見出し画像

カラヴァッジョ 『メドゥーサの首』

 ゴルゴン三姉妹の末妹メドゥーサは、海神ポセイドンと交わり(一説にレイプ説)、女神アテナの逆鱗に触れ、髪を生きた蛇に、見たものを石化する魔力を持つ化け物にされてしまう。

 メドゥーサは英雄ペルセウスに首を切られるが、切られた傷口から天馬ペガサスと黄金の剣をもつ巨人クリューサーオールを産み落とす。

 この悲劇の化け物は、ただじゃ死なない。

 首だけになっても瞳の魔力は残り、悲哀を漂わせながらもペルセウスの武器となって視線のレーザービームで次々怪物を倒す。

 その図案は「魔除け」、もしくは「理不尽な正義への抗議」「女性の英知」の象徴として宝飾品や陶器、建築、ブランドロゴなどに用いられる。
 わたしは後者の解釈を支持したい。

 メドゥーサの主題は絵画でも多く描かれるが、カラヴァッジョ描く『メドゥーサの首』(1597年-1598年頃、ウフィッツィ美術館蔵)は、圧倒的な存在感だ。学生時代、ウフィッツィ美術館で観た。

 本作品について、詩人ガスパレ・ムルトラは以下の通り述べた。

「逃げなさい、もしあなたの目が驚きのあまり恐怖したなら、彼女はあなたを石に変えるでしょう」

カラヴァッジョ『メドゥーサの首』部分
(1597年-1598年頃、ウフィッツィ美術館蔵)

ちなみに、Red Hot Chili Peppers 『 Soul To Squeeze』MVでは、アンソニーがメドゥーサになって登場する。


お口直し🤭
Perfume「レーザービーム」


いいなと思ったら応援しよう!