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連句旅「郡上八幡2泊3日」の巻#3 〜郡上おどり〜

私が生まれ育った地域は、お祭りといえば「だんじり祭」。盆踊りには馴染みのない人生を送ってきました。
連句フェスタ宗祇水が行われる日は郡上おどりの開催期間中だったので「せっかくだし見に行ってみよう〜」くらいの気持ちで出発しましたが、気がつくとがっつり郡上おどりに参加している自分がいました。
いやぁ〜郡上おどり最高だったな。



早くも心が踊ってしまう街並

古い町屋が並び、軒先や通りには郡上おどりの提灯がいたるところに掛けられていました。
郡上八幡に到着してこの街並の中を歩いているだけで、自然と夜が待ち遠しくなって心が踊ります。


郡上おどりと連句とフジロックと

郡上おどりのシーズンは、どこのお宿も予約でいっぱいになるので早めの予約がおすすめです。
お宿に到着すると、小さいリュック1つで来た私に姉妹のような女性二人が声をかけてくれました。
まず第一声が「今晩は踊りに行くの?」だったので、「行こうと思ってます。」と答えました。
次が「浴衣は持ってきたの?」だったので、「持ってきてないです。」と答えると
「じゃあ私の浴衣貸してあげる!」と言われました。
もう一人の女性からは「下駄が1つ余ってるから、下駄は私の下駄をあげる!」と言っていただいて……
最後にお宿の女将さんが帯や小物を貸してくれました。
親切な周りの方のご好意で、郡上おどりに参加する準備があれよあれよという間に整っていました。

急遽貸していただいた浴衣

お二人と話していると、私に貸してくれると言っていた浴衣や下駄は予備として持ってきていたものだということがわかりました。
お二人は毎年郡上おどりのためにこのお宿に泊まっている常連さん。郡上おどりを通して、お友達になった方々でした。
常連さんたちは毎年連泊して、郡上おどりに何夜も連続で参加される方が多いそうです。
なので洗い替えの浴衣や、予備の下駄を準備されていたんです。

着付けまでしていただいて、同じお宿の方々と一緒に踊り会場に出かけました。
この時期に郡上八幡に来ている方は、みんな郡上おどりに参加するために来ている!という印象でした。
街全体が郡上おどり一色です。

浴衣と下駄を貸してくれたお二人と

この日はちょうど郡上おどりの初日だったので開会のご挨拶のようなものもあり、特に盛り上がっている印象。
参加するとわかるのですが、見学だけしようと思って出かけて行っても踊りに参加せざるをえなくなります。
振り付けは単純な動作の繰り返しなので、覚えてしまえば簡単です。
洋服でもいいのですが、やっぱり浴衣と下駄のほうがいいですね。浴衣と下駄で踊ることが前提で振り付けができているように感じました。

ぎこちない動作で踊っていると、周りの方が自然と「もっと手は上に」とか「指は揃えて」とか教えてくれました。
みんなで一緒に楽しみながら、少しずつ上達していく。
それが何百年も続いている。
なんだか連句に似たものを感じました。

2日目の会場は八阪神社。実際に踊るのはこの手前の道幅が広くなっているところです。
八坂神社へと続く灯籠

あともう一つ似ているなと思ったのがフジロック。
常連さんたちは踊りながら「久しぶり!」とか「今年もよろしく!」みたいな感じで他の方と話しながら踊っています。
そして踊り疲れたら、持参したアウトドア用の椅子に座ったり、お店に入ったりして一休み。
話を聞くと、郡上おどりに参加するのは地元の方よりも外から踊りに来られる方のほうが多いそう。毎年来るので顔馴染みの方も増えるようです。
自然の豊かな屋外で、自分の好きな曲を自分の好きなペースで踊る。
フジロックは世界に誇れる最高なフェスだと思っていたけれど、そもそも日本人は何百年も前からこういうことをして楽しんでたんだ、と実感して、感慨深かったです。


郡上おどりを体験して、一気に郡上八幡の魅力に引き込まれた一日でした。
次回の記事では泊まっていたお宿や郡上八幡の歴史についてお届けしたいと思います。

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