忠臣蔵からトロッコ問題
12月14日は友人の誕生日。ピンときた人は正解です。
そう「忠臣蔵の日」です。赤穂浪士47名が江戸・本所松坂町の吉良邸に討ち入り、主君の仇討ちをした日。最近は、すっかりテレビで時代劇が放送されなくなりましたが、以前は年末のこの時期、忠臣蔵のドラマが放送されていました。シンシンと降る雪の中を隊列を組んで吉良邸に向かうシーンが印象的でした。
この討ち入りの背景には、1701年江戸城の松之廊下で、播磨赤穂藩藩主の浅野内匠頭が、高家(儀式や典礼を司る職)である吉良上野介に斬りかかった「赤穂事件」が発端となっています。
当時、幕府は朝廷に対して、神経質になっており、幕府と朝廷の間を取り持つ職にある吉良上野介への傷害事件を起こした浅野内匠頭には、即日切腹を言い渡し、播磨赤穂藩浅野家は没収してしまいます。
浅野のみが処罰され、吉良にはおとがめない裁きに、家臣達が反発し、大石内蔵助が率いる47人が様々な艱難辛苦を乗り越えて、最終的に本望を遂げるという話。
ドリフで吉良上野介に扮した志村けんが、浅野内匠頭に扮した加藤茶に対して、「鮒じゃ鮒、鮒侍じゃ(※)」と虐めるコントをよく覚えていますが、最終的に浅野が我慢できず、刃傷事件を起こしてしまうのですが、幕府と朝廷の間を取り持っていた吉良上野介は 大名たちに横柄な態度で、物をせびることも多かったとも「伝えられて」います。そういう意味でも、討ち入りした赤穂浪士に対して、応援した大名も多かった「そうです」。
※井の中の蛙と同じ意味
逆にその吉良、実は名君で、農民たちの声を聞き、治水や塩田整備にも力を尽くして慕われていた「そう」で、茶道や美術に造詣が深い一流の文化人でもあった「らしい」んです。
「伝えられて」「そう」「らしい」と書きましたが、歴史は勝者が残すと言われる通り、結局、当時の事を正確に記したものは残っておらず、何が本当で、何が嘘なのか、今となっては知ることはできないん「だそう」。
SNSが進んでいる現代では、勝者・敗者に加えて、傍観者・配信者(第三者)がいるので、これからの歴史の残り方は少し変わってくるかもしれませんね。
毎年、この日になると、その誕生日の友人が「トロッコ問題」を例にして、「正義とは何か?」と聞いてきたことを思い出します。
トロッコ問題とは
暴走したトロッコの先の線路上に5人いて、このままではトロッコが突っ込んで、全員が死んでしまう。
目の前にある線路の切り替えレバーを使うことで、5人を助けることができる。
しかし、レバーを使うと、今度は切り替えた先の線路にいる無関係の1人が死んでしまう。
では、この状況で「あなたならどうする?」という問題。
「そのまま5人を見殺しにすべきか?」
「それとも1人を犠牲にし、5人を助けるか?」
「その5人が、1000人、1万人、1億人なら。」
「その1人が、大切な家族だったら。」
どうすべきか、私も答えが見つかっていません。
そもそも問題解決を目的としない思考実験ですけど、それでも、この先、クルマが自動運転になっていく中で、AIがどう判断するのか(させるのか)につながるんじゃないかと思っています。
たまたまYouTubeのオススメに出てきた「私立パラの丸高校」のギャルの思考実験としては成立していませんが、全てを救う回答にホッとします。
「私立パラの丸高校」、様々な超能力を持った高校生たちの日常、時に考えさせられる動画もありますが、何より楽しい日常の一コマばかりです。オススメのコンテンツです。
▶私立パラの丸高校(YouTube)
「忠臣蔵」から「正義とは・トロッコ問題」、「私立パラの丸高校」に変わってしまいましたが、みなさんなら、どう考えますか?