りっしんべんなら'Long Small' (小が長いから) こざとへんは'ベータ' (そのまんま) たけかんむりは'Hair hair' (ケとケ) 土なら'eleven'(十とーだから)
海外には週末に行く土曜(日曜)学校がある。
シドニーにもいくつもの日本語補習校がある。
俺はキャメレーにある土曜学校で中3の担任を長くやっていた。
毎回1時間目に漢字のテストをする。
まず背景の情報としてここで土曜学校の生徒のために少し擁護をするなら、彼らは普段現地校で英語で学校生活を送っているわけで、表記するための日本語、特に漢字については日本と同じだけの時間をかけて習得しているわけではないことをまず書いておく。
そしてご存知のように俺は円周率の小数点以下の数字の羅列のようにどこまでも限りなく優しい。
だから漢字のテストのときにはいつも生徒にヒントをやる。
例えば
にんべんなら「イ」、さんずいは「シ」、くさかんむりは「サ」だし、
りっとうは「リ」とかね。
まあこの辺はダイレクトなヒントである。
あとはちょっとひねって
英語もどきを入れてやる。
りっしんべんなら'Long Small' (小が長いから。)
こざとへんは'ベータ' (そのまんま。)
たけかんむりは'Hair hair' (ケとケ)
土なら'eleven' (十とーだから。)
とか。
興味をもってもらうことが大事だし、
忘れない印象を頭に刻んでやりたいという気持ちがある。
で、
ある日の漢字テスト
「指示」ってのがあったんだけど、
「示」ってののヒントだすのに、
「It's too(two) small.」
って言ってやった。
生徒は???????って感じだったけど
元々その字が分かってた一人の女子が
「あ~~~~ぁ、too smallね。はいはい。」
なんつって大きく頷いた。
そして左腕を90度に曲げて、
そこにできた力こぶ、なのか余った肉なのか、を右手でポンポンっって叩いて俺のほうを見てにっこり笑って言った。
「やのっち、腕上げたねぇ~っ」
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