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タコとセロリのマリネ 合わせるシャブリの格は村名、一級畑、特級畑?

冬が終わり春が来たかと思うと、最近、急に気温が上がり、初夏らしくなってきた。そうなると、ますます晩酌のスパークリングワイン、白ワイン比率が上がってくる。これから飲む機会が増えそうなシャブリの飲み比べをしておこうと、シャブリの1/4を生産するシャブリジェンヌのシャブリ (村名) 、シャブリ ヴィエイユ・ヴィーニュ (古木) 、プルミエ・クリュ (一級畑ヴァイヨン) 、グラン・クリュ (特級畑グルヌイユ) を同時開栓した。それぞれ順に、約2,000円、約3,100円、約4,200円、約9,300円。プルミエ・クリュクラスになってくると一気に果実味の力強さ、ワインの深みが増し、グラン・クリュとなると普段飲むような軽口のシャブリとは一線を画す深淵な世界観を持つ、スケールの異なる飲み物だ。

シャブリの同一生産者飲み比べ

夕食の前菜は、妻のお手製タコとセロリのマリネで、シャブリとの相性がよさそうだ。といっても、フランスは南部以外ではタコはあまり好んで食べられず、シャブリ生産地域でもあまり食べられていないだろう。代わりに日本人の私がしっかりと相性を検証したいと思う。

ワインをひと口。

ラ・シャブリジェンヌ, シャブリ ラ・ピエレレ

ラ・シャブリジェンヌ, シャブリ ラ・ピエレレ, 2,016円
La Chablisienne, Chablis, La Pierrelee, France, 2019, 12.5%
香りには青リンゴ、ライム、スダチ、柑橘果皮、ほのかに黄色い花。樽香はほぼ感じず微かに酵母の香り。
みずみずしく、果実味は堅くやや厳格、明瞭な酸味、余韻までしっかりとドライ。

タコとセロリのマリネを食べ、その風味の余韻にワインを合わせる。
セロリのシャキシャキした歯ごたえ、マリネによく効いたお酢、タコの身の弾力を感じつつジンワリと広がる旨味には、スタンダード・クラスのシャブリが最適な相性をみせてくれた。これらの風味にワインのフレッシュな柑橘香がよく寄り添う。刺身や生魚、ゆでたタコなど、魚介の風味をシンプルに楽しむ料理には、プルミエ・クリュやグラン・クリュのワインに必ず付いてくる樽香は不要だ (プルミエ、グラン・クリュも合わなくはないが、もう少し重めソースの料理に合わせた方がワインも料理も真価を発揮する) 。シャブリの甲高いトーンの柑橘香と酸味は、お酢の効いた魚介のマリネとの相性が良い。白身魚を使った柑橘ソースのカルパッチョなどとも合わせたい。
相性: ★★★★☆

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