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誰かを応援することは自分を応援することに繋がるのではないか

スポーツ観戦が好きだ。
どんなスポーツでも観るのが好きだ。
思えば小さい頃から我が家のテレビには常に何らかのスポーツ中継が写っていた。
父がスポーツを好きだったからか、はたまたあの時代がみんなそうだったのか。
相撲、野球、バレーボール、フィギュアスケート…テレビに齧り付いてみんなで応援した。

スポーツを観るのは楽しいが苦しい。応援しているチームや人が必ず勝つと決まっているわけではない。
負ける時もある。それを観るのはハラハラドキドキして時には苦しくなる。

観たいのに観たくない。時には苦しすぎてテレビを消してしまいたくなる試合もある。
それでも観るのは、どうしてなんだろう。

誰かを応援することは自分のことを応援することなんではないだろうか。擬似体験というか。
自分が戦っているわけではないのに、まるで自分も一緒に戦っている気持ちになる。

頑張れ、負けるな、諦めてはいけない。

自然と身体に力が入る。
そう、心で一緒に戦っているのだ。
だから負けると悔しいし、勝つと気分が良い。

何度観ても泣いてしまう試合がある。
ソチオリンピックのフィギュアスケートの浅田真央さんのフリーの演技だ。
ショートで失敗して、メダルは絶望的な状況でのフリーの演技。
自分だったら多分諦めて逃げ出したくなるだろう。
でも浅田真央さんは違った。
覚悟を決めた表情で演技を始め、高難度の技を次々と決めていく。わたしは心の中で、頑張れ、頑張れ、と叫び続ける。
最後、全て技を完璧に決めたところで真央さんが泣くのと同時にわたしも号泣した。

当時、育児もしながら、仕事も忙しく、ハードな毎日を送っていたが、その画像を観ると自分も頑張ろう。と元気が出た。
辛くなると何度も見返した。
応援しながら、自分のことも応援していたのかもしれない。
頑張れ。負けるな。きっとやれる。

だからスポーツ観戦はやめられない。
今日は負けても明日は勝つかもしれない。
頑張れ。負けてもいい。でもいつかは勝ってやろう。
そう自分に言い聞かせながら。

#エッセイ部門

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レモン
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