バットとか武器になるものがないかと思って辺りを探すのだけれど、バットがあったところでバットの長さ分の距離に接近して戦わなきゃいけないことを想像してゾッとしてしまう。
ビルの廊下で大海亀くらいの大きさのゴキブリとはちあった。
距離は20mくらいあったかもしれないけれど、目が合っちゃったというか。
で、ヤツは当然のごとく俺を捕食しようとこっちに向かってくる。それがめっちゃ機敏で、とにかく速い。
俺は急いで脇の部屋に駆け込んでドアを閉めるんだけど、ガラス張りの壁でヤツの姿は丸見え。ということはもちろんヤツにも俺の姿が丸見えなわけで、なんとか壁を突破しようと無駄に動く。
こっちからはヤツの油でギラギラした腹側の足が、無秩序にムニュムニュさを纏ったピキピキさで動くところが見えててて、気持ち悪すぎて吐きそうにもなる。恐怖過ぎる。
バットとか武器になるものがないかと思って辺りを探すのだけれど、バットがあったところでバットの長さ分の距離に接近して戦わなきゃいけないことを想像してゾッとしてしまう。
もっと長いものはないか探そうとしたけれど、でも長すぎるとその内側に入られたら打つ手がない。殺虫剤は持っていないし、効きそうにもないし。
すると物凄い音とともに、舞台のセットが倒れるように、ガラスの壁がバッターンってこっち側に倒れてきちゃった。
そしてそれに驚く暇もなく、パトラッシュより幾回りもでかいヤツが空中を飛んで向かってくるじゃーーーーん。
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ
って目が覚めた。
(ヤツに接触する直前…。ギリセーフ。)
怖ええええっ。
と、伊坂幸太郎の「魔王」では、ヤツのことが大嫌いな主人公の弟は物体名ではなく「ごきげんよう、おひさしぶり」と呼んでいる。
ヤツらは決してそんな悠長な生き物じゃないけど。
で、そこでヤツのことを「せせらぎ」って呼ぶことになっちゃうんだけど。ここは笑える。
ヤツらは決してそんな趣深い生き物じゃないけどね。
象アリクイくらいの大きさのせせらぎに廊下で遭わないように、
十分気を付けてお過ごしください。
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