見出し画像

取引先のやばい人

取引先の会社で、うちとのやりとりを担当されているNさんがいる。直接会ったことはない。

ある日、Nさん(以下、一部敬称略)に電話する機会があった。
それは、少し遅れている案件の進捗状況を確認するため。
正直、電話もメールもしたくない。
しかし、こちらから連絡をとらないと、放置されてしまう。放置されては自分の首がしまってしまうため、やむを得ない。
電話1回目、Nさんとは違う人が出た。
Nさんは他の電話中とのことで、折り返し電話をするように取り計らってくれた。
だが、1時間経っても、2時間経っても返ってこない。
この時点で、イライラが募ってくるが、この程度はいつものことだった。

電話がないまま午前中が終わり、午後、頃合いをみて、14時に2回目の電話をかけた。
電話口からは会社名だけを名乗る声が聞こえた。自らを名乗りはしなかったが、声でNさんであると察しがついた。
こちらの会社名、氏名を告げ「いつもお世話になっております」の1ラリーを終えたあと「Nさんでよろしいですか?」と尋ねた。
すると、Nはこう答えた。

「逃亡しました」
「それで何の件でしたっけ?」

凄まじい衝撃が走った。
普段、仕事中に考えているあらゆる、脳内にとどめている事柄が、サーっと消えて、脳みその内側に白く限りのない異空間が広がる感覚に陥った。
そのまま1分くらい何も話せなかった。
今の発言について、ツッコミたくもないし、すぐに話そうとすると、汚い言葉遣いが出てしまいそうだった。
その間、Nは「あ~、○○の件でしたか? いや、○○の件だったかなぁ」などと1人で話していた。
全くもって親しい間柄ではないし、社会人としては“あり”なのか疑問。

かなり変わっている。
思ったことがすぐ言葉に出てきやすいのだろう。たま自分もやってしまうが。

ただ、Nさんの話し方は高圧的ではない。
電話で「すみません」ではなく「ごめんなさい」をよく使うが、そのすべてにうっすら笑いが含まれている。
高圧的ではないから逆に、イライラしてもよいと勝手に感じてしまっている節も、もしかしたらある。
感情的になってしまっては決してならないが、仮にこちらが一時的に強い口調で言ってしまった場合でも、Nさんは次の日には今までと変わらない対応である気がする。

この記事を作るにあたり、Nさんについて考えるほど、ムカつくNさんの短所だと思われる部分を長所だと考えようとしている自分がいるのもまた事実、、、。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?