記事⑥ 社労士試験 合格に必要なこと② ー模擬試験編ー
こんにちは。れんです。
前回記事に引き続き、一発合格を目指す上で必要なことについて情報発信をしていきます。
前回問題演習を中心として科目ごとに学習をするという勉強法について記事を書きましたが、今回はその続き、「直前期における勉強方法 ー模擬試験編ー」です。
模擬試験の重要性
基礎演習、過去問題演習も進み、いよいよ社労士試験まで日数を計算する時期になると、必要なことがあります。それが模擬試験の受験です。
模擬試験は、専門学校が腕によりをかけて作成する予想問題集です。本試験とまったく同じ試験時間、全く同じ問題数で構成されており、日頃の学習とは一味違った緊張感をもって取り組むことになるのではないかと思います。
模擬試験を通じて学べる事、また本番までに学んでおかなくてはいけないことが数多くあります。私自身の考えとして、模擬試験を複数回受験することは、社労士受験をする上で必須であるとも考えており、自身の合格は模擬試験なしでは成しえなかったと考えています。
以下、なぜ私が複数回の模擬試験を必須ととらえているか、また模擬試験最大限に有効活用するためにはどうしたらいいか、その方法を記載していきます。
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模擬試験の使い方① 問題を解く上での時間配分の実践**
本試験は午前80分午後210分、全科目を通じて連続で問題を解き続けます。
午前の選択式が8教科40問、午後の択一式が7教科70問ありますので、午前では1問につき2分、午後は1問につき3分で解かなくてはなりません。
特に、午後の択一式は1問につき5肢ありますので、数字上1肢につき最低36秒で正誤判定をしていくことになります。
実際はマークミスがないかの確認や、あやふやな問題の再考等をする時間が必要なため、それよりも早いスピードで解答を出していくことが求められます。
日頃の学習で、ここまでシビアに時間を計ってアウトプットをする機会は少ないと思います。この模擬試験を通じて、この科目を解くためにはこのぐらいの時間がかかるな、今のペースで解くと間に合わないからどこかでスピードを速める必要があるな、といったペース配分を学習していくことになります。
1度模擬試験を受験した上でスピードや時間のかけ方を軌道修正した上で、2回目以降の模擬試験でそれを確認するという作業をすることが重要だと考えます。
このペース配分を経験しないと、本試験で本当に時間が足りるのか等の迷いが生まれ、結果として当日の難敵である「焦り」が顔を出すことになります。
模擬試験の使い方② どの科目から解いていくかを決める
午前、午後ともに時間内に全ての教科に回答をします。すなわち、時間内に回答を出せればどの教科から解いてもよいことになります。
本試験の冊子は原則的に、労働基準法(労働安全衛生法含む:以下労基)、労災法(徴収法含む:以下労災)、雇用保険法(徴収法含む:以下雇用)、労働に関する一般常識(以下労一)、社会保険に関する一般常識(以下社一)、健康保険法(以下健保)、厚生年金保険法(以下厚年)、国民年金法(以下国年)、の順番で綴じられています。
1ページ目から解くもよし、好きな教科から解くもよしです。これは実際に体験してみないと自身に合う順番は見つかりません。
私自身は、労働関係科目(労基~労一)よりも社会保険科目(社一~厚年)を先に解く方があっていました。
理由は、年金科目は1肢当たりの問題文が長く計算や図解で解く問題が多いため、疲れが出てくる後半に比べてよりフレッシュに取り組める前半に持ってきたかったからです。
ただし、1科目目から取り掛かるよりはウォーミングアップとして1科目解いてからにしたかったので年金2つは2科目目、3科目目に。そして一般常識系は難問が多いので序盤に取り掛かるとできなかった時のダメージが尾を引くので最後に。
上記から出した結論として
① 健保→②国年→③厚年→④労基→⑤労災→⑥雇用→⑦労一→⑧社一
で解くことにしていました。
模擬試験の使い方③ 自身の疲労具合の確認
社労士試験は試験時間が長いです。特に、午後は210分通しで問題と向き合うことになります。学生時代ならまだしも、30代以上の人が受けるにはなかなか辛い時間です。
そうすると、どこかで集中が切れたり、ふと同じ問題を何度も読んでいたり、そういった疲労に伴う時間のロスが発生します。前述したように、1肢を最低36秒で正誤判断をしていかなければならない試験で、こういったロスはできる限り減らしたいです。
このタイミングで一回休んでおこう、このタイミングで一回飲み物を飲んで一息つこうなど、疲労をコントロールする経験を積んでおく必要があると思います。
また、こういった長時間の回答を複数回経験することで「試験自体に慣れる」こともできます。自身が初学者の時は、2つの学校の模試を合計4回受験していました。
結果、4回目には試験自体に慣れており、長時間椅子に座って問題を解き続けたとしても、1回目に模擬試験を受けた時より明らかに疲れなくなっていました。また、3回目までに試行錯誤した自分の本試験の受け方を4回目で最終チェックすることができ、本試験ではだいぶ迷いなく受験をすることができました。
こういった長時間の回答を経験せず本番に臨んでしまった場合、緊張と疲労によって普段の力が出にくい環境を自身で作ってしまうことにもなります。
模擬試験の使い方④ 当日の持ち物の確認
社労士試験は1日がかりです。当日の昼食や空き時間に復習する教材など、朝用意をして持参することになります。
模試を受けると、1日の流れを経験することができます。
例えば、昼食は食べすぎると眠くなるけど少なすぎると試験中に空腹になるから、このくらいの量を持っていけばいいな、昼休憩の時間はこれくらいあるからこのくらいの教材を昼休憩中に最終チェックできるな、など実際の流れを体験することで感じるものがあると思います。
