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投資の成果を決めるのは、「持ち心地」である

この記事は 月次レポート研究所のアドベントカレンダー 2023 の最終日に寄せたものです。

月次レポート研究所とは、投資家の吉田喜貴さんと僕で創ったバーチャルな組織、チームです。

その月次レポート研究所で、かなりの急ごしらえ、ほぼ準備することなく、おもいつくままにアドベントカレンダーに挑戦してみました。結果は↑の通りです。

全ての枠を埋めましたが、僕と吉田さん以外でご寄稿してくださったのはお三方に留まりました。まず年の瀬のお忙しいところ記事をお寄せくださった、齋藤まさやさん、清水裕さん、てっさんさんに厚く御礼申し上げます。

お寄せくださった記事をご紹介します。


【作り手の視点】鎌倉投信の月次レポート「結いだより」にかける想いとこだわり

記事をご寄稿してくださったのは、鎌倉投信で月次レポート作成に携わっていらっしゃる齋藤さんです。どんな想いを込めて毎月、毎月、レポート作成に取り組まれているか、が熱く述べられています。

お客様が「読みたくなる」媒体にすること。換言すれば「毎月の発行が楽しみになり、表紙を見ると自然に手が伸びる」、そんな媒体にすべく

こんな願いも一緒に述べられていました。

「結いだより」を読んだ感想をSNSで「#鎌倉投信」とつけて投稿いただけますと嬉しいです。皆様の感想は毎号しっかり目を通しています。皆様の声が私たちの励みになります。

上場株におけるインパクト投資についての考察

インパクト投資を、より広い範囲の人により深く理解、納得してもらうために月次レポートが機能するはず。そんな清水さんの考えが印象的でした。

私はファンドマネージャーという立場にあるので、IRミーティングで企業と対話をするときは生み出されているインパクトについて問いかけをするようにしている。また、月次レポートなどの顧客向けの資料において、投資先企業の生み出しているインパクトを解説することも行ってきた。一つ一つは小さな活動だが、積み重ねることが社会にプラスの影響を与えると信じている。

投資という行動から金銭的、経済的なプラスを得られるだけではなく、社会にポジティブなインパクトを実現できているという実感、それは僕にとっては心地良い感覚です。

わたしの読み方~投資信託の月次レポート~

月次レポートは読んでいて楽しい話、ワクワクする話をお願いしたいですね。

投資を通じて関わりを持った会社。その事業でどんな未来を実現しようとしているのか、それを知ることでワクワクしたい。僕もそう思います。投資の果実は未来からもたらされるものですから。

未来にワクワクさせられる、これも心地良い感覚です。

月次レポート研究所の吉田さんも記事をつくってくださいました。

投資信託の情報開示が生み出す好循環

アクティブファンドはなぜインデックスに負けるのか?

世間的には、この問いに対する答えとして「フィー(世間の人の多くはコストと呼んでますね)」を挙げられることがほとんどですよね。

フィーはパフォーマンスにさほど関係していない。これが僕の今の認識です。そもそも、最近は「勝ち負け」にはあまり関心がありませんが(特に一つの期間のみの相対比較には何の意味も無い)。

パフォーマンスを決めるのは、次の2つだと考えています。まず、どんな会社、どんな事業に関わっているのか、です。そして、もう一つは、その会社、事業にどれだけ長く関われるか、です。

ファンドマネージャーの力量以前に、まずは相場全体の動きに左右されない、資金流入の仕組みを作ることを重視すべきだ。

吉田さんはこのように述べられています。毎月コツコツ買い増したくなる投資信託かどうか、僕にとってその判断材料となるのが、月次レポートです。月次レポートで知りたいこと、それは自分の投じた現金がどんな会社の株式の取得に使われているか、です。その判断に至ったプロセスです。

したがって、吉田さんが挙げられる「個人投資家はアクティブファンドに何を求めるべきか?」で最も重要なことは5つ目です。

個々の投資先企業の投資理由が明示され、運用理念や投資哲学に沿ったものになっていること。

この説明がしっかりしているかどうか。それ次第でその投資信託の「持ち心地」が全然違います。「持ち心地」がしっくりくれば、もっとたくさん持ってもいいかも、持ちたいな、と思えてきます。

