【必見!】子どもの心を育てるゲーム6選
アフタースクール(民間学童)で子どもたちの算数国語などお勉強を見ていると、気分転換が必要な時もあるし、言語化できないちびっ子の気持ちをもっと分かればと思う時があります。また、引きこもりや発達障害の就労支援で若者たちに心理・社会教育(レジリエンス教育)をしていると、どうにか楽しみながらレジリエンスを高められないかと考え工夫しています。
先日、教員の研修会でレジリエンスの講演をした際、子ども達が学年相当に育っていないことを心配していらっしゃる先生がいらっしゃいました。コロナの空白の3年間は、子ども達の発達に影響を及ぼしています。
多様な経験をして、取り戻していけるといいと思っています。
子ども達の心の発達を促すために、いろいろなカードゲームも使えるとお話ししたところ、ご興味持たれた先生方が多かったので、使った感想と、活用例をまとめておきます。
中でも、「強みカード」「子どもニーズカード」「たすけ合い体感ゲーム」「人生よかったカルタ」「アルファベット・トランプ」「四字熟語カルタ」の6つは、非常に使いやすく、子ども達も大好きなカードゲームです。
支援級や保健室、クラスで、お家で、いろいろな活用ができると思います。
1.24の強みカード
「あなたの強みはどこでしょうか。どんな強みがありますか。」なんて聞かれても、漠然としていて、大人も子どもも、自分の強みは、自分ではなかなかわからないものです。
「強み」って何でしょう。簡単に言うと、「自分らしさ」ですね。
「強み」と調べると様々に定義されています。
①活力を与えてくれ,頻繁に活用して,いい成績が取れたり,
いい仕事ができたりするポジティブな特徴
②生産的な方法で活用することで目標の達成と成長に繋がる特徴
③持って生まれた能力と,熱心な努力によって形成される特徴
④みなに認められるとともに,周囲の人の人生にポジティブな影響
を与える特徴 Lea Waters(2018)
・自分らしく感じ,エネルギーを感じるポジティブな性格的特性
(Lindly,2008)
さて、その「強み」の中で、どの時代や文化にも共通の,6つの美徳を発揮する個性を24の要因に集約(マーティン・セリグマン博士, クリストファー・ピーターソン博士)した強みを、分かりやすくカードにしたものがあります。
「24の強みカード」[14 ]です。
日本ポジティブ教育協会で、「強み」を探す時に活用しているカードです。
「強み」のワークは、皆が相手の強みを探して、カードを選んで相手にプレゼントします。他者から見た「強み」を教えてもらうと、大人も子ども、はにかんだり、照れながらも、とても幸せな顔になります。「強み」探しは、ポジティブ感情や自尊感情が向上します。
素敵なコミュニケーションツールの「24の強みカード」は、日本ポジティブ教育協会のHP[15]から購入可能です。
2.子どもニーズカード
いろいろな気持ちが渦巻く子どもたち
小学生のお勉強のサポートをして早5年。
夏に脳の手術をして、秋から復帰してきた小学一年生がぽつりと「頭がよくなりたいよ」と言いました。いつもふざけているけれど、心の中では何か焦りを感じているのかな。
レッスンに来ている双子の妹さん。家で算数の問題を出すとお姉ちゃんが答えてしまって悔しがっていると面談依頼。コツコツ頑張るお嬢さんだから安心していたけれど、小さな胸はこんな気持ちが渦巻いていたのか。
レッスンの時間に我先にといろいろお話してくれるちびっ子達。
私からは「お魚やお肉や卵をたくさんたべて、ウサギと亀の、亀さんみたいに頑張って毎日コツコツやるしかないんだよね。」
「皆遊んでいるこの時間も、皆は頑張ってお勉強して、とっても立派だね。皆、絶対伸びるよ~楽しみだね。」
「自転車だって、練習しなくちゃ乗れなかったでしょ。お勉強だっておんなじたよ。やるっきゃないんだよ、練習しよう!頑張ろう!」
「どうやったらもっともっとお勉強頑張れるようになるか、先生もいっぱい勉強するよ!一緒に頑張ろう!」
「大丈夫大丈夫!」などと伝えたら全員がものすごく集中しだした日がありました。
ちびっ子達の心の奥の奥の気持ちが、もっとわかったら、もっと的確な言葉がかけられるのにな~と思っていました。
子どもニーズカード実践
そんな矢先、とっても素敵なカードに出会えました☺
子どもの気持ち(大人でもOK)が可視化できる「子どもニーズカード」[1][2][3][4]です❤️。
子どもは(大人だって)気持ちを言語化できないことがあるし、自分の中にいろいろな気持ちが渦巻いています。自分の気持ちが自分でもわからず、こんがらがっていることだってあるよね。このカードを使うと、小学校1年生でも、どんな気持ちでいるのか、何を必要としているのか、理解する手立てになるのです。
