日本人でなく、日本語が分からなくても、「書」が目に入り、何かを感じる人がいる。書を生業としている者にとっては大変ありがたく、嬉しいことである。
人の動きが止まってしまったシドニーのこの2か月。
拘束の段階的な解除が始まると、シドニー北部のチャツウッドの街は堰を切ったように人が溢れた。
ソーシャルディスタンスなど、店の中のレジの前でこそ床にテープが貼っているので形だけ守ってはいるが、そのほかの場所では完全になかったことになっている。
国民性の違いというか、どうも我慢の限度が随分手前の方にあるようで、これから冬になっていくんだから、インフルエンザのことも頭に入れて、気を付けすぎるくらい気を付けるのがちょうどいいように思うのだけども。
「近寄らないで。」
スーパーで棚の物を選ぼうとしたらそばにいた白人のご婦人からそう言われたなんて話はそこらじゅうで聞くし、これがアジア人差別かどうかは受けとり方にもよるけど、そうではないと完全に否定できるわけでもない。
うじゃうじゃ出てきた人達の間で、ウィルスも人種間の不信感も広がらないでくれることを願うばかりだ。
さて、去年のビルの空調の工事中、オフィスの中に新しい空調用のサーモメーターを作業員のお兄さんが取り付けてくれたときのこと。
作業のために入ってきた彼は、机に並んだ生徒さんたちの作品をながめて 'very good calligraphy' と言ってほほ笑んだ。俺にはそれが取ってつけたようなお世辞には思えなかった。たまにこういう人がいる。とても素敵だ。
日本人でも「書」なんて全く目に入らない人がいる。
もちろん悪いことではない。それは残念なことではあるけれども興味が無いんだからそれは仕方がない。
日本人でなく、日本語なんか分からなくても、「書」が目に入り、そこから何かを感じることができる人がいる。書を生業としている者にとっては大変ありがたく、嬉しいことである。
お兄ちゃんが天井を開けたり、壁に穴を開けたりしたから塵埃がでた。
でもそれがきっかけでオフィスに掃除機がかけられた。
どうのこうので結局気持ちのいい日になった。
人間やっぱり『気持ちの持ちよう』なのかもしれないな。
プラスに考えるか、
マイナスに考えるか。
俺はなかなかうまくはいかないんだけれども、
それでもプラスに考えようと試みてみることは大事だな。
ではウィルスや人種間の不信感が広がりそうなことを
どうプラスに考えたらいいのか。
うーん、
やっぱり俺ではうまくいかない。
考えずにできることは
手洗いとうがいとマスク着用だけ。
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