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もう元には戻らない。でもピッチに立つ意味がある。

2016年6月(中学3年)
右足前十字靭帯損傷 
2017年2月(中学3年)
右足前十字靭帯損傷・内側半月板損傷
2020年12月(大学1年)
左足前十字靭帯損傷・外側半月板損傷

自分の身体が自分ではなくなった。
初めて怪我をしたあの瞬間から。
もう10年近く自分の身体でサッカーしていない。

こぞって言われる。
「よく辞めなかったね」

本当にその通りだ。
今となって振り返れば、
辞めるには十分すぎる既往歴。

でも大学1年の時はさすがに思った。

「あぁ、俺のサッカー人生終わったんだなと」

着地と同時に「ゴリゴリ」っと音が鳴る。
もう病院に行かずとも分かった。

さすがに諦めると思った。

ただそうではなかった。
自分でも怖かったのだが、
30分後には復帰がいつになるかを計算していた。

さすがに自分に対して引いた。
まだやるのかよ。(笑)


自分は選手を辞めたら全く別の世界に興味があった。
小さい頃からビジネスの世界で働く父親を近くで観ていた影響だろう。
圧倒的に興味はそちらが強かった。

ただまだ諦められない自分。
どんだけサッカー好きなんだよ。

ここではっきりした。
サッカー界で生きていくのだと。


好きだから続けているのだが、
それとは別で自分への可能性も捨てたわけではない。

まだどこかやれると思っている。
「身体さえ良ければ。」
「思うように動ければ。」


そんな消えない欲望とは裏腹に、
地獄のような身体の状態だった。

大学1.2.3年を丸々棒に振り、
フィールドに復帰した4年目。

復帰はしたものの、
朝起きると足裏が痛み、
気付けばシンスプリントも併発。
次から次へと痛みが違う部分へと移る。
夏には歩くことさえ痛くなる。

何個の病院に通ったか覚えていない。
筋トレもした、
注射も打った、
鍼も打った、
衝撃波治療もした。
カイロプラクティックも受けた。

ただ症状は変わらず。
ピッチには立っているものの、
いつぶっ壊れるかビクビクしながらプレーしていた。

そしていつしか
「立つ」
「歩く」
「走る」
「ボールを蹴る」
全ての動作がぎこちなく感じた。
自分の動きが分からなくなった。

XやYouTubeのみならず、
ネットでさまざまな文献を読んでは試した。
でも一向に改善しない。

この当時、なぜ自分が何度も前十字靭帯を切るのか分からなかった。
どう防ぐのかが分からなかった。

そんな真っ暗闇で見つけた光。

「筋拘縮」
「前十字靭帯損傷の原因は可動域制限」
「アイシングが自然治癒を妨げる可能性が高い」
「栄養は足し算より引き算」

初めて読んだ時は衝撃が走った。
なんだこれはと(笑)

そしてMTR Method Lab®︎に連絡をし、
準サポートを受けさせていただくことになった。

そこから止まっていた時計の針がようやく動き出した。

自分にとって毎度のチューニングは勉強会であった。
MTR Method Lab®︎、そして担当していただいている葛西さんとの出会いで全てが変化した。


「人間は一生のうち逢うべき人に必ず会える。
しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに。しかし、うちに求める心なくば、
眼前にその人ありといえども、縁は生じず。」

森信三


まさにこれだった。
葛西さんは身体のことのみならず、
考え方も生き方も私のメンターとなった。

初めてMTR Method Lab®︎に行った時には、
全てがぐちゃぐちゃだった。
無数に絡まった糸のように。

これを一つずつ解いていく作業。
まさに「身体の再生」

そこからは信じられないスピードで身体が変化し、身体の痛みはみるみる消えていった。


MTR Method Lab®︎で確信を得た。

怪我をしない身体を目指す。
それを追求してくとその果てにあるのは、

「ハイパフォーマンスを出せる身体」

怪我を防ぐために取り組み変えると、
自然とパフォーマンスにも変化が現れた。

そして私は今こう考えている。

フットボールの最重要項目は「身体の質」

海外のトップ選手を想像するとわかる。
彼らの無駄のないスムーズな動き。

技術があるから身体の質が上がるのではない。
身体の質があるから技術が上達し発揮できるのだ。

身体の質を高めていけばフットボールは上手くなる。

身体の質が低ければ、
全力で走ることも止まることもできない。
長い距離を走ることもできないし、
思うようにパスやトラップ、シュートもできない。


「イメージしたことが身体で表現できない。」

今もこのように感じている。
怪我をして全てのプレーの質が落ちた。
技術が落ちたわけではない。

身体の質が落ちたのだ。

これこそが何度も怪我をしたことによる最大の発見である。


この冬の一時帰国の際に、
葛西さんに質問をした。
「今の僕の状態は最高到達点の何%ですか?」

40%

通い始めたは2023年の10月。
今思えばあの頃は20%くらいだったなと。

フットボールの最重要項目は「身体の質」

身体の質がフットボールを上達させる。

「どうしたら身体の質を上げられるのか?」

最高の実験台は「自分の身体」

40%をどうやって100%に近づけていくか。

私は選手引退後は指導者を目指す。

自分のように何も知らずに怪我をする選手を少しでも減らしたい。

そして身体の質の高い選手をたくさん生み出す。

ここを追求していき、いずれ日本サッカーに貢献したいと勝手に思っている。

自分もまだまだプレーヤーとしての高みを諦めたわけではない。
40%が少しでも100%に近づいていけばまだまだ勝負できるはず。

そして自分の身体を実験台に仮説と検証を積み重ねる。それを未来につなげる。

これこそが何度も大怪我を負った自分が
ピッチに立つ意味であり、使命である。



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