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【やりたいことがわからないあなたに】スタンフォード大学教授が説く、人生の「許可」の見つけ方

今回の #樺恋課題図書 は『20歳のときに知っておきたかったこと』です。ちょうど私は今20歳!(残り二ヶ月ほどですが)ということで、熱を上げて読み始めました。

この本は、著者でありスタンフォード大学で教鞭を握っていらっしゃるティナ・シーリグさんをはじめとして、世界各国で活躍する方々のエピソードから、人生をより豊かなものにする術を説いています。

開幕から、スタンフォード大学での授業風景が描かれていたりと、この本の中身はまるで大学そのもの。面白いと評判の講義で、憧れの教授のお話を聞いているような、そんな感覚に浸れます。

ただ、講義チックなのもあり、結論がスパッと最初に記されるようなことはありません。ラストにかけてじんわり、章の名前の意味がわかってくるかなという印象。ぼーっと文字を追いかけているだけでは置いていかれるところも、大学の講義のようですね。

そこで、現役大学生の私が、この本から学び取れたことを備忘録的にまとめようと思います。

『20歳のうちに知っておきたかったこと』は「許可」を得る本

そう、この本の内容は、20歳はまずこれをやろう!的な本ではありません。題名の通り、知っておきたかったことであって、正直、何歳でも読む価値のある本でした。

では、「知っておきたかったこと」の内容はなんでしょうか。一言で表せば、「人生、どんな道を選択してもいい」ということです。

ティナさんの華々しいキャリアの裏にも、レールの上だけを歩かない、たくさんの冒険と出会いがありました。

でも、なかなかレールを外れることは難しい。私が20歳で、進路を考え始める時期だからこそめちゃくちゃ共感したのですが、みんなと違うことをするのには、なんだか特別な才能や素質が必要な気がするのです。

でも、「レールを外れる許可は自分が自分に出してしまえばいい」というのが、ティナさんの教えでした。

わたしの経験から言えば、誰かがチャンスをくれるのを待つのではなく、自分でつかみに行った方が良い面はたくさんあります。埋められるのを待っているすき間はつねにあり、チャンスが詰まった金塊は地面に転がっていて、拾われるのを待っているのです。

p.72 第4章 財布を取り出してください

早く自分に許可を出してしまえば、人生の選択肢はもっと広がる。20歳のうちに知っておいた方がいい理由は、「早く気づけば可能性が広がる」からなんですね。

自分に出す許可は全部で6種類。

  • 常識を疑う許可

  • 世の中を新鮮な目で見る許可

  • 実験する許可

  • 失敗する許可

  • 自分自身で進路を描く許可

  • 自分の限界を試す許可

これさえ押さえておけば、ティナの講義でギリギリ単位は取れるでしょうか……。ティナがそんな小手先の学生を許すとは思いませんが、許可の内容を共に追っていきましょう。

常識を疑う許可

スタンフォード大学の講義では、こんな課題が課せられることがあるそうです。

いま、手元に5ドルあります。2時間でできるだけ増やせと言われたら、みなさんはどうしますか?

p.10 スタンフォードの学生売ります

この問題を見て、あなたは何を考えましたか?5ドルでものを買って転売するだとか、宝くじで一発逆転を狙うとか……さまざまなアイディアが浮かんだと思います。

実際に、スタンフォードの学生たちも、課題をこなすため、たくさんのユニークなアイディアが寄せられ、またそれを実行しました。その中には、大金を稼いだグループの姿もあったそう。

成果を出したグループの共通点は、元手の5ドルに全く手をつけなかったこと。

5ドルを使わなければという「常識」に縛られず、実にユニークなアイディアでゼロからお金を稼ぎ出したのです。

一番成績の良かったチームが行ったのは、月曜日の朝に行われるプレゼンテーションの時間を売るというもの。その時間に企業CMを制作、放映することで、若い人材を求める企業にスポンサーになってもらったのです。

今ある常識を疑い、そこに困っている人間やニーズを発見すれば、人助けをしてお金を稼ぐことができる。まずは、凝り固まった考えを脱ぎ捨てて、「常識を疑う許可」を自分に出してあげましょう。

世の中を新鮮な目で見る許可

本文では、とあるルール破りの授業が取り上げられていました。それは身近な課題について小グループで議論し、課題に対する最高の案と最悪の案を出すというものです。

最高の案とは、物語が見事に解決できそうな案。最悪の案とは、成果が上がらず利益も出ず、かえって問題が悪化したりするような案です。

p.50 第3章ビキニを着るか、さもなくば死か。

そして、次の工程が驚きなのですが、各グループで出たベストの案をシュレッダーにかけてしまうのです。残ったワーストの案をまたグループに分配し、その案を練り直して最高の案にする方法を考えます。

