オンラインで拡がる「がん」支援の取り組み
こんにちは。ルネサンスnote編集チームです。
毎年10月はピンクリボン運動の強化月間です。
ルネサンスでは、乳がんに罹患された方にフィットネスの機会を提供し、体を動かすことでQOLの維持・改善につながるきっかけとなることを目的に、「乳がんサバイバーのためのオンラインフィットネスフェス2023」を10/16~10/28の期間で開催しています。
今回のnoteは、ルネサンスにおけるがんに関わる事業を担当している西畑 卓(にしはた たく)さんと、スタジオプログラムのオンライン配信サービス「RENAISSANCE Online Livestream®」の事業担当者の筒井 美花(つつい みか)さんに、オンライン配信サービスによって拡がる、がんサバイバーの方々に向けた支援についてお伺いしました。
それぞれが取り組む事業と、これまでに共同で行ってきた取り組み
ーーお二人が取り組んでいる事業について、教えてください。
西畑:ルネサンスでは、がんに関わる事業を大きく2つの柱で展開しています。
1つ目は、大阪国際がんセンター内に開設した、がん患者に特化したがん特化型運動支援施設『ルネサンス運動支援センター』での取り組みです。大阪国際がんセンターと連携し、運動介入を通じてがん患者の身体に起こる不調や痛みの改善をはじめ、体力回復、機能回復などの支援を行っています。これまで、運動支援センターでは、施設やオンラインセミナー等で700名以上のがん経験者の方々に運動相談や各種測定、運動指導を行ってきました。
2つ目は、がんについての知識を十分に持ち、それぞれのがん患者のニーズに合わせた適切な運動支援ができる人材を育成する「大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士」の資格認定事業です。
「がん専門運動士資格認定」では、フィットネストレーナーなど運動指導者だけでなく、医療、介護、柔整師等幅広い業種に従事する方からの支持を得て、全国150名以上が資格を取得されています。
がんにおいて、病院でのリハビリが限定的であることから、そのバトンを引き継ぐ存在が全国で求められています。
また、医療の進歩によりがんの生存率が高まっている現在、日常生活や、職場復帰などに向けた支援サービスのニーズも高まっているのが現状です。
筒井:私が担当する「RENAISSANCE Online Livestream®」(以下、「ROL」)は、コロナ禍をきっかけに、スポーツクラブに通えなくなってしまった方々にエアロビクスやヨガなどのスタジオレッスンをお届けするための、オンラインレッスン配信サービスです。
サービスのスタート直後はスタジオレッスンを中心に展開していたのですが、長引くコロナ禍で生活の様式が変わっていく中で、運動だけではないコンテンツをどのように拡げていくかということにも取り組むようになりました。
そのため、今までスポーツクラブで実施していたプログラム以外にも色々とチャレンジをしていこうと決めました。そのなかで、既に取り組みがスタートしていた運動支援センターでのがんサバイバー向けのプランを、オンラインで実施できないかと考え、西畑さんのチームと共同で取り組むことになりました。
昨年のピンクリボン運動強化月間中、「乳がんサバイバーのためのヨガWEEKOnlineFitnessFestival」を開催したのですが、5日間で参加者は延べ約580人にもなり、がんサバイバーご自身だけでなく、そのご家族やサポートされる方など幅広くご参加いただきました。
ーーイベント実施のほか、ROLで取り組んでいることはありますか?
筒井:ROLでは現在、がんサバイバーの方に向けた料金プランとして「がんサバイバーシップ支援プラン」を導入しています。
以前から乳がんを経験された方や治療に取り組む方に向けた「乳がんヨガ」、「乳がんエクササイズ」プログラムの導入をしていたのですが、ご参加された方から
などのお声をいただいていました。
より多くのがんサバイバーの方が、気軽に安心して運動ができたり、インストラクターや参加者同士がオンラインで繋がることで、気持ちのリフレッシュができたりする場を提供したいと思い、2023年4月より新たな料金プランとしてスタートをしています。
オンラインサービスで支援を始めたことで気づけたこと
ーーがんサバイバーの方に向けたオンライン配信サービスに、どのような可能性を感じていますか?
西畑:運動支援センターでは、サービスをご利用可能な方が、施設のある大阪にお住まいの方が中心となっていたので、今後どのようにこの輪を拡げていくかが課題でした。
そこで、ルネサンスの中に目を向けた時に、約30万人のスポーツクラブ会員の皆さんや約4万3000人のROLのご利用者の中にも、がんサバイバーとしてお困りの方がいるのではないかと思い、色々な部署で連携して取り組みを進めることで、必要な運動支援の輪を広げられるのではないかと考えました。
昨年10月に実施したイベントの参加者の声を聞いてみると、「今はがんに罹患しているわけではないけれど、将来の自分自身のことや身の回りの人の事を考えた時に、備えとして知識を持っておきたい」という声や、「会社で困っている仲間に対して、まずは自分自身が体感して伝えていきたい」というような声があり、参加者の方から周囲の方に次のバトンを繋ぐような拡がりを、ルネサンスで生み出すことができると感じました。
筒井:オンラインだから顔を出さずにプログラムを受講することができる、でもライブレッスンならではの一体感があるというのは、ROLを通じて運動を行うメリットなのではないかと考えます。
また、画面はオフでも、その場に同じ悩みを抱えている人たちが集まっていると実感できることは、参加される方々の安心に繋がっていると思いますし、ROL上のチャットで、インストラクターや同じ参加者から励ましの言葉や、「一緒に頑張ろう」というコミュニケーションが生まれています。
ROLでがんのプログラムを指導するインストラクターはご自身もがんを経験された方もおり、ご自身の実体験を踏まえたアドバイスは、情報が溢れている中でも信頼できる情報源になっているのではないかと思います。
ルネサンスだからこそ取り組める、がんサバイバーへの支援
ーー今後、互いに協力してどのようなことに取り組んで行きたいか教えてください。
筒井:最初は「乳がんヨガ」「乳がんエクササイズ」というように、乳がんサバイバーの方に向けた特定のプログラムから始まった取り組みでしたが、そこでのお客様の声を取り入れて、2023年7月からは様々ながんに対応した体力向上のプログラムをスタートすることができました。
この新たにスタートしたプログラムにおいても、お客様の声を取り入れながら、困っていることを解決していきたいと考えていますし、オンラインレッスンの特長を活かしながら、ROLだからこそできることを、今後も探っていきたいです。
西畑:これはあるスポーツクラブでのエピソードなのですが、先ほどお話をした「がん専門運動指導士」の資格を拡げていく中で、クラブのトレーナーが資格を取得したことで、お客様から「これでわたしががんに罹患したとしても、ルネサンスを続けることができるね」と言っていただくことができました。
そのお客様は、現在通われているスポーツクラブのように元気な人達の運動する場では、将来ご自身が病気になった場合は通い続けることは難しいという風に考えていらっしゃったようです。
がんになっても運動を継続できる環境をルネサンスがつくることで、お客様にとって「自分らしい生き方」の選択肢が広がるのではないかと思いますし、その環境づくりのひとつとして、お住まいの地域からアクセス可能なROLとの連携をし、身近な場所で必要な運動にアクセスできる体制をより強化していきたいです。
この取り組みを進めることは、疾病や介護などの支援を必要とする方でも、誰もが自分らしい生活や、人生を送ることのできる社会になり、私たちが目指している「人生100年時代を豊かにする健康のソリューションカンパニー」に繋がる、私たちルネサンスの社会的なミッションだと考えています。
このように、今後のnoteの場を通じて社内の様子もお届けしていきます。
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