なにか

なにものかになりたくて
でもなにものにもなれなくて
時ばかりが過ぎていくことに耐えられなくなった僕は
背中を思い切り蹴り飛ばした

走り出した僕はどこにいるのか
どこにどこまで行けばよいかわからなくて
ありったけの自信が全て砕け散り果てたころ僕は
自分を思い切り突き飛ばした

誰も何にもなれないから
自己に鍵をし日々を繋ぐ
僕は何にもなれないけれど
醜く足掻き歩き続ける


三千歳の哀しみを飼い慣らし僕は
孤独を友に草の庵で心を解いた

いつか世界が僕を見つけ捻り潰したとしても
後悔はもうないだろう

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