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Die With Zero 人生が豊かになりすぎる究極のルール ビル・パーキング著 [読書感想文]



「人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。」


2021年6月、母がこの世を去りました。71歳でした。
その7年前に心不全で倒れてから、入退院を繰り返していましたが、その時に、

「もう(いつ死んでも)思い残すことはなか。オーストラリアに行ったし、カナダやフランスにも連れて行ってもらったし。」

と、よく母が語っていたのは海外旅行の思い出でした。

* * *


この本に出会ったのは母の死から遡ること数ヶ月前だったかと思います。Twitterでフォローしている資産運用界隈で話題になっていたので、気になってポチッと。

読み終えた時、自分が今まで実践してきたこと、実践しようとしていることは間違いなかったと、今まで自分がやってきたことが肯定され、この本を読んだ友人も言っていましたが、もっとやれと背中を押されているような気持ちになりました。


晩年を迎えていた父との経験が「人生の仕事は思い出づくり」という考えの重さを教えてくれたと著者が語っていたように、私も母の死で確信しました。

人生の最後に残るのは思い出、だと。



本書で挙げられている「人生が豊かになりすぎる究極のルール」は、

ルール1 「今しかできないこと」に投資する
ルール2 一刻も早く経験に金を使う
ルール3 ゼロで死ぬ
ルール4 人生最後の日を意識する
ルール5 子どもには死ぬ「前」に与える
ルール6 年齢にあわせて「金、健康、時間」を最適化する
ルール7 やりたいことの「賞味期限」を意識する
ルール8 45〜60歳に資産を取り崩を始める
ルール9 大胆にリスクを取る。

目次より


と、この本を読んだ友人たちも言っていましたが、ずっとそう思ってはいた、頭ではわかっているってことを、著者は分かりやすく言語化しているのです。



今の自分があるのは20代での経験が大きく、それこそルール1、2、9を実践できたからだと思っています。高卒の私が誰もが知っている有名な上場企業に就職できたにも関わらず、その安定を捨てました。

ワーキングホリデー制度を使ってオーストラリアで生活し、そして世界のあちこちを旅し、そこから英会話習得にお金と時間をかけたこと、それこそ借金してまで(レバレッジをかけてまで)経験したことが、30代になって生かされ、40代で加速したのではないかなと自己分析しています。


お金を残して死んでも意味がないと子供がいない私はルール3は昔から意識していました。どこかで稼ぐスピードを落とし、そして資産を少しずつ取り崩し行かなくてはならないと思っていました。

というか、

莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金を全て使わずに死んでしまえば、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。その時間を取り戻すすべはない。

P70-71

金を残して死んだら負け。タダ働きしたようなもん。みたいな論調にはむちゃくちゃ痺れました。そうだよ、その通りだよ。



その時にこの本に提案されたのが、ルール5でした。
ん?子供がいないのに何言ってんだ?と思われるかもしれませんが、この本では子供へは(一番お金を必要とするタイミングで)生前贈与をするのが良いというだけではなく、慈善団体への死後の寄付は効率が悪いということも言っています。

慈善事業が取り組んでいる問題は「今」起きているからだ。それを解決するのに相応しいのは将来ではない。今なのだ。

P144

正論すぎて、ぐうの音も出ませんでした。




人生100年時代と言われている昨今、うちの母親もなんだかんだで図太く長生きするんだろうなとずっと思っていました。でも、そうではなかった。

もし、私が母と同じ歳で死を迎えるとしたら、あと23年しかないの?
と、母の死で、否応なしにもルール4を意識することになりました。

長寿リスクで「老後の資金がありません!」って事態を心配して貯金しなきゃってなっている人が大半だと思います。でも、母や今年10月に亡くなった祖父を見ていて思ったんですよね。

歳を取ってからはお金をたくさん使うことはない、というか機会がないんですよ。

友達と何か美味しいもんでも食べてほしいなって気持ちで、母に毎月仕送りをしていましたが、母の死後、貯金通帳を見たら、しっかり貯め込んでいました。
これを見た時、ほろりと涙が頬を伝いました。

結局、母が残したお金でお葬式やお墓代を出すことができ、それでもまだ残っていたので、母ならば孫のために使ってほしいはずだと思い、弟2人に財産分与しました。子育て真っ最中なので必要なタイミングだったことが不幸中の幸いでした。

それでも、女手一つで苦労して子供3人育て上げたんだから、自分の好きなことにお金を使って欲しかったというのが私の思いです。

ちょっと話が逸れてしまいましたが、要は、自分が思っているほどには老後にはお金はかからないってことです。

人それぞれではありますが、私は老後は年金とiDeCoで賄えると計算しています。



そうそう、人生やりたいことリスト100とか作ったことありませんか?
私は100個ではないですが、でもやりたいことリスト作ってます。作ってない人はこの年末年始で作ってみましょう。作ったことある人はもう1度そのリストを見直すことをお勧めします。そのやりたいことには賞味期限がありませんか?

例えば、私は20代前半でワーキングホリデー制度でオーストラリアに行きましたが、この制度はいつまでも使えるわけではありません。当時は25歳まででした。

やりたいことには年齢制限、期間限定などの時間制限などの賞味期限がついているものもあります。

これがルール7で著者が言っていることです。



ゆえに、ルール6で述べられているように、年齢に合わせて「金、健康、時間」を最適化するのです。「金」「健康」「時間」のバランスが人生の満足度を高めると著者は言っていますが、まさにその通りだと思います。


ルール8では、45〜60歳に資産を取り崩し始めると説明がされています。
私が4 Deserts Grand Slam + 挑戦のために会社を辞めたのが46歳の時、それから資産を取り崩し始める生活をしているので、偶然にもベストなタイミングで始めたわけです。

とはいえ、ずっと無職ってのもあれなんで(あれって?)仕事をする可能性は多いにありますが、フルタイムでの復帰は多分もうないでしょう、、、。


コロナ禍、そして母の死。このタイミングで、この本に出会えたことが運命であるかのように勝手に思えてきました。


喜びを先送りせずに、今しかできないことに惜しみなくお金を使う。


読後のメルカリ行きを免れ、本棚に陳列され、時折読み返しては背中を押してくれるバイブル本となりました。

(機会があれば、この本の内容をどのように実践しているのか雑文書くかも。)



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Rena@サハラ砂漠
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