【読書感想文】星の商人/犬飼ターボ
今回おすすめいただいたこの本は、今だから素直に受け入れられると感じた一冊です。正直に言うと、例えば、あまりに多忙だったり、なにか傷ついていたり、メンタルがポジティブでないときには、ただのきれいごとに感じてしまうかもしれなかった内容でしたが、物語の中で具体例がたくさん出てくるので飲み込みやすい内容です。
私は「星の商人」のようになりたい(そうありたい)と思いました。
ちなみに、ネットワークビジネスで有名なアムウェイのディストリビューダーが大好きな本としても有名らしいですが、私は全く関係ありません。
▼星の商人
信じるものと疑うもの
使い古されたフレーズで「信じるものは救われる」という言葉があるが、何を信じて進むのかは人それぞれで、人は自分がこれまでに出会った人々にも影響されて、目の前の出来事を信じる場合も信じない場合もある。
主人公のレキと友人のスタムの「信じる」判断を変えさせたものはなんだろうと考えた時、この物語では「経験」が軸になっているように思う。
これは、先日読んだ「GIVE&TAKE」から得た知識だが、「正直者が馬鹿をみる」にならないための法則として、信じる人を選択することができるかどうかがポイントになりそうだ。
実際、レキは「よき商人」であるアルを選び賢者の教えを実行していくところをみると、自身が努力することだけでなく、人を見る目も養わなければならないことに気づく。
でもきっと、すでに「よき人」であると知っている家族や友人など、周囲の人の成功を手伝うところから始めればよいということだと思う。
「成功者にふさわしき者を選べ」というのは、実にわかりやすく受け入れやすい。
人の成功を応援するとは
誰かの成功を手伝うのは、結構難しい。相手にとって、ありがた迷惑にならないかと気にしてしまう。でも、頑張って進みゆかんとする人に共感し、夢や理想を聞かせてもらうときに、こんなお手伝いができるかもしれないと考えながら話を聞き、よろしければと提案してみることはできそうだ。
実際、友人の助けになりたくてしたお節介から手伝うのが当たり前になっていることもある。
そうして自分ごとにして巻き込んでしまえば、より一層応援したくなるし、相手が「成功者にふさわしき者」であれば、いつも気にかけてねぎらいの言葉をかけてくれたり、たまにちょっとしたサプライズがあったりで、嬉しい気持ちになることを思い出した。
正しい世界
独り占めするのではなく、応援しあって分かち合う。みんなが出し抜きあって、奪い合ってしまうと、足の引っ張り合いとなり良い方向には進まないということだろう。
ただ、「競争の世界」も「分かち合う共存の世界」もどちらも正しいと賢者は言う。誰にとっても、信じた世界が真実の世界だと。
この物語では、一貫して下記4つが語られている。
「他の成功は己の成功」
「成功者にふさわしき者を選べ」
「その者の成功を知れ」
「仕組みで分かち合う」
生きる世界は自分で選ぶもの。
だとすれば、やはり「分かち合う共存の世界」を私は選びたい。
そして、残念ながらこの法則を悪用しようとする者を見極められるようになる必要がありそうだ。