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マドロスの唄 (奥田良三・矢追婦美子)。

奥田良三と矢追婦美子の歌う「マドロスの唄」。加藤まさおを作詞、原曲は1930年に公開されたアンリ・ドコアン原作、カルミネ・ガローネ監督によるフランス・オッソー映画「搔払いの一夜」(dragnet night)の主題歌で、出演はアルベール・プレジャン、アナベラ、コンスタン・レミー、リュシアン・バルゥなど。長い航海から帰って来たマドロスのジョルジュ(プレジャン)がある騒動に巻き込まれて、成り行きで素敵な美女と知り合います。飛び込みで参加したボクシング大会で勝利した事から、一躍脚光を浴びるボクサーになるのですが、運命は其の慢心が元で思わぬ方向へ…と云う物語でした。当時日本ではフランス映画も人気が高く、多くの作品が公開されていました。プレジャンは「巴里の屋根の下」でよく知られていたので、本作も期待値が高い一作だったのです🎬。

主題歌の「マドロスの唄」は、アドリアン・ラミー等のレコードが洋盤でリリースされたのですが、日本でも早速カバーが出ました。ポリドールから出た奥田と矢追のバージョンは二番構成で、小北武廣による口笛が挿入されています。春の夜更けに吹く風の様な、生暖かいサウンドであり、トランペット、サックス、スーザフォンなどによる少し控え目な伴奏でスタート。一番は奥田良三のソロ、二番で矢追が加わってデュエットになりますが、両人声楽畑と云う事もあってか、キレキレな硬い感じの歌唱でした。ラストは口笛の後でバイオリンや打楽器が現れて、少し盛り上がって終わると云う流れです。奥田良三は当時留学も兼ねて欧州におり、現地録音した歌を送って続々と発売。裏面は「それが世の中」と云う賑やかな曲が組まれ、こちらは矢追婦美子がソロで吹き込みました😀。

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