【読書感想文】アニメ面白かったので、原作読んでみました【バチカン奇跡調査官 黒の学院】
『バチカン奇跡調査官 黒の学院』を読みました~!
以前、アニメを見た際に面白くて、原作も読んでみたいなぁって思った作品なのですが、その時、別の小説シリーズを読んでいたり、仕事が忙しくなったりで、色々スケジュールが合わず、ズルズル来ちゃってて……。
気がついたらアニメから約4年もの月日が経ってました(白目)
そんなわけで、4年越しにようやく読んだ『バチカン奇跡調査官 黒の学院』の感想です!
【あらすじ】
天才科学者の平賀と、古文書・暗号解読のエキスパート、ロベルト。2人は良き相棒にして、バチカン所属の『奇跡調査官』―世界中の奇跡の真偽を調査し判別する、秘密調査官だ。修道院と、併設する良家の子息ばかりを集めた寄宿学校でおきた『奇跡』の調査のため、現地に飛んだ2人。聖痕を浮かべる生徒や涙を流すマリア像など不思議な現象が2人を襲うが、さらに奇怪な連続殺人が発生し―。天才神父コンビの事件簿、開幕。
[BOOKデータベース 引用]
実のところ、アニメを視聴してからもう4年も経っているので、細かいところはうろ覚えだったりもするんですが……。
とにかく読んで思った事は、「あれ!? こんなに色んな展開、細かい説明あったっけ!?」というもの。
プロローグの聖年のクリスマスの話やサウロ大司教様からセントロザリオ(上の『あらすじ』に出てくる修道院の名前です)での出来事を聞くシーンなど、見覚えのないシーンが多くてびっくりしました(サウロ大司教様との話のくだりは、サラッとしか語っていたような気もするけど……)。
アニメって、もしや結構大幅に削られてた? と首を傾げつつ、まぁ1クール(全12話)しか枠なかったもんなぁ~、とも納得。
12話って長いようで結構短い。
文庫本で文字ぎゅうぎゅうに書かれてる内容が500ページ弱のものを12話で収めないといけないとなると、大分大幅に削って構成見直さないといけないのかもしれませんね。
それでも充分面白いって思えたんだから、アニメ凄い……。
あとはアニメ版との比較で抱いた感想は、原作の平賀神父が思った以上に奇人だったなと。
平賀神父は、いわゆるミステリーの探偵役ポジションにいる科学者なので、頭の回転具合がズバ抜けているタイプの、人とは違う脳を持った人間という意味で『奇人変人』な印象があるキャラクターです。
アニメ版も奇人な印象はあったのですが、でも普段の対応がとても紳士的な方なので、あまり奇人変人感はなかった。少なくとも変人の印象は抱かなかったですね。頭の回転が凄すぎて、ちょっと人とものの見方が違うレベルの人。
でも原作は、完全に『変人』も合わさって持っていました。
神の存在を信じ、本当の奇跡があると信じているからこそ、疑いもなく現実に起こった奇跡を疑い調査する事ができるという矛盾する一面をもつ平賀神父。
ことある毎にメモ帳に自分にしかわからない考えをメモするわ、ことある毎に自分の頭の中だけで整理をしてそれを語ってくれないわ……。
サウロ大司教様という自分よりも目上の相手と対峙した際もその態度は変わらず。
それどころか、大司教様という相手を前にして「悪魔がいるなら、主(神)も存在されるわけだから、せめて死ぬ前に一度はどちらかとお会いしたい」と神父とは思えない発言をする始末。
言いたい事はわからなくもないけど、それは大司教様の前で言っちゃいけないよ、平賀神父……。
そりゃあサウロ大司教も「彼は私をからかっているのかね」って疑惑を持っちゃいますよ……。
ちなみに平賀神父の相方のロベルト神父に関しては、アニメ版よりとても落ち着いている印象を受けました。
平賀神父が冷静に物事を分析する反面、彼は素直に目の前で起きた物事に対して驚いたり、感動したりする事が多いキャラクターなのですが、アニメの方はそれがとても激しかった印象があります。
声や目に見える動作がついたから、感情が小説より伝わりやすかったのかな。
しかし反面、ちょっと情緒不安定なキャラクターな印象も抱きました。感情が豊かすぎて、すぐ情緒が不安定になるキャラクター。この人、助手で大丈夫か……、お前、今、死亡フラグたてなかったか……? とハラハラ、どきどきしながら見ていた記憶があります。
けど小説版の方は、場面場面のロベルト神父の心情がわかりやすく書かれている事もあって、そこまで情緒不安定な印象は抱きませんでした。
『悪魔の聖書』の内容に魅入られていくロベルト神父とか、叩けば叩くほど出てくるセントロザリオの闇を前に信仰心がゆらぎ始めるロベルト神父とか、その心情の変化がわかりやすく綴られていたので、情緒のゆらぎ方に納得した、といった方が正しいかもしれません。
小説は文字でこの辺りを補足してくれるから、ありがたいよね!
