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浪花小唄 (二村定一)。

二村定一の歌う「浪花小唄」。時雨音羽作詞、佐々紅華作曲で、大大阪と呼ばれた当時に於いて、内海一郎の「道頓堀行進曲」と並んでヒットした名曲です。日本に進出して以降、破竹の勢いで邦楽新譜をリリースしていた日本ビクターでは、専属になったばかりの二村が歌う「君恋し」や「青空」などが軒並み大ヒット。また佐藤千夜子の「東京行進曲」も23万枚以上を売り上げるなどの場外ホームランになり、早速”東京の次は大阪で“と言わんばかりに企画されたのが此の「浪花小唄」なのです。時雨音羽は全7篇の歌詞を書き、四番目迄を三味線伴奏で藤本二三吉が歌い、後半を二村が洋楽器伴奏で歌う事になりました。またラベルには「道頓堀夜景」と云うサブタイトルが付いております🌃。

二村の「浪花小唄」はジャズバンドの伴奏で、故大川晴夫氏のお話では井田一郎が編曲したとありますが、近年の調査ではビクター所属の他のバンドマンが手掛けたとも言われています。勢いある前奏の後で歌に入り、一番では道頓堀の川面を行く舟での逢瀬が描かれていますが、其の後の間奏ではカーン作曲の「フー?」の旋律が出てきて、アルトサックスの悩ましい音色が揺らめく夜の街灯の様。二番の後ではH・ティファニー作曲の「リオ・リタ」が現れて雄大な雰囲気に様変わりし、さながら山岳地帯を行くローカル線の車窓からの風景を思わせます。二村定一の絶頂期のナンバーだけに、レコードは発売されるや飛ぶ様に売れてゆき、彼の代表曲の一つとしても歌謡史上に残るヒット曲となりました😀。

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