しろ
雪の舞い散るこの街に
僕はひらりと降り立った
誰にも見えないこの形(なり)で
全てを葬り去るために
雪がさざめくこの町で
僕はいつしか笑いだす
誰も知らないこの場所で
大きな穴を掘りながら
雪が囁くこの町で
僕は漸く手を伸ばす
誰にも届かぬ鈴の音と
永久の眠りにつくように
やがて雪降るこの街は
僕の心も知らないで
ある麗らかな昼下がり
僕を路傍へ放り出す
よどんだ僕はそのままで
ずっと天地を撫でている
いつしか僕は立ち上がり
駆け出しやっと君を知る
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