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残された者たちは
もう、充分だと老老介護にうんざりしていた母
なのに、父が亡くなったから一気に弱ってしまって
毎日のように泣いている
気が強すぎて、しょっちゅう周りと衝突する起爆剤のような母
えこひいきするし、自己中心的で、私は昔から苦手だ
行き過ぎた躾で、今の時代なら完全にお縄だろうということも数知れず
だけど
だけど
憎しみや恨みや悲しみの感情は、結果自分が消耗してゆく
数年前からそのことに気付いた私は
父と色々な話をしながら
私は、やはり私の使命として
老いて弱っていく母を支えていかなければいけないと
過ぎた事を責めても仕方ない
何も変わらない
母は母なりに、しんどかったのだろう
満たされない寂しさを怒りに変えることで、自分の存在を見せていたのかも知れない
怒りは二次感情だから
誰かの傷を抉るより 痛かったね、と そっと手を当てることの方が
私には容易くて楽だから
父のために
父が私に教えてくれたことを
私は一生、胸に刻み続けながら
人と接さずにはいられないこの世で生きていこうと思う