とってもよくできていて、まず絵や色が気に入りました。絵だけでもとても分かりやすいし、ちびっ子達も色や絵をもとに選んでいる大好きなカードです。
「子どもニーズカード」のお話会に参加した時に、カードの作者の能美たかこさん[1][4]は、「子どもたちの豊かな世界が見れるツールとして、感情リストやニーズカードなど、子どもたちと一緒に使えるツールを探したけれど欲しいものがなかった。感情の温度計はあったけれど、ニーズまで触れるものがなかった」だから,ご自身で作ったとおっしゃっていました。
「感情はその人の評価でしかない」し、感情に色を付けないなどいろいろなタブーがあり、今までは色がない、文字だけ書いてある感情カードばかりだったとのこと。そうなのですね。一般社団法人日本ポジティブ教育協会[5]のキッズワーク[6]でも、子どもが自分の気持ちを知るワークがあります。気持ちはネガティブもポジティブもどちらも大事だし、どちらも必要だから、色やイメージで固定されないよう配慮し(心理学の観点からも)、いろいろな気持ちの語句だけ書いたカードを使っています。
でも、子どもたちは絵や色がある方がワクワクしますよね。絵がついていると文字が読めない小さいなお子さんでもイメージで選ぶことができるのですよね。
「子どもニーズカード」はどのような感情にも、すべてに多様な色が使われています。これくらいカラフルだと、どの色がネガティブともポジティブとも、固定されないからよいのでしょうね。
子どもの気持ちが知りたい!というお母さんの愛が作ったカード。こうして学問分野ののタブーも超えていかれるお母さん(親)の愛って、本当に凄いなって感動します。
能美さんは「使ってみたら,面白くて,好奇心を持って子どもたちを見れるようになった」とおっしゃっていました。
共感します!そうなのです。使い始めると、さらに好奇心をもってちびっ子たちと関わることができるようになってきたのです❤
子どもニーズカード活用例
レッスンの時間になって教室に入ってくるちびっ子達を見ていると、淡々として参加する子、飄々としている子、疲れた様子、はしゃいで走り回っているなど、それぞれです。
うわべの観察はできても、心の中で何を感じ、どのようなことを考えているのかなんて、わかりません。言語化が苦手な子、静かであまりお話ししない子の気持ちは、より分かりにくいです。聞くと余計に固まってしまう子もいるしね。
「子どもニーズカード」で、まず「今の気持ち」を聞いてみました。そして「もっとハッピーになるには何があったらいい?」というニーズを聞いてみました。
今日の3年生の男子は「だるい・疲れた・やる気がでない」「眠い」という気持ちを選択しました。ニーズカードは「挑戦する」「サポートしてもらう・助けてもらう」でした。そっか、疲れているけど、挑戦したいのか、そして、わからないこととか、助けてもらえればもっとハッピーになれる!という気持ちなのか・・・ってわかりました。そして彼はレッスンの間、このニーズに合った行動をしていました。
「大好き、いとおしい」が今の気持ちだという1年生は、「遊び・面白さ」「平和」「自由」「居場所・自分のスペース」があればもっとハッピーになれるということが分かりました。そっか、ここは自分の居場所なんだね。1年生のちびっ子が「へいわ」っていうカードを選ぶってとても興味深い🥰
「びっくり・驚いた」「リラックス・落ち着いている」という気持ちカードを選んだ2年生のニーズは「自由」「平和」「ありのまま・自分らしさ」「休憩・くつろぎ」でした。なぜ「びっくり・驚いた」を選択したのか聞くと、「~ちゃんが骨折したって聞いたから。」とのこと。今の気持ちって、今この時の気持ちだけではなく、それ以前の気持ちを引きずっていることもあるということもわかります。
レッスンをやめたいと常に言っている2年生男子は、「イライラしている・落ち着かない」「こんがらがってごちゃごちゃ・よくわからない」「だるい・疲れた・やる気がない」というネガティブな気持ちと「はしゃいだ・喜びにあふれた」という気持ちを選択。アンビバレントな気持ちが共存している様子です。ニーズは「遊び・面白さ」「休憩・くつろぎ」「うまくできること・能力」を選択。ふむ。なるほど、そんな気持ちなんだね。
ちびっ子だって、ネガティブな気持ちの時に、100%全部がネガティブな嫌な気持ちだけではなく、ポジティブな、いい気持ちもまぎれていることがわかります。
選択されたニーズを見ると、言語化されないだけで心の奥深くに秘めた大切な気持ち(ニーズ)があることがわかるし、その大切な気持ちを垣間見れると、お互いにわかり合えた感が増幅して、ほっこりした気持ちになります。