投資している会社の固有名詞は挙げない、その会社の何をどう評価しているかの説明もぼんやりとしていたら「持ち心地」が高まるわけがなく、むしろ「持ち心地」が悪くなっていきます。「持ち心地」の良い投資信託と出会えたら、そちらに資金を移したくなります。

投信会社は定期的に受益者に、その「持ち心地」を尋ねてみるべきなのかも。

ところで、です。裏IR系アドベントカレンダー で竹川美奈子さんが寄稿されていました。この記事は、月次レポート研究所のアドベントカレンダーにもラインナップしたい、そんな内容でした。

投資信託こそ、もっとIR!?

具体的には、適切な情報開示(目論見書、運用報告書、月次レポート)と受益者との継続的な対話です。情報開示がよいから「いい投信」とは限りませんが、個人が長期で保有し続けていいかどうかを判断するには適切な情報開示がされていることが大前提だと思います。

竹川さんが挙げられた「手触り感」は、上述の「持ち心地」と似た抽象化だと思います。

「手触り感」「持ち心地」。これらは、投資信託だけではなく上場会社にも共通していることだと感じます。「手触り感」「持ち心地」を高めるために、上場会社の中にはIRに工夫を凝らし注力されている会社が次々と増えているように感じます。

それは #IR系AC #裏IR系AC に寄稿されている、送り手、受け手の皆さんからも強く感じます。

一方の投資信託はどうでしょうか。

月次レポート等の情報発信、IRに積極的に注力する投信会社ごくごく一握りです。この差は一体何なのだろうか、と常々不思議に思っています。

竹川さんの記事を奥野一成さんもポストでシェアされていました。

投資は長く持たなければ、価値の増大を楽しむことができません。

長く持つ。長く持ちたくなる。そう感じるために特に大事なこと。

それは「持ち心地」です。持ち心地の良さを感じる源泉は何か。それは人それぞれです。

低廉なフィーがその源泉という人が沢山増えているようです。NISAがますますそういう層を増やしているように見えます。

しかし、市況、相場が荒れた、大きく荒れた際にはどうなのでしょうね。株価の大きな下落、どでかい調整が起きた時、果たして低廉なフィーは「持ち心地」につながるんですかね。

奥野さんが言われる「長く持ってもらうような努力」。「持ち心地」を高める努力。その一丁目一番地が「月次レポート」だ。僕はそう捉えています。

しかし、です。現状は非常に厳しい。

「これは!」という月次レポートの新星はいっこうに現れない

月次レポート研究所設立以降、2年あまり。

「手触り感」「持ち心地」を意識した月次レポートの登場を心待ちにしていました。しかし、新しい風を感じさせる新星はいっこうに現れません。以前から積極的な投信会社のレポート、情報発信には磨きがかかっていますがフォロワーがほとんど出てこない。

そんな状況ですから、ポッドキャストで取り上げたくなる月次レポートも増えません。

ポッドキャストのタイトルをこれまで「月次レポート研究所のポッドキャスト」としてきましたが、もうそろそろ限界です。

ポッドキャストのタイトルを変えます

月次レポートをメインに据えられるのは年に一度か二度くらい(もしくは、それ以下)?でしょう。でも、ポッドキャストは続けたい、で吉田さんと僕の意見は一致しています。

ということで、2024年からポッドキャストのタイトルは変更します。

さよなら、月次レポート研究所のポッドキャスト

#ポッドキャストウィークエンド  のウィークエンドボードに書き残してきたのですが、もはやこれまでです、、、

PODCAST の ”O”のすぐ上
https://open.spotify.com/show/0WsUX06eGSeopaAKayVkdV

2024年の月次レポート研究所、改称予定のポッドキャスト。お楽しみに。

月次レポート研究所はもちろん継続します。研究所の活動を促すような新星が現れることを祈りつつ。「持ち心地」「手触り感」をさらに高めてくれる工夫と出会えることを夢見つつ。

以上 月次レポート研究所のアドベントカレンダー 2023の総括でした。

投資の成果を決めるのは、「持ち心地」である


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