将棋クエスト二段になるために必要なこと
私は将棋クエスト二段です。レートが1700台をうろちょろしているので二段の地力はないですが。
将棋を本格的に勉強し始めたのは5年前。当時は将棋ウォーズ2級で頭打ちでした。
そこからどのように上達したかを記そうと思います。「低段者が何様のつもりで」と思われるかもしれませんが、大目に見てください。
プロの意見を信じるな
まず最初に言っておきたいことは、プロの意見を信じるなということです。
プロは将棋がとても強い特異な人です。その感覚は将棋の真理に近いと思いますが、アマチュアには高度すぎます。我々凡人には凡人に合った感覚というものがあります。
プロで四間飛車や雁木が流行った理由は何でしょうか?私はわかりにくいからだと思っています。
プロはどんな戦法にでも対応できるスーパーマンです。そのため、狙いが単純で短絡的な戦法は通用しません。私の大好きな筋違い角がまさにそう。そのため、狙いのわかりにくい戦法が好まれるのだと思います。極端に言ってしまえば相居飛車そのものがそう。
しかし、アマチュアは狙いが単純な奇襲戦法に対応できません。そのため、プロに見向きもされない戦法が有力だったりします。鬼殺しは極端ですが、筋違い角や右四間飛車は通用します。
プロにはプロの常識、アマ初段にはアマ初段の常識があります。いきなりプロの常識は理解できません。段階的に理解することが大切です。
棋力を上げるには
結論から言います。
将棋を上達するために必要なことは詰将棋です。はい出ました。みんな大好き詰将棋。「そんなんわかってんねん」という声が聞こえてきそうですね。
もうね、詰将棋が将棋の上達に有効なのは論じるまでもありません。確固たる事実です。海は広い、カレーはおいしい、藤井システムはかっこいいと同じくらいの事実です。
私は詰将棋だけしていれば将棋クエスト二段になれると思っています。裏を返せば詰将棋以外の勉強は不要です。
詰将棋の効能
将棋の強さは終盤力で決まります。これは詰将棋解答選手権で無類の強さを誇っている藤井竜王名人が証明しています。
ここで質問です。将棋で勝敗に与える影響が大きいのは序盤でしょうか?終盤でしょうか?
答えは終盤です。将棋は玉を詰ますゲームだからです。玉に接近する終盤こそが勝敗を左右する局面なわけです。
藤井竜王名人が八冠を達成した王座戦では、大逆転勝利と報じられていました。プロの最高峰の舞台でも終盤で勝敗が入れ替わるわけです。アマチュアの将棋は終盤で勝敗がコロコロ入れ替わります。コイントスくらい変わります。
終盤での不要な負けを減らすことが上達において1番重要なことです。長手数の詰みを決めるというのはアマチュアには現実的ではありません。もっと自分が将棋下手くそという自覚を持ち、終盤での勝敗の入れ替わりを極力減らすことが大切です。
詰将棋遍歴
私は将棋ウォーズ2級で頭打ちした時に、3手詰ハンドブックを買いました。最初は全然解けなかったです。頭ちぎれるかと思った。
そこから5手詰ハンドブック、7手詰ハンドブックをやるようになりました。また、kindle unlimitedで詰将棋本を読み漁っていた時期もありました。
必至問題も好きでよくやりました。必至問題は詰将棋と同じで読みのトレーニングに最適です。必至の概念も重要ですが、対局で再現することは困難を極めます。あくまでもトレーニングとして取り組むといいです。
詰将棋ができるようになるにつれて、レートが上がっていきました。将棋の強さは詰将棋の解答力とイコールです。
他の勉強法
詰将棋以外の将棋の上達法はいろいろありますが、主要なのはこんな感じです。
棋譜並べ
定跡
実戦
大局観
棋譜並べ
棋譜並べは意味を理解できません。勉強をやった感は出ます。英単語の勉強で単語帳作っただけで満足するのに似ています。
定跡
アマチュアの将棋において定跡通りに進行することはまずありません。覚えても無駄、そもそも覚えられないです。私は定跡は解説付き棋譜並べくらいに思っています。
プロは序盤の差がそのまま勝敗に直結してしまうので、定跡を重視しています。それはそれだけの終盤力があるからです。
そもそもアマチュアの場合は序盤で差をつけられても終盤で逆転できるため、気にしなくていいです。
実戦
「実戦あるのみ」という言葉があります。この言葉は99%正しいと思いますが、将棋に関しては間違っています。
実戦をしても棋力は上がりません。対局後にAI解析するのも無意味です。実戦はあくまでゲームです。
将棋は読んだ分だけ強くなります。しかし、実戦は時間制限があるためなかなか読めません。そのため、上達には繋がりにくいです。
対局後の検討をめちゃくちゃ丁寧にやるとかであれば上達するでしょう。しかし、それができる人は多くないです。多くの人は結果に一喜一憂して終わりです。
大局観
詰将棋だけでいいと言いましたが、大局観は大事です。「大局観ってなんやねん」って話ですが、簡単でいいんです。「将棋の格言」を理解してください。「居玉は避けよ」みたいな。
先人の知恵は偉大です。将棋の格言を理解できるようになると格段に強くなれます。私は将棋の格言だけは理解しておいた方がいいと思います。
1番大切なこと
実は詰将棋よりも大切なことがあります。それは勝ちたいという心です。いきなり精神論かよと侮ることなかれ。精神論は大事です。
私はプロ野球をよく見ます。プロ野球選手ですら、メンタルの影響を受けて結果が大きく変わることがあります。
贔屓球団のある投手はビハインド時とリード時で投球内容が別人になります。野球というスポーツにおいても、メンタルが動作に影響を及ぼしているとしか考えられません。それもプロ野球選手という動作の再現性が極めて高いアスリートであってもです。
将棋はメンタルスポーツです。メンタルが指し手に影響を与えます。よく棋士が「指し手が伸びなかった」って言ってるのはそれです。
プロ野球ですらメンタルの影響を受けるのに、アマチュアの将棋がメンタルの影響を受けないわけがありません。むしろ、メンタルの影響はプロ野球の比ではありません。
そのため、実力が拮抗した者同士の対局では「勝ちたいという気持ち」が大きい方が有利です。追い込まれた局面で神がかった一手が見えることがあります。また、粘りのアーティストになって勝ちを拾える可能性も増えます。
勝ちたいという気持ちがあると、対局の振り返りや詰将棋にも熱が入ります。私は会社の昼休みに対局をするのですが、負けた時は悔しくて午後からの仕事に手がつかなかったこともあります(?)
将棋の上達には時間がかかります。「継続は力なり」「好きこそ物の上手なれ」というまく言葉がありますが、まさにその通りです。継続するためには将棋が好きという気持ちを持ち続けないといけません。
まとめ
棋力を上げたい人は詰将棋をしましょう。それが1番の上達への近道です。
しかし、1番大切なのは将棋を楽しむ気持ちです。詰将棋をすると将棋を楽しめない人は別の勉強法をしてもいいかもしれません。
将棋クエスト二段になり、少し燃え尽きた感がありました。元々は初段が大きな目標でしたので。
しかし、こうして書いてみるともっと強くなりたいという気持ちも出てきました。将棋クエスト四段になりユーザー名を赤くしたいという気持ちはあります。
ユーザー名を赤くできるかな?その日まで将棋を好きでいられたらいいな。
みなさんも将棋を愛し、将棋に愛される素晴らしい将棋生活をお送りください。
それでは