運動と体性感覚
こんばんは!
理学療法学生のうがゆうきです!
今回は、僕が先日受けた近藤拓人氏のセミナー内容を僕なりにまとめて発信していこうと思います!
このセミナーは一言で言うと、
やばかったです。。
そう言う考え方があったのか!ということばかり
リハビリやトレーニングを考える上で重要な要素が盛りだくさんでした!
この考え方に固執してしまうのもよくないですが、知っているのと知らないとでは考え方が全く変わるなと思います。
では、内容に入っていきましょう!!
「運動と感覚統合:感覚システムの基礎と体性感覚」
今回のセミナーのテーマです
まず、皆さんに質問です!
痛みは脳へのインプットでしょうか?脳からのアウトプットでしょうか?
痛みは脳からのアウトプットです!
ということは、痛みを改善させようと考えたとき
痛みにアプローチしようとしたところで、脳がインプットとして何か体の異常を感じていることを変えなければ改善はできません。
脳へのインプットを変化させなければ、痛みの改善にはならないということです。
そこで大事なのが、脳へのアプローチ(感覚入力)になります!
人間のインプットからアウトプットまでの流れは
感覚器(明確な情報伝達)
→ 脳(適切な情報処理)
→ 体(正確な情報発信)
であり、
正確な情報発信(アウトプット)をおこなうためには明確な情報伝達(インプット)を修正していくことが必要です。
このことを簡単にイメージできる例があります。
マウスピースってありますよね、
マウスピースをつけることで力が入りやすくなったり安定したりするというのは聞いたことがあるとおもいます。
マウスピースによって力が入りやすくなるメカニズムは
マウスピースによる外部入力 → 三叉神経の活性化
→ 体性感覚が強くなる → 体が安定する(パフォーマンス向上)
というもので、インプットを変化させることでアウトプットが変化しています。
先ほど、痛みはアウトプットと言いました。
運動のパフォーマンスももちろん脳からのアウトプットです。
しかし、脳からアウトプットできる量には限りがあります
痛みがあるとパフォーマンスが低下するというのは容易に想像できますが、脳のアウトプットの割合が痛みの方が高いためそうなってしまうということなのです。
脳からのアウトプットを振り分ける際には、生存に関わる痛みの方が優先されます。
すなわち、パフォーマンスをあげようと思ったら痛みのアウトプット量を減らさなけれないけません。
この痛みのアウトプット量を調整する機構が今回の重要ポイントである
『PMRF』
というものです!
それでは「PMRF」とは何かについて説明していきます。
PMRFとパフォーマンス
これはアメリカでは浸透しているのですが、日本ではあまり浸透していないもので
適切な日本語訳がないとのことでした。
PMRF
pontomedullary reticular formation : 橋延髄網様体形成
近藤先生はこのように訳していました。
この文字の羅列を見ても、なんじゃこりゃ?って感じですよね笑
まず、脳からのアウトプットは基本的に
右の脳から出た信号は左側へ
左の脳から出た信号は右側へ
というように、対側へ影響を与えます。
しかし、PMRFは大脳皮質〜脊髄の間にあり、同側に影響を与えるシステムなのです。
PMRFの働きは
・同側の痛みを抑制する
・同側の交感神経を抑制する
・Th6以上の前方筋群とTh6以下の後方筋群の抑制
であり、PMRFを活性状態にするには
同側の大脳皮質、対側の小脳・前庭を活性させることが必要だと言われています。
逆にPMRF機能不全が起こっている場合どうなるのか?
・同側の交感神経が過活動になる
・同側体温低下
・同側の痛み
・同側の筋緊張をコントロールできなくなる
・同側の姿勢コントロールができなくなる
・同側の血圧が上がる
・同側に汗をかく
めちゃくちゃあるやん!って思いますよね笑
そうなんです。
PMRFはこんだけの影響力を持ったとても重要なシステムということなのです。
可動域制限を考える上でも、この考え方は重要で
筋肉が短縮していることによる可動域制限なのか
PMRFの機能不全による筋緊張が高まった状態なのかで行うアプローチも変わります
試合前や大事な場面で緊張して、体が動かしにくいという場合も
もしかしたらPMRF機能不全によって交感神経が過活動担っていたり、
筋緊張がコントロールできていないのかもしれません
というように、日常的にもスポーツ中においても
このPMRFが活性状態になっているかどうかは重要なことだと言えます!
では、PMRFを活性状態にするにはどうしたらいいのでしょうか?
PMRFは同側へのアウトプットであるため
例えば右側のPMRFを活性させたい場合は右の大脳皮質へのアプローチが必要です。
右側の大脳皮質へは、左側からのインプットが入ってくるため
左側に何かしらを行えばいいということになります。
例えば、
右膝が慢性的に痛い。
この場合、右側のPMRF機能不全を疑います
なので、左側に何かしらを行います
ここでは左耳のみで音楽を聴かせながら、
左足のレッグカールを行うとします
すると、右側の大脳皮質への刺激がインプットされ
右側のPMRFの活性が起こり、右膝の痛みが軽減するということになります
嘘のようですが、これは可動域などでも簡単に確認できるのでぜひ一度試して見てください!
体性感覚の向上
マウスピースの話とPMRFの話では共通することがあります
それはどちらも『インプット』を変化させることでアウトプットを変えているということです。
この『インプット』において重要なのが「体性感覚」です
体性感覚とは、自分の体の位置がわかったり
動作を把握したりするための感覚です(ざっくり)
この体性感覚を改善することがインプットの変化につながります
改善の仕方として、ここでは筋・関節からのフィードバックについて説明します。
筋肉や関節には固有受容器が存在し、それらが筋肉であれば伸張や収縮を刺激として受け取ることで脳には、
ここに自分の体はあってこうやって動いてますよ!
という情報が伝達されるのです。
つまり、怪我などをしてしまった筋肉や関節では体性感覚が鈍ってしまうため、積極的に動かすことで感覚入力され体性感覚が取り戻されます。
足部・足関節、股関節、脊椎・骨盤、肩関節などそれぞれの部位での動かし方がありますが
特別なことはなく
ゆっくり、最大可動域で動かすというだけです
例えば、骨盤であれば
ゆっくり最大可動域で前傾・後傾を繰り返す
というような流れです。
以上が今回
僕が受けた近藤先生のセミナーの内容です。
文面だけで伝えるのはなかなか難しく、下手くそで申し訳ありません!
動画などでも発信していこうと思っていますので
今後もよろしくお願いします!!
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