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ショウゴのカルパッチョにヴィネガーのアクセント 美食の町バスクのチャコリ
10月に入り夏は終わったはずだが凄まじい日差しの先週、江の島を訪れた。海を眺めながらシーフード中心のイタリアンランチを楽しんだ。
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ボトルでいってしまおうかと思ったが、午後の江の島散歩を楽しむため(道中で食べ歩き+クラフトビールが想像されたため)、グラスにしておいた。スペインのチャコリだ。スペイン北東部バスク州で造られるアルコールのやや低めのワイン。高い位置からグラスに注がれるパフォーマンスでも知られるが、酸を和らげるという実利を兼ね備える。
イナシオ・ウルソラ, チャコリ・ブランコ, 750円(レストラングラス提供)
Inazio URRUZOLA, TXAKOLINA Blanco
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人口当たりのミシュランの星世界一の“美食の聖地”バスク地方で醸されるチャコリ(ちなみに人口当たりでは東京が世界で二番目のミシュラン星付きレストランの多さ)。
香りにはグレープフルーツ、レモンの目の覚めるような柑橘香、ヴィネガーやリンゴが酸化したような刺激を感じる要素も。
風味には力強い酸味、ほのかに塩味、余韻まで一貫してドライで幅広い食事に合わせやすそう。ブドウ品種はオンダラビ・スリ80%、シャルドネ15%、プチ・コルビュ5%。シャルドネで個性を和らげているはずだがそれでも刺激的な酸味が印象的。
前菜のカルパッチョから。小田原漁港直送ショウゴだ。ショウゴはカンパチの若魚。
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ショウゴは歯ごたえがしっかりしていて口内滞在時間がおのずと長くなりジンワリと上品で淡白な脂が広がり、クリーミーに見えてヴィネガーがしっかりと効いているドレッシングにも負けない。そこにチャコリの酸味が絶妙に調和し、塩味を思わせる風味もショウゴの脂に心地よい。
相性: ★★★★★
続いて小田原漁港直送ヤマトカマスのフリット。
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上質な脂を備えた白身で、カラット揚がった皮目に磯の香りが詰まっていて心地よいアクセント。チャコリの酸味がそこに調和。
相性: ★★★☆☆
驚いたのが玉ねぎとマヨのカレーソースとの抜群の相性。フリットをディップすると、これはソースの相性が勝因の8割を占めるが、ソースのクリーム、スパイス、タマネギの辛みに、チャコリの酸味が絶妙に調和。このお膳立てされた無人ゴールにカマスの上質な脂がとどめを刺してくれた。
相性: ★★★★★
続いてパスタに進む。
秋鮭燻製と霜降り平茸のクリームソース 南瓜を練りこんだタリアテッレ。
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秋鮭だけでも塩味と旨味と磯の香りが十分に味覚を楽しませてくれるが、そこに茸の特有の土っぽさを伴う旨味、南瓜の素朴な甘味がタリアテッレに絡む。そこにチャコリの酸味だ。口内の味覚スイッチがすべて押された。
相性: ★★★☆☆
そして、タコのラグー、ブロッコリーのトマトソーススパゲッティに。
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トマトの明るい酸味を吸って程よく煮詰められたタコの旨味が口内で小爆発を起こすように力強く広がる。トマトの酸味は熱が入り程よく落ち着いており、チャコリのややアグレッシブなシャープな酸味には追い付けず、期待したほどの高め合いはないか。
相性: ★★★☆☆