だからどうした、と言われたら、 あ、いや、すいません。と答えるしかない。
古いアルバムの中に~♪という古い曲がある。
H2Oの思い出がいっぱいという曲で
あだち充の「みゆき」のアニメ主題歌になった。
だからどうした、と言われたら、
あ、いや、すいません。と答えるしかない。
探し物をしていてアルバムが目に入った。
こういうときそれに手を伸ばすかどうかで休日のその後の時間の過ごし方が全く違ってくるのは皆さんそれぞれにご存じのとおりである。
オーストラリアに移住してくるときに
親しかった友達の写真を何枚かずつ小さいアルバムに入れてきていた。
高校生のときに男女3人ずつ北九州の小倉まで映画を観に行き、
飯を食ってブラブラした。そのとき皆で撮った写真が1枚ある。
ただどうしてそのメンバーで遊びにいったのか全く思い出せない。
どうして俺のバッグを隣りにいる友達に持たせているのかも思い出せないし、どうして中学のときにもらった手編みの赤いボンボンのついたマフラーをしているのかも思い出せない。その女の子と付き合ったとかそんなのは全然ないのだが、もらったものを捨てられずに持ってたのだ。それはわかるが、他にもあったろうに…。
状況は思いだせるのだけど、
一緒に写ってる人の名前を全く思い出せないのは我ながらちょっと寂しい。
そのときそのときで何か理由とか、流れとか、そういうのがあって
その中の一瞬がくっきりと切り取られてるわけで、
そういう風に思うと何とも感慨深くはある。
写真は奥が深い。
そのとき俺がかけているのは丸い黒縁の眼鏡。
縁だけでレンズもガラスも何も入っていない。
どういうつもりでかけていたのか全く思い出せない。
丸い黒縁の眼鏡をかけてボンボンのついた赤い手編みのマフラーを首に巻いた高校生。なんだそれ。
本当の気持ちなんて本人にしか分からないというが、
写真の高校生の俺の気持ちはそれを見ている俺には全く分からない、ということが分かった。
そして俺が何を探していたのかを忘れてしまって、
何がしたかったのか分からなくなってしまった。
だからどうした、と言われたら、
あ、いや、すいません。と答えるしかない。
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