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ドンホセ (A小泉幸雄・G宇川隆三)。

秋ともなれば、アコーディオンの音色が似合います。今夜はアコーディオン奏者の小泉幸雄と、ギタリスト宇川隆三のコンビによるパソドブル「ドンホセ」を。随分前になりますが、LPやCDに復刻されていますので、耳にした事がある方も多いかも知れません。戦前期に「スペインの姫君」や「エスパニア・カーニ」らと共に、ダンスのBGMとして、或いは軽音楽のレパートリーとして日本でも大変人気のあった曲ですが、作曲者がcharosinと云う人である事以外は分かりません。またスペインの民謡が基になっているとも言われています。主旋律の殆どを小泉のアコが弾いておりますが、途中での宇川のギターによるフラメンコ・タッチの絃捌きが見事。きちんと3コーラス分演奏されているので、聞きながら当意即妙の歌詞を当てはめて歌った人も居た事でしょう🎼。 

此の曲は非常に早いテンポですが、そのリズムとメロディは何処か1960年代の歌謡曲を思わせる取っ付き易さがあります。既に昭和6年暮れに羽衣歌子が「バットガール」と云うタイトルで歌謡化しました。柳水巴(西條八十)が作詞しているのですが、元々舞踏曲として書かれたメロディに日本語歌詞を載せるのには無理があったのか、二番のパートの出だしで音が外れてしまっています。ジャズソングとして売るには向かないと判断されたのか、知る限り「ドンホセ」のレコードは殆どが軽音楽盤としてのリリースでした。変わった録音ではアコーディオンと芸者の弾く三味線のバージョンも存在しています。小泉幸雄はアコ奏者としてだけでなく、編曲者としても数々の録音を残しました。宇川は更にキング・ノベルティオーケストラに所属して、杉井幸一の元で腕を振るうのです🎸。

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