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蒲焼あなご鮨 ジョージアの個性的ワイン(キシ品種)
いつもそばに、もっと鯖に。2001年創業、福井県小浜市の若廣のキャッチフレーズだ。同社は空弁の焼き鯖すしで知られるが、駅の弁当コーナーで蒲焼あなご鮨を見つけた。土用の丑の日に鰻を食べ損ねたのでせめてあなごをと飛びついた。
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自宅に戻り、もともと鰻に合わせるつもりで買っておいたジョージアのワインを開けた。あなごともきっと悪くないはずと思いつつ。
ジョージアのクヴェヴリでのワイン醸造は、2013年12月ユネスコ世界文化遺産に登録されている。クヴェヴリと呼ばれる土で焼かれた大きな容器に、ブドウ果汁を果皮、果肉、果梗と一緒に漬け込んだ状態で6ヶ月程度熟成される。これにより、白ブドウから造られたにもかかわらず、琥珀がかった”アンバー・ワイン”(オレンジ・ワイン)ができる。ジョージアは最古のワイン造り8000年の歴史をもつとされる。ブドウのもつ風味を余すことなくワインに移し込んだオレンジワインは複雑で深淵で滋味豊か。白ワイン、赤ワインとはまた異なる世界観を楽しめる。
ジョージアの白ブドウはルカツィテリが最大品種だが、このキシ品種は独特の個性が光る。ほんのりと漂う動物的な、麝香のような香りを初めて嗅ぐと一瞬たじろぐが、もう一度確かめるように嗅いでしまう。3回目を嗅いでしまうともうキシの虜になる。
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ヴァジアニ ワイナリー マカシヴィリ ワイン セラー キシィ 2019, 2,847円
Makashvili Wine Cellars, Kisi, Georgia, 2019, 13%
しっかりとした色調の琥珀色。
アプリコット、黄桃、シロップ漬けの桃、パパイヤ、パッションフルーツなどの果実香が豊かに、ややはっきりと麝香。
果実味自体の主張は穏やかで滋味豊かに広がる、陶器を舐めたようにしっとりと舌に渇きを感じるタンニン、穏やかな酸味、鼻腔を果実香、熟成香、様々な香りが抜け飲みごたえ豊か。
さてあなご鮨に合わせる。
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駅弁スタイルでもちろん出来立てからはほど遠いものの、それでもあなごのふかっとした歯触りをいくばくか感じることができる。甘辛のタレ、ほんのりと土っぽいニュアンスと共にアナゴの旨味が広がる。オレンジワインのソフトなタンニン、旨味、滋味が甘辛のタレにスッと繋がり、そしてアナゴも受け止めるやに思えたが、ふっと魚臭さが立ち上がってしまった。魚を釣り上げかけて海面まで見えているのに、ふっとバラしてしまったような惜しい感覚が残った。鰻でリベンジする。
相性: ★★☆☆☆