俺版、ジキルとハイド
俺の中で、2人の自分が定期的に戦争をしている。
1人は、ストイック君。彼は暇さえあれば本を読み、筋トレを習慣的に続け、酒は知識とともに嗜む。テレビを見ることは人生の無駄だと考え、仮に見ている時も同時進行でストレッチをしたりプランクをする。彼はいつまでも若々しくカッコよくいたいと思っているし、いわゆる「平均的な人」よりも頭ひとつふたつ優れていたいと望む。だから食べ物に気を使うし、ジュースやお菓子にはあまり手をつけない。日頃から生産性を意識する。苦手なことは克服すべきだし、ボードゲームやスポーツなど知力でも体力でも大抵の人には絶対負けないと誓っている。英語の学習にも手を付け出したそうだ。ある意味では理想的と言える。
もう一方の自分は虚無さん。彼はこう考える。人はいつか必ず死ぬし、地球もいつか必ず消える。いかに歴史に名を残そうが、子孫に覚えていてもらおうが、銅像を建てられようが、最終的にはチリになる。だから好きなものを好きな時に好きなだけ食べたり飲んだりするし、気にかける必要はない。そもそもこの世には、本質的に善も悪も存在しない。だから怠惰に過ごそうが暴飲暴食しようが快楽に身を任せようが本人が幸せであればそれが正義だ。記憶が危うくなるまで飲むこともあれば、苦しくなるまで食物を腹に入れることもしばしば。Twitterを閉じたかと思えば、次の瞬間にはもうTwitterを開いている。ある意味では悟っているとも言える。
どちらかがどちらかを殺してくれれば、楽なんだけどなぁ。背反する己に悩まされることなく、一本の道だけを自信を持って突き進むことができる。たとえそれが自身を貶めていようとも、確実に「幸せ」と呼べる状態である。