また、冷房が効きすぎているかもしれないから上着を一枚持っていこう、汗をかくかもしれないから変えの肌着を持っていこうなど、やはり経験していると用意できるものにも幅が広がります。
模擬試験もただの腕試しととらえるのではなくて、実際の本試験を想定して本試験だったらどういう行動をとるかを考えながら受けると得るものも比例して増えてくると思います。
模擬試験の使い方⑤ 雰囲気を感じる
本試験は独特の雰囲気があります。人生をかけて臨んでいる人、毎年惰性で受けている人、あきらめて試験会場にも来ない人(これは目視はできませんが)など、さまざまなバックボーンを持った人がいます。
ものすごい量の教科書を積み上げている人、直前までぶつぶつ言いながらその声が周りにいる人に聞こえている人、挙動が怪しい人など、どんな人が受けに来るかわかりません。
本番でいきなりそういった人に出会ってしまうと惑わされて集中ができなくなるかもしれません。模擬試験でそういう人に出くわす可能性は多くはないかもしれませんが、そういった人がいたらラッキーです。本試験で動揺せずに済みます。
余談ですが私自身、模擬試験の際に座った前の席の方が汗でものすごいにおいを発していたことがありました。こればかりは体質の問題もあるので仕方のない部分もあるのですが、その時は鼻が慣れてくるまで集中できませんでした。
少なくとも自分は周りになるべく影響がでないよう、汗拭きシートや着替えを持っていくことにしました。
模擬試験における最重要ポイント 模擬試験は自身の学習のマイルストーン。分析と復習をする
最後に模擬試験で最も重要なポイントの紹介です。それは、今の自分が周りに比べてどのくらいの位置にいて、どの科目を今後より力を入れて取り組めばいいのか把握することです。
社労士の試験は相対評価の試験です。ですので、まず今の自分は周りと比べてどの程度の順位にいるのかを把握することが重要です。
上のほうなのか、真ん中くらいなのか、下のほうなのか、順位を見れば自分の位置がすぐにわかります。
それをもとに、全体として自分は今以上に加速して学習する必要があるのか、基礎固めを徹底することが必要なのかなど今後の勉強方針を決めることが出来ます。
次は、全体だけでなく、教科ごとその分析を深堀していきます。
自分が周りに比べてどの科目が強いのか弱いのか把握することで、今後かけられる学習時間に科目ごとの傾斜をつけることが可能です。ただし、1度だけの試験ではその強み弱みが正しいのかたまたまなのかの判別が困難なため、複数回受けることをお勧めします。
最後に、問題ごとの分析をしていきます。
周りはみな同じ方向を向いているのに自分だけ誤った方向を向いてしまうと合格が遠のいてしまうことになります。そういった意味で、周りの正答率が高い問題を間違えてしまうことは避けておきたいポイントです。
模擬試験では、一つ一つそういった分析をしてくれるケースが多いです。模擬試験は各学校が本気で作った最高の商材ですので、本来は出る問題すべてを復習しておくのが望ましいですが、少なくとも1年目の自分はそこまで手が回りませんでした。
ですので、1年目の自分はまずは全体の正答率が高いにも関わらず自身が不正解となったポイントを洗い出し、そこは重点的に抑えていました。その点をしっかり復習し、次にでたときにはわかるような状態にしておけばいいと思います。
特に複数回模擬試験を受けるのであれば、すべての模擬試験を全力で復習する時間は作りにくいと思いますので、まずは上記から復習をするとよいのではないでしょうか。余力がありそうならば苦手教科は全問復習する、まだ余力がありそうなら全ての強化で全問復習するなど範囲を広げていけばよいと思います。
模擬試験で満点を取ろうが本試験が合格となるわけではない
よく模試で何点取れた、この科目で満点だったなど点数のみを気にする方がいます。
しかし、模試の点数はあくまで模試を受けたその瞬間での力に過ぎません。模試で満点をとれたとしても、そこから学習を怠ればどんどん点数は落ちていきますし、模試でいい点数が取れなくても上記のような分析と復習をすることで着実に点数は伸びていきます。
かくいう私も、1年目に初めて受けた模試では、択一式70点満点中21点と本試験だったら疑う余地もなく不合格の点数でした。しかも、着実にさぼることなく学習をしてきたと思って臨んだ結果がこれです。
当日はショックでしたがそこから学習を積み重ね、本試験では1年目の択一式は46点でした。模擬試験から25点点数を伸ばしたことになります。
大事なのは模擬試験で合格点をとることではありません。本試験で合格することです。模擬試験を受けていい点数だった方も思ったほど点数が伸びなかった方も、客観的に自分を分析して淡々着実とやるべきことをやることが合格への最短経路であると私は確信しています。
令和2年度はコロナウイルスの影響で、模擬試験も会場受験の形式ではなく、自宅受験のみとなったものもあります。しかし、今年その模試を会場受験をできなかったのは皆さん同じです。
今できることを最大限にやることがもっと大切な事だと思います。
お体を大事にして、当日万全の体制で受験ができることをお祈りいたします。
次回、一発合格を目指すのに必要なこと③ ー法改正項目編ーを発信予定です。
今この瞬間が、社労士試験まで最も時間がある瞬間です。ぜひこの瞬間を大事にして合格を勝ち取ってください。私もできる限りの情報発信をしていきますので、少しでもヒントになれたら嬉しいです。
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Twitter:@ren_sharoushi
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