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投信会社、販売会社、そして投資家も「手抜き」を減らさなきゃね! #アクティブファンド

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#投資信託事情  の最新号に

「手抜き」をやめて、ハードワークを!

を寄稿しました。

僕が「手抜きでは?」と指摘したのは、投資信託の

”目論見書” について、です。

”目論見書”で「手抜き」しているなあ、って感じる主体は、販売会社、投信会社、そして、投資家です。

投資家の「手抜き」

僕自身、「手抜き」しています。

久しぶりに買い付けるファンド。ネット証券で買い付けようと「買付」をクリック。すると、メッセージが表示されます。

最新の目論見書を閲覧してください。

前回に買い付けてから時間が経っていて、その間に目論見書が更新されていたのですぐに買付ページには遷移しません。

僕は最新の目論見書を閲覧するために「クリック」。表示させら即座に閲覧した旨を意思表示します。正直に言います、中身をきちんと確認していません。そして、買付ページに進みます。

販売会社の「手抜き」

対面型の証券会社で投資信託を買ったことが無いので、ここで言う販売会社は「ネット証券」を念頭に置いてください。

上記の僕のような行動、つまり、目論見書をきちんと読むことなく注文可能になっているのは、販売会社の「手抜き」ではないか、と感じます。

「長期の目線で投資しています」と意思表明しているファンドで、資金が出たり入ったり忙しくなっているのは、この「手抜き」が一因だと推測されます。

投信会社の「手抜き」

投資家はちゃんと読まない、確認しない。販売会社は投資家がちゃんと読んでいるかどうかまで確認しない。両者が「手抜き」をしているからなんでしょうか、投信会社も「手抜き」をしている、と感じます。

ファンドの目的:

主に、成長性が高く株主への利益還元が期待できる企業の株式に投資を行ない、中長期的な信託財 産の成長をめざします。

ファンドの特色:

1. 成長性が高く、株主への利益還元が期待できる株式に投資します。
 ◆ TOPIX(東証株価指数)の動きを上回る投資成果の獲得をめざします。
 ◆今後の成長が期待できる企業、自己資本利益率が高い企業、株主への利益還元が期待できる企業を厳選し投資します。

2. 徹底したボトムアップ・リサーチで、勝ち組成長企業の選定を行ないます。
◆ ファンドマネージャーと豊富な陣容を誇る社内の企業アナリストが、直接企業を訪問し収集した情報・データをもとに投資銘柄を厳選します。

3. 株式の実質組入比率は、基本的に高位を維持します。
◆ 株式の実質組入比率(マザーファンドにおいて保有する株式を含みます。)は基本的に高位を維持し、積極的に投資します。

2. については 「 真の成長企業を中長期的な観点から選定します。」として、以下の説明。

財務基盤をはじめ、経営の方向性、事業環境、競争力を 見極めることを重要なポイントとしています。



強固な財務基盤のもと、中長期的な利益成長の期待できる企業を中核銘柄とすることにより、安定的な リターンを確保できるものと考えます。

日本の会社に投資する、あるアクティブファンドの目論見書からです。このファンドで説明されている、ファンドの目的、特色は実質的に上記の記載が全てでした。

投資先の数はどの程度になるのか、が記載されていません。目論見書の後半で主要な資産の状況で「ある時点」の投資先上位10社と投資先数が載せられています。しかし、これは「ある時点」一日のスナップショットに過ぎません。

投資先ごとの投資期間、株式の保有期間についても説明がありません。

業種の分散をどうするのか、また、会社の規模(時価総額)での分散をどうするのか、その種の運営方針が一切語られていません。

調査、分析についても「ありきたり」の内容で、投資先との「目的を持った対話」を積極的に持つのか、についても言及がありません。

正直「手抜き」だと思われます。この水準の目論見書が多数派を占めているのが、日本のアクティブファンドの実状だと感じています。

投資家、販売会社、投信会社の「手抜き」が新設ファンドの濫造を可能にしているようにも思います。一つ一つのファンドに「手抜き」が許されなければ、魂込めなければ設定できないようになっていれば、6000本近いファンドが設定されることは無かったでしょう。

アクティブファンドは何で差別化するのか

個々のアクティブファンドが他のファンドと差別化すべきは、ファンドをどのように運営するか、でしょう。

どんな哲学、方針、基準で投資先を選別するのか。

どんな調査、分析を行って、どのようなプロセスを経て投資判断を行うのか。

どんな考えでポートフォリオをつくるのか(資本配分)。

投資先のモニタリング、投資先とどのような対話を持つのか。

投資家にどうやって、何をレポートするのか。

これらの点が目論見書で丁寧に、具体的に説明されるのが本来の姿、「手抜きなし」だと思います。

2021年8月27日時点で、日本の会社を主たる投資対象にするアクティブファンド、最大の規模となっているのが  フィデリティ・日本成長株・ファンド です。

目論見書を確認してみると、思いのほか「手抜き」が少ない印象でした。

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ファンドが目論見通り運営されているのかが、月次レポート等で定期的にレビューされていることも必要でしょう。

最新の月次レポートです。

やや物足りない印象でしょうか。物足りないと感じたのは【運用状況】です。

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ファンド側の主体的な行動、アクションについての説明が3行のみ、です。これでは目論見書で示されていた「調査」「対話」がどのように実現されているのか、を窺うことが出来ません。

「目論見書」と「月次レポート」とは、ファンドの独自性を示すことの出来る車の両輪です。どちらも「手抜きなし」で取り組む、取り組み続けることが、ファンドへの注目、信頼を高めるのだと思います。

「目論見書」は年に2回程度に対して、「月次レポート」は毎月です。「目論見書」は「手抜き」になっても、、、と割り切るなら、「月次レポート」は「手抜きなし」で、そうした姿勢はアリかもしれません。

「月次レポート」ではありませんが、先日発信されたレポートで「手抜きなし」を感じさせるものがありました。

このファンドが発信したレポートです。

足元の運用状況等について
~中国当局の規制に対する運用チームの見方とエンゲージメントの事例~

こうした「手抜きなし」の発信が継続されること、質、量ともに充実することが、アクティブファンドには求められると思います。投資家によるレスポンスがそれを後押しするようにも思います。

コール&レスポンス、投資家も「手抜き」しちゃいけませんね。


アクティブファンドに関わるみんなが「手抜き」を減らす。

根っこが「手抜き」では、上に何かを建て増してもグラグラです。

アクティブファンドは「ほったらかし」では育ちません。

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