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オーナーのおもてなしの庭"旭川 上野ファーム"

旭川デザインウィークへ行った際に訪れた、上野ファーム。
家具メーカーが主催するモーニングツアーに参加し、オープン前に庭の散策をし、カフェで朝食をいただいた。

上野ファームの成り立ちが面白い。
射的山という丘の麓で代々続く米農家が、1983年から個人販売を始めたことで、直接農場に足を運ぶお客さんにとって魅力的な場所になるよう、田んぼのあぜ道にルピナスを植えたことがきっかけだ。現オーナーのお母さんが作ったマザーズガーデンを皮切りに、農繁期の合間に少しずつ庭を広げていった。
オープンガーデンの取り組みを始めると、次第に話題になり、北海道外からも庭を観に来る人が増え、ゆっくりと庭でくつろげるよう古い納屋をカフェに改装して、現在の上野ファームが完成した。

熊の出没注意

行った頃は丁度札幌市内に熊が出没し、連日ニュースで話題になっていた。上野ファームでは可愛い熊の親子がこっそりファームを覗き見ていた。

オープン前にも関わらずオーナーが庭の成り立ちやそれぞれの庭のコンセプトを案内しながら教えてくれた。

1.いつどう見えるか3Dで作られた多彩な庭

ミラーボーダー
ノームの庭
花手水

ファーム内はいくつかのテーマ性を持った庭の集合体だ。どれも写真を撮り出したら止まらないほど「映える」庭ばかりだ。ただこれほどの庭が完成するのに「映える」が意識されるはるか昔からこの庭が作られていたはず。ミラーボーダーは中央の小径を境に左右が鏡で写し出されたような対象な庭だ。中央から外側に向かって高くなる植物の配置は、どの植物もよく見える。これはいつの時期に訪れても、同様の段階的な配置になるよう、各植物が花を咲かせる時期や成育のスピードを3Dで想像しながら植えられているという。そしてもう一つ特徴的なのが、色彩だ。ピンクやパープル、ブルーが微妙に重なり合うアイシャドウのパレットのような色合い。縦に伸びるもの、こんもりしたフォルムのものなど、それらが自由に躍動的に自生しているように見える。そして花々は咲く時期がそれぞれ異なるが、同じ時期に咲く様々な花がどのような色合いとボリュームで見えてくるかも綿密に計算され計画されている。

2.北海道でしか体験できない庭

白樺の小径
射的山からの眺め
射的山

観光資源としてのフラワーパークとの大きな違いがその地域に在来する樹種やその土地のロケーションなどとの組み合わせによる唯一無二性だ。
敷地内を進むと元々屯田兵の射的場だった射的山が見えてくる。そこにはヤングコーンのような愛らしい色とりどりのルピナスが出迎えてくれる。中腹からは広い空とどこまで続く田園風景が広がっている。北海道の風景は地形的には国内の至る所に見られる原風景だが、その景色は他と異なる独特なものだ。緯度の関係で北海道にしか見られない樹種や植物が異なる日本の風景を生み出し、上野ファームでは最大限にそれらを味わうことができる。

3.庭で過ごす時間を考え抜いた空間

庭を眺める椅子
庭を眺める椅子

オーナーは庭を作り続けるに連れ、庭で過ごす時間についても考えるようになったという。そこであかに居心地よく過ごせるかを追求し、アルフレックスが取扱うイタリアのエクステリア家具ブランドのRODAに出会った。
ミニマルで洗練されたフォルムと色みのソファやロッキングチェアは、主張することなく庭に自然に溶け込んでいる。座るとなかなか立つタイミングを失う心地よい座り心地だ。目の前に広がる庭を眺めながら、感じたり考えたり思い思いの時間を過ごすことができる。


カフェの朝食

カフェでの朝食は野菜たっぷりのサンドウィッチとミネストローネスープ。味はもちろん、色鮮やかや断面はオーナーのこだわりを感じる。

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