誕生日に発表された甲子園中止(尽誠学園高校OB 橋爪仁インタビュー)
目標を口にすることで1人1人の自覚を
――野球を始めたきっかけについて教えてください
おじいちゃんとよく甲子園に行っていたことで、小さい頃から野球に触れてきました。仲の良い友達が小学校の時に野球をやっていて、そこで誘ってもらって野球を始めました。
――甲子園を目標としていた当時のエピソードなどを教えてください
新チームが始まってから練習試合などを行って、負けが続いていた時期がありました。その時にキャプテンと副キャプテンを中心として、今後甲子園を目指していくうえでどうやっていくかという話し合いを行いました。その中で、毎日目標を1つ言っていこうという話になり、そこから練習前、試合前の声出しでその日の試合の目標だったりを言っていくことで、1人1人の自覚が芽生え、そこから練習試合でも勝ちが続いていくようになりました。
甲子園中止でも圧倒的に優勝しよう
――甲子園中止の第一報を知った時はどういった感情でしたか?
甲子園が中止となった5月20日が誕生日だったので、なんで被ってしまったんだという思いがありました。3年間目指してきた甲子園が当たり前にあると思っていた舞台だったので、そこが急になくなったという現実を受け入れるまでに時間がかかり、練習にも影響が出たと思います。
――中止になった当時監督からかけられた言葉などはありましたか?
「まだ代替試合があるかもしれない」という話があり、そのほかにも「後輩のためにも……」という話もありました。その後、代替大会が決まったので、そこに向けてまた3年生含めチーム全体で一丸となって優勝を目指そうという風に話し合いでまとまりました。監督からも「圧倒的に香川県大会で優勝しよう」という言葉をかけられました。
――チームメイトと交わした言葉はありましたか?
当時は「何で自分たちの代なんだ」という話が出ていました。それから引退して、下の世代が甲子園でプレーしているのを見て「いい場所だよね」といった話はよくしています。
色々な思いが詰まった2020年8月
――各都道府県で独自大会開催の動きが進みましたが、大会の開催を聞いたときの心境を教えてください
開催が決まった時は皆すごくやる気になっていました。3年生で話し合ったときに、当時の目標が「ぶっちぎりで香川県大会優勝」というものだったので、練習量でも負けないように朝から晩までずっと一生懸命練習していました。結果として優勝できましたが、その大会を開催してくれたことにすごく感謝しています。
――どのような思いで独自大会に臨まれましたか?
チーム一丸となって、甲子園はなくなったけど、県大会の先に甲子園という続きがあるというイメージの中で1戦1戦を戦っていました。
――独自大会計5試合の中で最も印象に残っている場面はありますか?
自分はベンチに入れずスタンドから見ていたのですが、やっぱり決勝戦の最後のボールがファーストに送られて、皆がマウンドに集まる姿にすごく感動しました。
――甲子園交流試合では智辯和歌山と対戦し、見事勝利されましたが、当時を振り返って感じたことなどはありますか?
初めての甲子園という舞台で、相手も凄く強い智辯和歌山さんだったので、どういう展開になるかはスタンドから見ていても分かりませんでした。得点が入った時に打ったのが主将だったので、その時にベンチも盛り上がって一気に尽誠の流れにできて、そのまま勝ちに運べたので、そこで3年間の皆の努力の集大成が出たのだと思いました。
――短い期間で多くの思い出ができたと思いますが、2020年の8月は橋爪さんにとってどんな1か月でしたか?
色々な思いが混じっていた時期なので、人生でこれ以上の思いをすることは多分ないと思いますし、人生としてはすごくいい経験ができたと思います。
自分から呼びかけたプロジェクト参加
――この「あの夏を取り戻せ」というプロジェクトについて聞いたときはどう思いましたか?
「甲子園でできるのはやった!」というすごく嬉しい感情で、すぐに高校の時のグループに送って「参加しよう」と僕から呼びかけました。
――このプロジェクトでの目標について教えてください
甲子園でできるということで、楽しくできたらいいなという思いがあります。やるからには勝って喜びを噛みしめたいという気持ちもあります。
――最後に応援してくださってる方々へ意気込みをお願いします
甲子園でプレーできることに感謝し、全力で頑張ります!
尽誠、頑張るぞ!
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