ちなみに余談ですが、小説版を読んで、ロベルト神父が初めて純粋なイタリア人だった事を知りました。
アニメ版はロベルト神父を最初に見た時に思った事が、「うわっ、チャラ(見た目が)」って感想だったのですが、そっか、イタリア人キャラクターだったからそんな風に思ったのか……(おい)
セントロザリオで次々に起こる不可解な謎や、それらの謎が実は全て1つの真実に繋がっていたという事実については、正直、アニメで知っていたのでそこまで驚かなかったのですが、アニメ版では「こんなこと語られてなくなかった!?」と驚かされる細かい内容がいくつもありました。
特に『知識』の方面では、驚きの事実がいくつも語られていてびっくりしました。
アニメ版以上に、聖書に関わる話から、教会に纏わる様々な『闇』の噂、歴史的観点など、『宗教』という組織の影にある様々な話・情報をもとに細かく練り作られている事がわかる展開には脱帽の二言しかありません。
ロベルト神父の心を魅了した『悪魔の聖書』も調べてみたんですけど、本当にあるんですね……。
『ギガスの写本』と正しくは言うそうです。『ギガス(巨人)』と名がつくのも納得のどでかい本でした……。
なんでここまで大きくしちゃったの……って言いたい……。
また事件自体はなんとか解決しましたが、セントロザリオの闇に巻き込まれてしまった一部の少年達の行く末やその闇に巻き込まれ生まれてしまった、祝福されない命の結末を考えると、なんともやるせない終わり方ではあったな、と思います。
それでもその悲しい事実、どうしよもない教会が抱える闇の大きさの前に、心乱す平賀神父やロベルト神父がいてくれた事で、少しばかり救われたような気持ちにもなりました。
2人にその事実を伝えたサウロ大司教様も、何も冷酷に教会側の人間でいるわけではなく、人間らしい心の揺らぎを持ちながらも主を信じ続けようとする姿が見て取れました。アニメ版のサウロ大司教様は、主を信じてる完璧な信仰者ってイメージがあったんですが、小説を読んだおかげで、その印象がいい意味で崩れてくれました。
こんな闇が蔓延る世界にも、平賀神父やロベルト神父の味方になってくれるような人がいるという点で、とても安心できる人物でした。
以上が『バチカン奇跡調査官 黒の学院』の感想でした~。
続きを読もうとは考えているのですが、『バチカン奇跡調査官』は、2021年現段階で21巻も出ているようです。
なんてこと、巻数むちゃくちゃ多いやんけ……!
他にも並行して読んでるシリーズがあるのに、はたして私は21巻も読んでる余裕があるのか……!?
まぁ、読むけどねー!(だって続き気になるし)(満面の笑み)
以上です!
【P.S おまけの感想コーナー(※別作品の名前が出てくるので注意)】
ところで、本作を読んでいる最中、ある作品が私の頭の中でよく思い出されていました。
それが、『ペルソナ2』!!!!(カッ!!
正式なタイトルは『ペルソナ2 罪』と『ペルソナ2 罰』です。
ゲーム会社のアトラスから出てるジュブナイルRPG『ペルソナ』シリーズの2作目にあたる作品ですね。
なんでこれが出てきたかというと、『ペルソナ2』は、シリーズの中で1番といっていいぐらいに本編ストーリーに、宗教関連やナ◯ス関連の話題があがってくるんですよ。
ナチ◯に関しては、この話があるせいで海外発売ができなかったとされているぐらい、めっちゃ本編に関わってきます。
あとモチーフにたぶん、クトゥルフ神話も含まれているので、色々カオス。カオスで設定も複雑なのに、最後には全部綺麗にまとまるんだから凄いなって思います。
ただそれでも情報が語られていないところとか、多くあって。
たとえば、『ペルソナ2 罪』の後半には『聖槍(磔刑に処せられたイエス・キリストの死を確認する為、イエス・キリストの脇を突き刺したとされる槍)』が登場するんですけど、なんかやけにいっぱい槍があるんですよね。
『ペルソナ2』を知った当初は、そういう名前の創造武器なのかなって思ってたんですけど、最後の最後にその槍を持っていなかった筈のキャラクターが急に持って現れたりするもんだから、「ほあっ!?」って驚きの声をあげちゃったりして。
そのキャラクターがそれを持ってきた理由は判明するんですけど、どこからそれを持ってきたのかとか、取ってきたのかとかそういうのは謎のままだったりで……。
けど本作を読んで、聖槍が「レプリカなら世界各国、色んなところにあるらしい」って知って、なんとなく「あ。じゃあ、もしかしたらあぁやって取ってきたのかな~」なんて想像できたりもしました。
完全に個人的な楽しみ方でしたが、とっても納得がいったので、十年(あれ。いつだっけ、『ペルソナ2』を知ったの……)越しぐらいに謎が解けてスッキリしました笑
他にもたぶん、『ペルソナ2』を知っている/プレイしたよって方なら「あ~~~~~~っ!」って納得する部分が多くあると思います。
あんまり感想文内に、感想対象の作品以外を書くのもどうかな、とは思うのですが、いやこれは語りたい! って思ってしまったので、おまけコーナーを設立して語らせていただきました。
『ペルソナ2』好きな人は、ぜひ一度、この作品を読んでみてください! 絶対、「あのシーンのあれ、こういうことか~!」「お前、まさか、あっ、あっ~~~~!!!!」って納得の大嵐間違いなしです!!!!!!
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