ベイスターズ日本一 そして森鷗外

ベイスターズが日本一になった。
かつてのマシンガン打線の栄光から、26年。
積み重ねてきた努力がついに報われた。
本当に、本当に凄いこと!

ホークスという素晴らしいチーム。
それに挑み、戦いの果てに再び掴んだ栄光。
この輝かしい勝利は、この先ずっと語られるべきものだと思う。


試合中、スタジアムには「横浜市歌」が轟いていた。
横浜市歌の作詞は森林太郎が手掛けた。
そう、かの文豪・森鷗外その人である。


当時の日本では、作詞に対して曲をつけることが一般的であった。
しかし横浜市歌は最初に曲を作り、その曲のイメージに合わせて
鷗外が歌詞を作るという、当時としてはとても珍しい作曲法で
作られている。

なお、鷗外の報酬は作曲家の報酬のちょうど二倍であったそうだ。


鷗外も、まさかこの曲が、偉大なる勝利の寿ぎのために用いられる
名曲になるとは予想していなかっただろう。
作詞の仕事を引き受けるにしても、せいぜいが

「横浜港開港五十周年おめでとう、Fuuuuuuu‼」

……くらいのノリであったはずだ。
まさか百年の後に歌い継がれることになるとは、文豪の見識を以てなお
予想以上の出来事であったと思われる。

漱石同様、鷗外もまた「持っている」タイプの御仁であったということだろう。


結びになるが、ベイスターズの勝利を重ねてお祝い申し上げる。


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