人は「気分」を消費する生き物
人間とは奇妙なくらい精神に支配されている動物であるなぁと思う。(まあ精神とか気持ちとかいうモノも不思議なんだけど、それは置いておく。)ヒトが消費するものは、食品や衣類といった生命活動に必須なものだけではない。
たとえば愛煙家は、ニコチンを摂取するよりも煙が出るタバコを選び「タバコを吸っている気分」を味わいたいと考えている。
ある主婦は遠くから時間と移動費をかけてセールに出かけ、必要以上の買い物をして「特をした気分」を買う。まあこれはちょっと例として良くないかもしれない。
人間は、生命の維持のために必要なものだけでなく、そのこと自体に目的を持つ消費を行う生き物であり、そのためだから文化をもつのかなぁ。葬儀や祭典、遊戯など、神がいなくなってきていて意味をなさないと知っていながら「行為的消費」を楽しむ。あるいは行う。
あぁ、旅行先とかでついつい金銭感覚が狂ってしまうのはそれもあるのかな?「旅先」という時点で、初めての場所、楽しい瞬間、非日常という付加価値がある。そのおかげで「気分」が上乗せされた値段でも払える。特に海外なんかそうかもしれない。
マーケティング的にいうと、今でこそ、いかに特定の人の「気分」を買わせるかが大事だ。モノはただ売るだけではなく、エンターテイメントを伴わせることが必要とされてくる。僕もこれからバイトとかで接客するときは、商品を魅力的にアピールするのはもちろんのこと、いかに「良い体験ができた」と思わせるかを意識してやってみようと思う。