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思い出の動物園にわたしは不在だった|金沢動物園

ポカポカ陽気の小春日和に横浜の金沢動物園に行った。
正面口から動物園まで無料バスも出ていたが、お散歩がてら歩いて行くことにした。

結構急な階段

標高もあり、汗をかきながら登る。平地かと思ってたからびっくりしたけど運動にはなった。

坂の途中。紅葉がきれい。
やっと入り口に。光が差し込む。

夫は子供たちが小さい頃に、二度、連れてきたようだがわたしは初めて来た。

わたしがバリバリ働いていた頃、夫婦で休みが合うことが少なかった。だから夫はわたしが仕事の日に、子供たちを色んなところに連れて行ってくれた。夫と子供たちの思い出にわたしは常に不在だ。そこにわたしの存在がないことに寂しい気持ちになる。その度に一緒に来たかった。と思うのだ。取り返しがつかない時間にしばし途方に暮れる。

石のように眠るサイ
キリンものんびり
近距離で餌を食べるオカピ

平日だからか、人が少なく、動物達もリラックスしているように見える。気候も良く、うとうとしている動物が多かった。こちらも自然とリラックスして癒されている。

気持ちよさそうなスーチョワンバーラル
日本最大の牙を持つインドゾウ。体重は6,000kg!

園内は紅葉が見頃だった。わたしがずっと紅葉が見たいと言っていたから、見頃の場所を調べて連れてきてくれたらしい。

動物園でこんなにゆったりした気持ちになるのは初めてかもしれない。常に心地よい空気感が漂っていた。そもそも穏やかな動物が多かったからか、小春日和だったからか。動物たちはリラックスして、思い思いに日常を過ごしていた。
ただ何も考えずに動物たちを見ていたいと思った。

船を漕いで眠っていたヤギ

もう子供たちは大きくなり、一緒に来ることはないだろうけど、ここを通った。ここでこうした。と夫が遠くの方を見ながら話すのを聞くうちに、子供たちの楽しそうな声が聞こえてくる気がした。
その思い出にわたしはいなくても、子供たちの心の中にはきっと夫の愛がたくさん詰まっている。
それでいいのだ。問題はない。そこに確かに愛はあったのだから。

あの頃の子供たちの楽しそうな姿を思い浮かべながら、名残惜しく動物園を後にした。

きっとわたしもいつかこの日を思い出す。夫が話してくれた子供たちの思い出と共に。






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レモン
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