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立ち上がってトランクスを上げようとした瞬間、そのタイミングを見計らったようにドアが開いた。
ChatswoodのWestfieldショッピングセンターの6階に行こうとしていて、その前に便意をもよおしたので先ずはトイレに。
エレベーターを降りて真向かいのトイレ。
女性用、車椅子用、男性用が順番に並んでいる。
男性用に入ると個室が二つとも塞がっていたので一旦出て、
良心の呵責に苛まれながらも空いていた車椅子用を利用することにした。
なんせこっちも緊急事態なのだ。
内側から鍵をかけて一連の準備を終えてから、用を足す。
ホッと一息のひととき。
と、
ガチャガチャ
ドアの向こうで誰かがドアを開けようとしている。
でも、鍵が掛かっているので開かない。当然だ。
しばらくして諦めたのか、音はやんだ。そして個室空間は再び天井のスピーカーから流れるありふれた音楽で満たされていった。
そろそろいいか、と後処理をしているとまたガチャガチャとドアを開けようとしている音がする。ちなみにオーストラリアではシドニーでさえウォシュレットは普及しているとは言えない。
「分かった分かった。今出るし…」そう思って立ち上がり、 トランクスを上げようとした瞬間、そのタイミングを見計らったようにドアが開く。
そこに立っていたのは50代後半くらいの白人のおばさん。
「NO~!!」
あまりのことに俺の手は止まったまま。
パンツはまだ上げきられてはいない。
「Naughty boy!」
そう叫んで彼女はドアを閉めたが、それまで3秒ほど間があった。
え、何がNaughty???
車椅子用のトイレ使っちゃってたこと?
だったらおばさんだって今使おうとしてたじゃん。
(ちなみにnaughtyとは「いたずら(好き)な、わんぱくな、言うことをきかない、きわどい、みだらな、わいせつな」である。)
パンツを上げきってなかったこと?
そんなん知るか!お前が開けたんじゃ。
ってか、まずノックをしろよ、ノック。
ノックはお前らの文化だろ。
鍵が掛かってるというのは誰かが入ってるってことだろーよ。
そんなことも分からないのか、バカ!!
だんだん言葉が荒く…申し訳ない。
ろくでもない人はどこの国にも必ずいる。
それとも何?オレの息子のサイズの問題? だから「Boy」?
大きなお世話じゃ。
じゃなきゃ何?
そこで大きい方してたこと?
駄目だというルールはないぞ。
ええ、ショッピングセンターの清掃員の方、
どんな変な人がいてもいいように、
頼むから鍵くらいは正常に作動するよう
きちんと毎日点検しておいてくれませんか。
オレからのお願いです。
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