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連句海岸002 半歌仙「船あまた」の巻

2023年12月10日(日)、連句海岸002を開催しました。
前回に引き続きCURRY HOUSE Babbulkundでの開催です。

今回も連句がはじめての方が数人来てくださったので、みんなでゆるゆるとお話をしながら進めていきました。
時間内に終わらなかった数句分は後日文音で続けています。

文音とは、対面ではなく文字でやりとりをして連句をすることで、昔は手紙やFAXなどで、最近ではメールやLINE、SNSのDMでやりとりすることもあります。

連句がはじめての方がいきなり文音で連句をはじめると少しやりづらいと感じるかもしれませんが、ZOOMなどのオンライン通話を使えば、対面と同じような感覚ではじめることも可能です。
連句の巻き方や巻き心地は、時代と共に少しずつ変わっていっているのかもしれません。


対面と文音のハイブリットで巻いた半歌仙「船あまた」の巻です。

半歌仙「船あまた」の巻   小池正博 捌

  冬うらら海峡を越す船あまた
  小池正博
   手袋ひとつ拾う砂浜
   八上桐子
  野球部の声遠くまで伸びてゆく
  永山裕美
   世界のどこか猫のまばたき
   山成結花
  微笑して三日月我を見守りぬ
  三神優子
   銀の小皿に黒葡萄のせ
   中村麻
ウ 晩年のカラヴァッジオにそぞろ寒
  門野優
   カストラートの美少年たち
   裕美
  十字架が誰にも知られず傾いて
  結花
   はるか昔に沈む大陸
   裕美
  がおがおと全て吸い込むマンホール
  麻
   謝りに行く西瓜かかえて
   桐子
  吸血鬼も宿題すませ月涼し
  麻
   煙草の後のキスは短め
   優子
  夢で逢うさみしさやわらかな枕
  桐子
   まなうら泳ぐ知らない魚
   結花
  図鑑から花びらが散り羽が散り
  正博
   あなたのもとへ届く春風
   優

    二〇二三年十二月十日 起首
         十二月三十一日 満尾
    於・CURRY HOUSE Babbulkund(裏八句目から文音)


今回は12月ということもあり、クリスマスソングも混ぜた冬らしいBGMでお届けしました。

BGM

『CHRISTMAS DAY IN BALI』
By See New Project
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『NOTRE-DAME-DES-SEPT-DOULEURS』
KLO PELGAG
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『Med Sud I Eyrum Vid Spilum Endalaust』
Sigur Ros
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『Halfaxa』
Grimes
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『湯川潮音』
湯川潮音

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