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67.うれしい通知

今日は珍しく、5分おきに鳴る
大音量のアラームより先に目が覚めた。

普段なら片目をうっすら開けてアラームを止め、
直ぐにまた目を閉じるのだが
今朝は両目を開けてアラームを解除し
天井に伸びる光の筋を眺めながら
天国みたいだなと思った。
何か夢を見ていたはずなのだが、
あんまり綺麗な天井のせいで忘れてしまった。


起床後すぐに朝日を浴びると幸せホルモンが分泌されるという健康オタクな思考が急に呼び起こされてベランダに出てみると、まだ涼しい秋めいた朝の訪れにスキップしたくなった。
セロトニンおばかである。


このところ目覚めが悪かったのは、
寝る直前になってからスマートフォンに齧り付いて
可愛い女の子が膨大な量のポンデリングやサーモンやウインナーを爆食している動画を見ていたからなのだ。


昨晩は最寄駅に帰り着いたのが
深夜12時10分。もう歩けないと両足が喋っていた。
私は可哀想な顔の両足に「そうだよね」と呟いて
迷わずにタクシー乗り場に不時着した。
(明日はおむすび一個にしよう…)


私より一足先にぷよっとした男性が既にいて、
飲み過ぎたのであろう奇妙なステップを踏んでいた。
私はその男性から4歩ほど距離を置いてタクシーを待った。
15分ほど経っただろうか、なかなか来なかったが
ぷよさんは無事にミニバンタクシーに拾われ
そのすぐ後に一般タクシーが私を乗せてくれた。


お家に着いた瞬間、
お化粧を落としてシャワーを浴び
もうほぼ瞼が閉じきりながらに歯を磨いた。

これがバタンキューというやつかと
真っ暗な部屋のベッドの上で朦朧としながら
うっすら考えていたら、
次の瞬間には素晴らしい目覚めが訪れていた。

新しい朝に恋心を抱きながら
身支度を丁寧にしていたら益々元気が湧いてきた。
新しくライブ会場で販売予定の商品も
ナイスなタイミングで納品され、
午前中は袋に詰める作業が捗った。

今日はお昼を過ぎたら、
お打ち合わせの予定が高田馬場である。
終わり次第でお家に帰ったら録音を進めるかな、
と考えていた時だった。
スマートフォンに一件の通知が届いて
アイコンが表示された。

私は思わずにやけてすぐに開く。
専門学生時代に1番長く時間を一緒に過ごした子からの連絡だった。

昨日の夜はくたくた大魔王だったのに
私は今朝ただでさえ生まれ変わったような気がしていたのに、彼女からの連絡が来るなんて年に1度の一粒万倍日なのではなかろうか

会いたい人に会いたいと言われることが
これほどまでに嬉しいとは…

私も通知でにやけさせられる存在になりたい。

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