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心の中はどこまでも広がっていける

不登校になって一ヶ月の中学生の次男。
今週も学校には行けないという。

「でも急に行く気持ちになるかもしれないから、先生に、行く時には連絡すると言っておいて。」

と望みを捨てない。今期いっぱいお休みしてもいいんじゃない?と言っても聞かない。

最近はほとんど横になって、ゲームをたまにしたり、テレビをたまに観たり、寝たりしている。
外にも全然出たがらないで、ほとんど引きこもりだ。でもそこまでイライラしたり、悲壮感がないのはまだ救いだ。

「僕は毎日ちゃんと考えてるんだ。」

と話す次男のことを信じ待つしかない。
夫は狭い世界に閉じこもっている次男を過剰に心配している。

果たして狭い世界なんだろうか。

吉本ばななさんの「デッドエンドの思い出」という短編小説で好きなセリフがある。

あのね、ずっと家の中にいたり、同じ場所にいるからって、同じような性格をしていて、一見落ち着いて見えるからって、心まで狭く閉じ込められていたり静かで単純だと思うのは、すっごく貧しい考え方なんだよ。でも、たいていみんなそういうふうに考えるんだよ。心の中は、どこまででも広がっていけるってことがあるのに。人の心の中にどれだけの宝が眠っているか、想像しようとすらしない人たちってたくさんいるんだ。

デッドエンドの思い出 よしもとばなな

この小説のこの言葉には若い頃から救われてきたけれど、20年も経って、また救われるなんて、すごいことだなあ。

次男が思考することによって、心の中が広がっていけるといい。家に閉じこもっていても、次男の心の中には宝が眠っているんだ。

そう思うと心の中が少し軽くなった。

この言葉をお守りにして、今は信じて待つのみ。
きっと自分で答えを見つけ出すはず。
頑張れ、次男。





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レモン
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