「リクエストやニーズに応える必要はない。大人がニーズを消してあげるのではなく、当人が満たせるようにサポートする。」[1]と、ニーズカードの使い方の説明書がありました。だから、すべて私(大人)がニーズに応える必要はないのです。「子どもニーズカード」で、ちびっ子たちが何を求めているのか知り、どのようにサポートできるか、個人個人のレッスンを進める目安にできるのです。
「もっと知りたい・面白そう、ワクワク待ちきれない楽しみ」という気持ちの2年生は「挑戦する」「見通しがつく・予測がつく・わかりやすい」「役に立つ・力になる」があればもっっとハッピーになるって。挑戦したいっていう気持ちが素晴らしいし、何か役に立ちたいと思っているのか。なるほど・・・。
遅刻して言い訳考えながら走ってきたと言っていた4年生男子は「だるい・疲れた・やる気が出ない」「こんがらがっている・ごちゃごちゃ・よくわからない」という気持ちを選択。走って疲れたんだね。何があればもっとハッピーになるか聞くと「どこでもドア」って笑。なるほどね。カードにないハッピーになるものを、自分で考えだすオリジナリティがとてもいいですよね。
レッスン前にただ、カードを選んでいるだけですが、ちびっ子たちは、なんだかとても落ち着いてレッスンに参加できるようになった気がするのです。
今迄も、ちびっ子達を観察してきたつもりだけれど、こちらの観察よりずっとポジティブだったり、ずっとネガティブだったりすることにも驚きます。そして、ちびっ子たちがニーズを的確に選んでいることに感動します。
気持ちをわかってもらえるってとても大切なことだと改めて思いました。
ちびっ子達の気持ちも、大人と同様に複雑だし、見えているのは、感情の一端だけで、奥にある深い思いはほとんど表に現れていないことがわかります。
気持ちを選ぶのが苦手なちびっこもいることがわかりました。自分の気持ちを見つめるなんてしたことなかったものね。
「子どもニーズカード」は、幼児から大人まで、家族をはじめ、いろいろな人とのコミュニケーションをとる手段として有用です。
高齢者にも使うそうだし、たまに来るお孫さん、思春期で話をしないお子さんと一緒にとか(やってくれればですが🥰)どんな世代でも楽しく使えそうです。
ほかにも、学校の養護教諭の先生方や保健室でも活躍しそうなカードです。
遊び心があるカードだから、引きこもりや発達障害の就労支援などサポートの現場でも活用できるのではないかな。
興味のある分野の講座のテキストがたっぷり届いたときの、大人の気持ちとニーズも、ニーズカードで整理できました🥰 大人だって、感情教育受けていないから、こうして自分の気持ちをカードで可視化できると自己理解に繋がります。
3.たすけ合い体感ゲーム
大学生や高校生へのレジリエンス教育の講演会で、
「辛いことがあったり、ひどく落ち込んだときは、ひとりで抱え込まない。話を聞いてもらったり、誰かに助けを求めることができるのも、大切な生きる力です。」とよく伝えています。
助けを求めることができない人も多いです。
助けを求めるのは人によっては非常に勇気がいる行動なのですよね。
小学生のお勉強のサポートをしているとき、わからないのに、どんどん進めていて、間違え直しに追われるお子さんもいます。混乱した理解をほどいて正答の考え方に導くのが困難なこともあるので、わからないところで聞いてくれれば混乱しないで理解が進むのに・・・と思うこともあります。
でも、気持ちはわかるのです。私も助けてもらうのは、あまり得意ではなかったから。特に子育て中、子育ては母親の使命だと、歯を食いしばっても頑張っていたような気がします。栄養も足りていなかったのだな。
人にはいつでも助けるから言ってねって思うのに。自分はやせ我慢。
自分から助けてくださいって、うまく言えなかったなと思うのです。
このような経緯からも、助けが求めにくいお子さんは、幼い頃から「助けて」って言えるように練習しておくことも、とても大切だなと思っていたのです。
そこで見つけたのが「レジリエンスが育つたすけ合い体感ゲーム」[7]です。
このカードゲームは「いい気持ちにしかならない」ゲームで、「助けて!」と言える力(援助希求力)の向上が期待できるゲームです。
ちびっ子たちのお勉強の時間の終わりにやってみました。
ゲームと言っても、トランプやカルタと違って、誰もが知っているゲームではないので、基本は押さえておけば、使い方の自由度は高いです。
最初は簡単にルールを教えて進めてもらいましたが、次からは自分たちルールも入れていました。
