「今」や「過去」の「影」で判断するのではなく、「将来」の「価値」を見据えて事業に関わろうとする株主・投資家 "Actual Investor" でありたい
ろくすけさんが「長期投資」をテーマに記事をつくられています。
常々思っているのですが、「長期」を付ける必要ある?
投資って「長期」になるんじゃない? と。
「長期投資」って「馬から落馬」「頭痛が痛い」のごとく重複表現だよ
どなたかがコメントされていたのでは? そんな記憶があって調べてみたところ、HITしたのが冒頭の山口揚平さんの2007年4月のブログでした。
山口さんがおっしゃる通り、確かに「バリュー投資」は「馬から落馬」的、というのはよくわかります。僕はその通りだ!と感じます。
しかし、「長期投資」も同じく「馬から落馬」的、というコメントはWebで見つけられませんでした。本で読んだのかなあ、、、
株式投資のリターン・果実の源は、投資先が創っている、社会に届けている価値やその事業だ。僕はそう考えています。とすると、1年やそこらで果実が実現するとは到底思えません。したがって「短期投資」は存在しません、僕の中では。
では、3〜5年、5〜7年のタームではどうか、つまり「中期投資」ですね。
これはあり得るのかもしれませんね。3年程度あれば価値の創造、一定の持続性、それを市場が適正に評価することが起こり得る。
ただ、この場合、3年なり5年なり7年なりが経過したところで、投資回収、いわゆる「出口」がやってくるということです。その回収した資金を再投資しなければいけませんね。その際に、魅力的な投資機会がわんさか溢れていれば良いのですが、、、必ずしもそうとは限りません。ですから、長期、長ーく関係者で居られる会社に投資できるのが良いなあ、となります。そうか「長期」がいるかも。
NVICさんのWebサイトからです。
「証券取引所が5年閉まったとしても全く困らない」な投資先と長ーいお付き合いをしたい、関係者でいたい、オーナーでありたい、それが何よりの僕の希望です。
↑は S&P500のチャートです。こういう「過去」のチャートで「長期投資」が語られることが多いですね。数年前は僕もこのチャートで「そうだ、長期投資だ」って思っていました。でも、このチャートって「過去」のこと。で、上位の10社、20社はなんとなく知っている(実質、名前くらいしか知らないレベル。売上規模や利益、収益性等はほぼ知らない)けれど、ポートフォリオ全体となるとさっぱり把握できていない投資先が500社、いや、480社にしときましょう。で、最後に、このチャートは「価格」「株価」、つまり、「影」の長さの推移だということです。
投資は「将来」に向けて行う行動です。「過去」を参考にするのは当然です。ただ「影」の長さの推移を見て「うん、大丈夫だろう」っていうのはちょっと無理があるかな、と考えるようになりました。
たとえば、SNSでこの種のコメントを最近よくみかけます。
”アクティブファンド1つ、インデックスファンド3つを積み立ててから2年弱。 結果、アクティブファンドは▲2万円、インデックスファンドは全て+4万円になっているので、「続けるなら米国株・全世界株のインデックスファンド」”
この種の判断の元になっているのは、「今、ナンボ」という時価がベースになっているもの、それのみ、と推測されます。
アクティブファンドの投資先がどんな会社でどんな事業でどんな価値を社会に届けているか、はおそらくですが、まったく把握されていないだろう、と。
言い換えると、「将来」ではなく「今」を見ているということになります。そして、その「今、ナンボ」時価は「影」です。
繰り返しますが、投資は「将来」に向けて行う行動です(と、僕は考えます)。
「今」の「影」で判断することは、果たして「投資」なのでしょうか、ってなことを思います。
こちらのツイートでご紹介した まろさんの記事 です。
「今」や「過去」の「影」で判断するのではなく、「将来」の「価値」を見据えて事業に関わろうとするのが、真の投資家(Actual Investor)だと僕は考えています。
「長期投資」ではなく Actual Investment をモットーにするのが良いのかもしれませんね。