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味も空間も深み有"DENDELION CHOCOLATE 蔵前"
ここ数年よく耳にするようになった、Bean to Barのチョコレート。
Bean to Barとはカカオ豆からチョコレートバーになるまで一貫して製造を行うことだ。
その草分け的な存在が、蔵前にあるDANDELION CHOCOLATEだろう。
今や世界中のチョコレートはオンラインで取り寄せができたり、冬のイベント等で購入することができる。しかし、製造工程のひとつひとつを同じ空間で体感しながら、味わえるのがファクトリーなはではの醍醐味だ。
DANDE LION CHOCOLATEは、トッド・マソニスとキャメロン・リング が2010年に創業したBean to Barチョコレートのファクトリー&カフェだ。
IT起業家として成功をおさめた後に、ガレージを借りてチョコレートの実験室を作った。そこで作る手作りチョコレートか友人の評判を呼び、2013年サンフランシスコにファクトリーを開いた。彼らはカカオ豆の産地まで足を運び、生産者と交渉するという。
そんな丁寧に製造工程を管理して作り出す、DANDE LION CHOCOLATEの海外初出店が、2016年蔵前に誕生した。
店舗デザインを手掛けるのは、Puddle。アラビカ京都のカフェやオフィス、レジデンスなどいずれもシンプルな構成要素ながら、温かみと普遍性をもたらす空間を多く生み出している。
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クラフトマンシップが息づく蔵前に店を構えて6年。もう何十年も前からあり続けるような風格とだ。それは構えだけでなく、こだわりの味がそう感じさせるのだろう。蔵前にわざわざ足を運びたくなる、その魅力は何なのだろうか。
1.働く人も心地よい空間づくり
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お店は蔵前駅の近く、精華公園に面した場所にある。パークフロントはカフェでもレジデンスでも、何ものにも代えがたい価値だ。それはデパートやイベントスペースでの購入体験とは全く異なる。開放的な空間でインテリアと共にそのショップが創り出す世界観を訪れた人々は体感する。そして、Puddleの代表である加藤氏が心掛けたこととして、このファクトリーで働く人たちにとってどれだけ居心地の良い空間であるかということ。東京からほど近い場所でありながら、毎日公園の緑を感じながらチョコレート作りに勤しむ。美味しくないはずはない!
2.手仕事の見える化
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入口を入ってすぐ左手の空間には無造作に、エクアドルやベトナムなどの生産地から届いたカカオ豆の麻袋が積み重なっている。その脇ではカカオ豆の選別をしているのだろうか。
Bean to B arの製法では、カカオ豆の選別、焙煎、摩砕、テンパリング、成形、包装まで一貫して行う。そして発酵と焙煎の両方の工程を伴う食べ物は数少なく、それぞれの工程の微妙な調整により、味わいが複雑に異なるという。
うどんやコーヒーなどその製造工程を同一空間内で1コンテンツとして空間デザインに取り込む手法は珍しくない。ただあの甘くて鈍く光るチョコレートがどのような製法で作られているかはまだ多くの人に知られていない。そんな謎多きチョコレートの実態を垣間見ることができる。
3.美味しく味わえるインテリア
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このお店は元々包材の倉庫だった場所をリノベーションしたそうだ。梁など所々に残された材にその面影を感じる。そして柱がなく見通しが効く、倉庫ならではの空間構成はファクトリー&カフェにとって相性がよい。
新たに加わったデザインも木材を多用し、ガラスやスチールと共に無駄のない意匠になっている。
特に木材のやや赤みを帯びた表情は、カカオ豆やチョコレートの味の甘みと深みを彷彿とさせる。食べる前から美味しいとわかってしまう、インテリアだ。というか、インテリアもチョコレートの味わいの一要素になっている。
時間がなくてカフェスペースの利用は叶わなかったが、チョコレートはカカオ豆とキビ砂糖のみから製造されているとは思えない、何とも複雑な味。甘みだけでなく、果実や乳製品の何かが混ざってそうだが、私のボキャブラリーでは上手く言語化できず、フレーバーノートをみながら、あー確かにそんな風味がするー、と答え合わせをして楽しんでいる。
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