NVIC "おおぶね" 月次レポートを読んで ー 2020年8月
農林中金バリューインベストメンツ #NVIC さんの #おおぶね #おおぶねJAPAN #おおぶねグローバル の月次レポートが公開されました!!!
農林中金〈パートナーズ〉おおぶねJAPAN(日本選抜)
おおぶねJAPAN 月次レポート(2020年7月末版)
農林中金〈パートナーズ〉おおぶねグローバル(⻑期厳選)
おおぶねグローバル 月次レポート (2020年7月末版)
今回は おおぶねJAPAN から読んでみます。
おおぶねJAPAN
月次レポートで非常に詳しく紹介されているのは、
#塩野義製薬 です。
ユニークな強みを武器に、前例のない挑戦を続ける製薬会社
と、こう最初に紹介されています。
産業付加価値はどんなものか、競争優位性をどうやって強めようとしているか、保持しようとしているか、について、NVICのチームの皆さんの調査、分析を基に非常に詳しく説明されています。
産業付加価値に関しては、塩野義製薬が注力して取り組んでいる分野が示されています。
注力する主な疾患領域の一つが感染症です。抗HIV薬やインフルエンザ治療薬など、競争力の高い製品を提供しています。また、昨今はCOVID-19のワクチン・治療薬の開発にも取り組んでいます。
・・・
人々の生活から感染症の脅威が消えないことを考えると、当社の治療薬が非常に付加価値が高いことがわか るかと思います。格好いい言い方をすれば、”終わりなき感染症との闘い”に挑んでいる企業と言えるでしょう。
こちらが2020年3月期決算説明会の資料です。
確かに、感染症との戦いに挑んでいることを感じますね。
競争優位性について、紹介されているのが先発医薬品の特許切れへの対応です。
塩野義製薬さんは「企業価値向上表彰」の大賞を2017年度に受賞されています。
その受賞の後、シンポジウムで社長の手代木さんの講演資料でも強調されています。
この講演資料は企業変革について詳しく、たっぷりと説明されています。言葉遣いも何だか肉声っぽくて、どんな雰囲気だったのか、興味深いですね。
業績面、レポートでも紹介されていますが、自分で確認してみました。
2020年3月期は前期比減収、営業利益も減益となりましたが、2021年3月期の予想も減収、営業減益となっています。
一方、先般公表された 中期経営計画 にはこんなスライドがありました。
#会計クイズ っぽい図表もつくってみました。
P/L です。
2020年3月期からIFRSでの発表に以降したということで、2期分です。
B/S です。
C/F です。
NVICさんのレポートで目に留まった箇所の一つです。
7月に正式に実現に至った中国平安保険(中国最大の生命保険会社)との資本提携では、平安保険の持つオンライン 診療プラットフォーム内での塩野義の製品展開や、平安保険 の持つデータを活用した創薬・開発などが企図されており、新 たな方向性の一つと言えるのではないかと考えます。
この話を知って、思い起こしたのが #ツムラ さんです。
#鎌倉投信 さんが選んだ「いい会社」の1社、ツムラさんも平安保険と資本提携しているんですよね。
漢方薬のツムラ さんと、塩野義製薬さんとでは、平安保険、中国との関わり方、つくり出す価値は大きく違っているとは思いますが、今後、どんな価値がつくられるのか、楽しみですね。
さて、NVICさんのレポートはこのコメントで締め括られています。
当社に関しては、手代木社⻑と定期的に意見交換を行っており、戦略の方向性や自社の強みに関して、直接議論す る中で肌感覚を持って理解できた点も投資に至った要因の一つと言えます。このように、単に外形情報を基にしたデスクトッ プリサーチではなく、経営陣と直接意見交換を行い投資仮説を深めていくプロセスも、NVICの投資の特徴なのです。
今回、自分でも塩野義製薬さんのことを少し調べてみて、手代木さんなのかな、と感じました。2008年に社長となられて、様々な経営判断をされたのが、この資料からも感じられましたので。
塩野義製薬がCOVID-19との戦いに大きな貢献を見せてくれることを期待しています。
おおぶね / おおぶねグローバル
米国の会社を投資対象とする「おおぶね」、日本を含む先進国の会社を投資対象とする「おおぶねグローバル」のレポートで紹介されたのは同じ会社でした。
ファンドの投資先ではなく、
我々の分析作業はまだ初期段階であり、この仮説は正しいのか?実際今後Paccarがどのような会社になっていくのか?競 合他社はどのように考えているのか?他企業・業界の分析に役立つ視点は何か? 今後とも、他社も含めて訪問、分析する中で、調 査・モニタリングを継続したいと考えています。
NVICでは、皆様に「オーナー」になって頂きたい投資候補企業を常に探し、調査しています。今回は、その調査の過程の一端を感じて頂けたなら幸いです。
調査中の会社の1つです。その調査中の会社に対して、どんな事実が見出されたのか、またその事実から得られたどんな洞察を持っているのか、付加価値、競争優位性(参入障壁)、長期潮流という観点でどう評価しているのか、が非常に詳しく説明されています。調査中の会社に対して、こうしたプロセスをしっかりと説明されることで、現在の投資先についても同様のプロセスを経て投資判断が為されたのだと推測できます。まさに、考え抜かれているか?ってことですね。
ちょっとだけ調べてみましたが、大事なのは持続的に価値をつくり出せるか、ですからね。NVICのチームの皆さんのさらなる調査、分析の結果、投資先に加わることになるのか。今回のコメントを総合すると、ちょっぴりしんどそう?とも受け取れましたので、仮に投資先に加わった際には、今回はまだ見いだせていない発見や、それに基づく洞察が得られた、ということになるのだろう、と思います。
今回も非常に色々と気づき、学ぶことができました!
NVIC "おおぶね" 月次レポートを読んで、次回をお楽しみに!
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