すると、最初こそは呆気に取られていた受講者たちが、ワーストの案を見て、「これは使える!」というものを発見するのだそう。

「最悪」だと思い込んでいたものでも、見方を変えるだけでそれは画期的なアイデアになる。

常に物事を新鮮な目で捉えていけば、足元に落ちているチャンスにも気づくことができるのですね。

実験する許可

やりたいことがあっても、そこに行き着くまでの道のりが果てしなく、気が滅入る……。私自身、そうやって挑戦しなかった事柄がいくつもあります。

でも、自分が調べて見つけたその道筋は、必ずしも守らなければいけないわけではないのです。

用意された道にとどまった方が楽なのは誰もが認めます。ですが、その先の角にある意外な世界を見つける方がずっと面白いものです。

p.66 ビキニを着るか、さもなくば死か

自分なりの道を考え、とりあえず歩いてみて、その道が機能するかを知る。情報過多な現代では、そんな実験をする時間が、あまりにも無駄であるかのように囁かれます。

でも、人生は実験をするには十分長く、すべての無駄を排除するには短すぎるものだと、私は思います。

無駄と言われることにこそ、物語がある。あなたなりの実験は、迷わず、そして恐れずにやってみるべきです。

失敗する許可

そうは言っても、失敗することは恐ろしいものです。失敗してしまうと、周りと比べて、自分が劣っているような気分になるから。

しかし、失敗に対する評価は、国によって多くのばらつきがあるそう。例えばスウェーデンでは、会社が倒産すれば経営者は債務に一生付き纏われ、スペインでは取り立て人が毎日見せしめの如く家に押しかけるのだとか。

当たり前ですが、そんな社会では失敗を恐れ、挑戦をしない人が多くなります。

そんな社会と対極にあるのが、シリコンバレーの光景でした。シリコンバレーでは、失敗は良いものとして、肯定的に捉えられています。

KPCBのランディ・コミサーはこんな言葉を残しています。

「一度も挫折をしたことのない人を見ると、経験から何かを学べたんだろうかと不思議に思う」

p.52 シリコンバレーの強さの秘訣

この発想を育んだ地こそ、シリコンバレーです。だからこそ、多くの野心とアイデアに満ちた起業家たちが集まり、シリコンバレーは発展してきました。

リスクを取らなければ失敗をすることもなければ、成長をすることもありません。それは、人も土地も同じ。長い人生を豊かにするには、多少の失敗を糧にして、力強く前に進むべきだとティナさんは説いていました。

リスクを取ってうまくいかなかったとしても、あなた自身が失敗者ではない

p.118シリコンバレーの強さの秘訣

自分自身で進路を描く許可

「将来は何になるの?」。

誰しも子どものときに、大人から投げかけられた言葉ではないでしょうか。私たちは、まだ自我形成も済んでいない時代でも、自分の将来について考えなければいけない瞬間が頻繁に訪れます。

そういった経験をしていくうちに、「進路を決めなくては」という焦りにも似た感覚が、世の中に浸透していくのです。そうなると、まだ自分でも腹落ちしていない事柄でも、身近な人の助言だけで進路を決めてしまいがちです。

でも、自分のやりたいことなんて、質問をかけた大人だって、よくわからないものです。ティナさんは休学期間の出会いや、一見彼女の経歴には関係のないハプニングを通して、自分自身の軸を発見することができました。

あなたの人生は、紛れもなくあなた自身のもの。周りの意見はもちろん大切ですが、その周りの人間は、あなたの力で手に入れた縁であることが肝要です。

人生の主役は自分であり、誰もあなたの人生の決定権を握っているわけではない。

自分自身で自由に選択する「許可」を自分に与えてみてください。きっと、やるべきことが、前より鮮明に見えてきたのではないでしょうか。

自分の限界を試す許可

前書きで、ギリギリ単位を取れるはず……なんてことを書きましたが、私はつい、ギリギリのラインを見定めてしまう癖があります。

学生時代からギリギリセーフで通過してきたことが多かったので、許される最低ラインを攻めてしまうことが多いのです。でも、最低基準を満たすことなんて、誰でもできるように設定されていることがほとんどです。

ティナは、最低基準ではなく、自分の限界を超えた最高のものを出せと言います。それは自分にとっての誇りとなり、そして次につながるヒントになるから。

「光り輝くチャンスを逃すな」。

p.188 これ、試験に出ますか?

一つ一つの試練は大きなチャンスであり、それを最低ラインで潜り抜けてしまえば、そのチャンスがかたちになることはほとんどありません。

さらに、そうしてつくりあげた出来合いのものに、自信を持つこともできないでしょう。自分の持つ力を最大限に駆使して取り組むことは、自己肯定感を高めることにもつながるのです。

学生たちは、潜在能力を最大限に発揮し、場外ホームランを打ち、聡明さを輝かせてもいいという許可を渇望しているのです。

p.188 これ、試験に出ますか?

なあなあでいいなんて思っているけど、燃え上がるような情熱を、どこかで探してはいませんか?それは、きっと今からでも見つけられるはず。

夢中になれることがなくても、とりあえず目の前のことに一生懸命になってみる。脳に汗をかいてみる。

一つ一つ、自分のなかのハードルを超えた先に、あなたの「光り輝くチャンス」はおのずと姿をあらわしているはずです。

さいごに

このnoteでは、ティナさんが本書で紹介した6つの許可をまとめてみました。そのどれもが、人と違うことをする勇気をくれる内容だったと思います。

出る杭は打たれるとは言いますが、打たれない人生なんてなんだか味気ない。出て打たれて、それをエピソードトークにできるくらいの方が、豊かだなと私は思います。

この本は、挑戦するすべての人の背中を押してくれる本です。何歳でも、そして挑戦したい内容が見つかっていなくても、自分自身に許可を与えることから、毎日の景色はちょっとずつ変わっていくはずです。

まずは明日の朝、目に入った常識を疑うことから、始めてみませんか。






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