評価、つまり、株価がどのように付けられているか、を参考にして、投資すべきか否か判断すること。

4.一度投資したら、実態的価値が維持されているか、さらに増価しているか、あるいは減耗しているか、見守ること。機会があれば、投資先に助言、支援することでその増価や価値創出の持続性向上に貢献すること。

5.上記のプロセスを通じて、バランスの良いポートフォリオをつくりあげ、管理すること。また、適宜、こうしたプロセス、自分たちが為した行動について、具体的、丁寧に説明すること。

こんなところでしょうか。これらの「機能」に納得できれば、投資の成果にこだわりません。株価指数を上回るかどうか、は分かりません。それに勝つか負けるかなんて、どうでも良いと考えています。
上述の通り、株価指数がどうなるかは事前に分からないわけで、それを上回ったか下回ったか、でその投資信託の評価を下すのは適切ではないと思うのです。上記で挙げた「機能」がしっかりと提供されていたか、その「機能」に納得しうるか、の方が遥かに重要です。

長期に亘ってお金を託していれば、これらの「機能」を果たしてくれるアクティブファンドならしっかりとしたプラスの成果が得られるとも考えています。

多くのアクティブファンドで不十分と感じられるのは、こうした「機能」についての説明です。上述した通り、「株価指数を上回るパフォーマンスを目指します」は「機能」でもなんでもありません。その目指すものに対して、どんな方針で、どんなプロセスで、どんな風に判断するのか、そして、それをしっかりと説明、報告する、その行動こそがアクティブファンドの「機能」だと思います。

そうした「機能」を説明しようとしない、旧態然の目論見書、運用報告書、月次レポートを発信し続ける投信会社、理解しようとしない、関心を寄せない、興味を抱かない投資家が多数を占めていれば、アクティブファンドの未来が暗いのは当然であり、必然です。

ここ最近、「機能」を説明しようという志あるアクティブファンドがじわじわと増えてきているように感じます。その「機能」をしっかりと理解して選ぶ投資家が増えていけば、アクティブファンドの未来が明るくなってくると私は思います。

アクティブファンドはこれからドンドン面白くなる!そうあって欲しいと思います。

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renny | 投資家
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