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端島(軍艦島)ニ上陸ス [長崎県長崎市]


(2025年1月訪問)


生まれも育ちも長崎だが(と言っても長崎市内ではない)、高校を卒業する18歳まで暮らしていた頃はこの島、炭鉱のことは知らなかった。私が生まれてから数ヶ月後に閉山していることもあってか(あっ、年がバレちゃうw)、全く聞いたことがなかった。実家から有明海を挟んで地理的に?精神的に?近かった三池炭鉱の方はかつて祖父が少しだけ働いたことがあるという話をしていたので知っている。

さて、この端島、1810年頃に石炭が発見され、佐賀藩が小規模な採炭を行っていたが、1890年に三菱合資会社の経営となり、本格的に操業を開始した。エネルギー資源の需要が石炭から石油に移ったことで、出炭量も人口も徐々に減少し、1974年1月に閉山、そして4月には無人島になった。別名、軍艦島という名はこの島を囲む岸壁と立ち並ぶ高層鉄筋アパート群のシルエットが、旧日本軍の軍艦土佐に似ていたことからついた。

2000年代に入った頃だろうか、廃墟マニアの間でこの島が話題になったのは。そして、2012年公開の映画「007シリーズ、 スカイフォール」でこの島が素材として使われたことで世界中の注目を浴び、そして、2015年にユネスコの世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」に登録されたという感じで記憶している。


いつか行ってみようと思いつつも、長崎にしょっちゅう行っている身としてはいつでも行けると先送りにしていた。で、昨年の端島を舞台にしたTBSドラマ「海に眠るダイヤモンド」にいたく感動したので、次の帰省のタイミングで「軍艦島上陸・周遊クルーズ」を予約した。

軍艦島クルーズは長崎市内に3、4社くらいあるが、その中でも帰省時にお世話になっている三池島原ラインの運行会社、やまさ海運のツアーに申し込んだ。サイトから予約し、現地の窓口で支払いを行う。(クレカ利用可)


天候次第では端島に上陸できず、軍艦島の周りを周遊するだけになるという。ここ数日は端島周辺の波が高く上陸できていなかった。しかし、この日の午前のツアーでは上陸できたという。期待が高まる。

閉山してから約51年、島内の建物の風化が著しく、いつ崩壊してもおかしくない状況であるため、見学ルートが決まっていて、それ以外の場所へ自由に動き、見て回ることはできない。

軍艦島クルーズツアーのパンフより


で、運良く上陸できたー!


下船した後は、ガイドさんと一緒に移動しながら説明を聞くことになる。英語で説明を聞きたければ、英語を話すガイドさんについて行けば良い。


第1見学広場


上陸した場所から一番近い見学広場で、もともとの端島は草木のない岩礁があっただけの島で、石炭の採掘が始まってから周辺を6回にわたって埋め立て拡張工事を行なって現在に至っている。

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目の前にはその岩礁の上に造られた貯水槽が見える。本土の野母崎の水源と繋ぐ海底水道が造られるまでは、真水を運搬する船が1日に3回来て貯水していた。


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高台の上にある建物は幹部用の職員住宅で、正面の建物群はアパートと端島小中学校だと思われる。そして、右端に写っているのが石炭を運ぶベルトコンベアーの支柱である。



第2見学広場

炭鉱の総合事務所や倉庫があった場所とのことだが損壊が激しいので復元工事を行なっているようだ。

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とにかく瓦礫の山だ。貯水槽の後ろに立っている灯台は閉山してから設置された。


第2見学広場から第3見学広場に向かう間の建物は炭鉱関連施設だか、もはやコンクリートの塊で廃墟感がすごい。

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第3見学広場

目の前に見えるのは30号棟、31号棟アパートだ。

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右側の30号棟アパートは、1916年(大正5年)に建てられた日本最古の7階建て鉄筋コンクリートである。鉱員社宅として建築され、地下には売店もあったそうだ。左側の31号棟アパートも鉱員社宅で、地下に共同浴場、1階には郵便局や理髪店があったという。


そして、第3見学広場のすぐそばにはプールがあり、その名残が残っている。プールの水は海水だったとのことだ。

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この南北に約480m、東西に約160m、周囲約1.2kmという狭い島に最盛期には5,300人も暮らしていた。当時の東京の9倍の人口密度だったというのには驚きだ。この島での暮らしの様子がTBSドラマ「海に眠るダイヤモンド」でうまく再現されているので、まだ見ていない人は是非見てほしい。そして、その後、軍艦島クルーズツアーに参加するっていうのがお勧めだ。


軍艦島の上陸証明書


(おまけ)
上陸後の周遊クルーズの映像の一部ですが、案内付きでどうぞ。


#わたしの旅行記

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