しかも、すごく楽しそうに「助けてください!」「~がありません。助けてください!」って言っているのです。
自分が持っているカードで、自分が人を助けられるとか、人の役に立てるのということがとても嬉しそうなのです。
「ハッピー」カードをひいたら、「よかったね」と互いに喜び合うのも楽しそうです🥰
「助けてください!」とゲーム中に連呼しているうちに、お勉強のプリントをしていても、「分からないです~」とか「ここ分かりません~」とどんどん援助希求の声を上げられるようになったのです。
非常に興味深いカードです。
上島先生は、『イラスト版 子どものレジリエンス: 元気、しなやか、へこたれない心を育てる56のワーク』[8]の著者でもあり、「子供のレジリエンス研究会」の関西の小中学校教諭らでつくる「子どものレジリエンス研究会」[9]の代表をされています。研究会はユニークなゲームやワーク、絵本などを作られているようです。
上島先生には、レジリエンスの書籍を出版されたときに、ポジティブ教育協会で、ご講演していただいたこともありました。最近お目にかかる機会がありませんが、いつもユニークなご活動をされているので、先生のご活動をワクワク楽しみにしているのです。このカードもなんともユニークなアイデアがたっぷり詰まっていて、楽しいゲームです。
ゲームで子どものレジリエンスを育てるというコンセプトがとてもいいですよね。
4.人生よかったカルタ
「人生よかったカルタ」[10]は「陽転思考」(ネガティブな状況でもその状況をポジティブに捉える)を定着させるというゲームです。「捉え方を変える」とか「認知の変容」「メタ認知」などに繋がるゲームです。レジリエンス教育にピッタリなのです。
小学生でもできるし、引きこもりや発達障害の就労支援の若者たちも楽しみました。捉え方を変えることに頭をひねったり、読み手になって声を出したり、人とゲームをすること自体を楽しめたのでこちらもお薦めのゲームです。
まず、読み手は読札を読見ます。他の人は絵札を取り、なぜよかったのかを理由を話すのです。読み札に「~してよかった」と「よかった」がついているから、よかった内容を言わざるを得ないようになっているのです。
どんな捉え方をしても間違えなんてないから、私は「なるほど~」「なるほど~」と声が出てしまいます笑。
中には陽転(ポジティブに捉えおす)が困難なお題もあります。そのようなときは、他の人にもアイデアを出してもらいます。
若者たちも、子ども版で十分楽しめました。
2019年にはおじさん版の「人生よかったカルタ」も出たようです。笑
思考を陽転させるには、慣れとコツが必要だと思います。「人生よかったカルタ」を続けると、「よかった」を探すプロになれるかもしれません。
陽転と言えば、エレノア・ポーターの「少女ポリアンナ」[11]を思い出しますね。
子どもが小学生低学年の時、毎晩読み聞かせをしていました。子どもが大好きだったのがこの書籍でした。初めて読んだときは、ネガティブな事象も捉え方によっては、ポジティブになるものだと感心しました。「ポリアンナ」は「極端に楽観的な人物」を指す語にもなったほどです。
繰り返し読み続けると、思考が陽転しやすくなることを感じました。
「人生よかったカルタ」は実際にありそうな状況を陽転していくので、思考の陽転を定着させるのに役立ちそうです。
5.アルファベット・トランプ
さまざまなタイプの子ども達のお勉強のモチベーションを上げるために,いろいろな工夫をしているのですが,知育玩具は一人でやるものが多いし,攻略できると子どもは飽きてしまいます。
アルファベット・トランプ[12]なら,休憩時間にゲーム感覚でアルファベットも覚えられて,チームワークも向上するかもと思い,早速2つ購入。
英語がスタートしている学校もあれば,習いごとで英語を学んでいる子もいる一方,全く英語に触れていない子もいて,大文字と小文字のババ抜きはハードルが高そうなので,試しに2つのトランプの中から,AからKまでの大文字だけ使ってババ抜きをしてみました。
札を捨てるときには,アルファベットの何の文字か言って捨てることをルールにすると,GG「じじ―」とかふざけてくれる子がいるので,すぐに皆アルファベットを覚えそうです。
休憩時間がくるのを楽しみに自分の勉強に集中するし,皆で楽しく盛り上がってチームワークにも影響しそう。
家でトランプをほとんどやったことがない子には,トランプのルールを覚える機会にもなります。
何といっても,子ども達の勉強のモチベーションに繋がればありがたい☺
早稲田大学の学生がコロナ禍、「英語教師である母親と二人三脚でアルファベットを習得するための知育玩具(がんぐ)『アルファベット・トランプ』を商品化」[12]したという、アルファベット・トランプの制作過程を読むと素敵な子育て環境が伝わってきて,手作り感と温かみのある知育玩具だから子ども達が惹き込まれるのだろうなと思います。
