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【主婦勉】浮世絵を知りたい~そもそも編~

浮世絵とは何か。

というお題もあまりに壮大だけれど、
基本的なこととして、
浮世絵ってどんなジャンル?
どういうことがどう描かれているの?
みたいなことについては

・江戸時代に成立した絵画のジャンル
・主に、
 肉筆画(筆で直に描かれたもの)と 
 木版画(印刷物)の2タイプ
・特に遊里・遊女・役者など、 
 庶民的な題材が多く、江戸を中心に発達

という、
この3点を頭に入れておくと良いかなと思う。

元々「うきよ」とは「憂き世」が語源で
文字通り
「辛いことの多い世の中」的な意味であったが、
江戸時代に入り、泰平の世になるにつれ、
本来の意味である「今」「当世」という意味に
恐らく享楽的なニュアンスも重なって
「浮世」へと変化。

「憂き世から浮世へ」言われた、
いわゆる"元禄文化"が華開いた時代に、
浮世絵も誕生したというわけだ。

浮世絵の誕生

ではどういう時代背景、
社会の流れの中で
浮世絵は生まれてきたのか。

江戸時代になる以前は、
特に畿内方面は、
明日の食べ物にも困る、
とにかく今日を生きるのに必死!
みたいな、
明けても暮れても戦、戦、戦の日々が
100年以上続いていたが、

江戸時代に入ると
所謂”泰平の世”、
戦に巻き込まれることもなく、
家も壊れず、
日々安心して暮らせる、
皆が望みに望んだ平和な世の中になった。

そうなると
次に人々が求めるようになるのが、そう、
娯楽や知識欲だ。

そこで登場するのが出版文化。
まずは京都の嵯峨から、
「嵯峨本」と呼ばれる、
古活字本が登場する。
有名なものとしては「伊勢物語」ですね。

イメージとしては、
古典文学だった「伊勢物語」を、
当時の出版技術でリバイバル再販した、
みたいな感じだったのかな?

用紙・装丁に豪華な意匠を施した
美術的にも価値の高い印刷物で、
漢字の中に平仮名も混じったスタイルで書かれ、
挿絵も入っているということで、
大変に評判を呼び、
出版業界がにわかに盛り上がり始めた。

その後、江戸を中心として
「仮名草子」と呼ばれる
仮名書きの庶民的な読み物が流行。
内容としては
教訓・啓蒙的な内容のものが多かったようだ。

そうこうしているうちに、
その仮名草子に
挿絵も入りはじめ、
時代を反映しているような、
現実的な視点で風俗・人情を描く
「浮世草子」というジャンルが登場。

その最たるもので、最初とされている作品が
1682年に発表された
井原西鶴の『好色一代男』である。

この本、
まずは上方で出版されて大ヒット。
その後江戸で出版されたのだが、

その時、
江戸版『好色一代男』の挿絵を担当したのが
『見返り美人図』で有名な
あの菱川師宣なのである。
やっと見えてきたー!

ちなみに上方版の挿絵は
西鶴直筆だと言われている。

江戸の出版文化は
この『好色一代男』の大ヒットなどもあり、
飛躍的に進化を遂げ、
つぎつぎと読み物が
出版されていくようになるのだが、
そのうち、文章よりも、
絵の方がメインになってくるものが
登場し始める。

日本人は昔からマンガが好きなんだな笑

今まで文章がメインで、
絵はあくまで挿絵だったものから、
だんだん逆転現象が起きてきて、
メインが絵で、
文が添え物的になってくる。

つまりそれまで
バックバンド的立ち位置で
健気にボーカルを引き立たせていた
イケメンギタリスト君(挿絵)が、
にわかに脚光を浴びて絶大な支持を受けはじめ、
遂にボーカル(文章)を追い落として
メインの場所を奪い取る、
いわゆる逆転劇のようなものが、
この浮世草子界で繰り広げられた結果、
(かどうかはしらないけれど)

ついに挿絵が独立を果たし、
ここにめでたく「浮世絵」が誕生する、
というのが大まかな流れのようだ。