6.四字熟語カルタ
四字熟語カルタ[13]は、読み札を読むことで、四字熟語とその意味を覚えられます。読み手になれば文字を読む練習にもなるので、読み札を割り振り、全員読み手にもなるようにします。あまりお話が得意ではないちびっ子は、声を出す練習にもなっています。さらに、語彙を増やしたり、友達とゲームを楽しむ、コミュニケーションをとる、縦割りの関係構築、記憶力増進など、いろいろな効果を期待して四字熟語カルタを使っています。
自分のことだけしか考えないし、人があまり目に入らなかった一人っ子ちゃんがいます。3年生になったころから、お兄さんなんだという自覚をしてもらおうと、ゲームを仕切ってもらっているうちに、「一年生だから」とか、自分より小さい児童への配慮ができるようになってきました。こうして周囲が見えてくると、一時期心配だった、失敗すると自分を叩くような自傷行為や、自分が一番たくさん取るための強引さなどがなくなり、本当にお兄さんらしくなったのです。
四字熟語カルタは、一人っ子には、自分より小さな他者との関りを持つ、縦割りの関係を構築する機会になっています。
7.カードゲームの可能性
心理・社会教育も、お勉強も、ゲームの要素が入ると楽しく身になります。
お友達との関係構築やコミュニケーションをとる練習、声を出す練習、語彙を増やす、ゲームのルールを覚えるなどなど、メリットはたくさんあります。
特に一人っ子や年の近い兄弟姉妹のいないお子さんたちは、特にゲームで揉まれて社会性を身につけることも有効だなと実感しています。
カードゲームをやらないご家庭も多いようです。ゲームのルールを覚えることや、ルールを守ること、自分たちでルールを作ることなども心の発達に繋がります。
最初の数回は一緒にやったり、揉めた時に声掛けはしますが、あとは子ども達が主体的にカードゲームを行い、楽しそうにやっています。
笑い合い、悔しい思いをするなど感情も豊かに楽しめます。
学校で、ご家庭で、保健室で、支援校・支援級で、学童やアフタースクールで、習い事で等々、使えそうな楽しいゲーム5選ご紹介でした。
参考になれば幸いです。
参考文献
[1]子どもニーズカード
[2]子どもニーズカードを使ってみよう!FBグループhttps://www.facebook.com/groups/139249607781121/?ref=share
[3]子どもニーズカード ダウンロード版
https://www.dropbox.com/scl/fo/3h1stu3abgelrxuka1hot/h?dl=0&rlkey=tf1v4o7ogpp4v6xkqx4lolzvg&fbclid=IwAR387WSOI96m9VakrhKcp5RiPRqmnCOeF_FoMqy-vBmgyfanlKpnbTWVM9I
[4]自分を知る。わかってもらう。気持ちや願いを表す「子どもニーズカード」で、共感的コミュニケーションを。(2022.10.25)
[5]一般社団法人日本ポジティブ教育協会
[6]レジリエンス・キッズ指導者講座
[7]上島博(2020)『レジリエンスが育つ たすけ合い体感ゲーム』合同出版
[8]上島博(2016)『イラスト版 子どものレジリエンス: 元気、しなやか、へこたれない心を育てる56のワーク』
[9]2018年5月16日「冒険物語 結末描こう―葛城の元教諭ら絵本出版―」『読売新聞』
https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&ved=2ahUKEwjcgsy2gviAAxXogFYBHZLpDdMQFnoECDIQAQ&url=http%3A%2F%2Fwww.otegarushuppan.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2014%2F05%2F20180516.pdf&usg=AOvVaw3zVFvQkPtr9NI4pt4CyHWz&opi=89978449
[10]人生よかったカルタ
[11]エレノア・ポーター(1986)『少女ポリアンナ』
[12]「コロナ禍の1年生 母親と二人三脚で『アルファベット・トランプ』を商品化」『早稲田ウィークリー』(2020.10)
https://www.waseda.jp/inst/weekly/news/2020/11/10/80002/
[13]四字熟語かるた
[14]24の強みカード
[15]一般社団法人日本ポジティブ教育協会