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「ほめる」は最強のビジネススキル(?)

「褒めて伸ばそう」「褒められて伸びるタイプです」「褒め上手」近年このような言葉をよく聞くようになりました。私が新入社員の頃とは全く変わりましたが今やこのような考え方がスタンダードと言えるでしょう。

そこで今日はこの「褒める」を題材にした書籍をもとに記事を作成したいと思います。この「褒める」ということに一体どんな意味があるのか、実は私自身あまり考えたことがなかったですが、この機会に非常に勉強になったと思います。ポイントは3つになりますので順を追って解説していきます。
①ほめたくないシンドローム
②「旧型褒める」と「新型褒める」
③さきがけ考察「実践編」

①ほめたくないシンドローム

まず一つ目のポイント「ほめたくないシンドローム」とは何か。まずは人を褒めることに抵抗がある理由を明確にしていきます。結論からお伝えすると褒めることに抵抗がある理由は次の3つ。
1.評価を下すことになる。
2.成長が止まることになる。
3.依存させコントロールする側面がある。
この3つの理由のいずれかに該当するため褒めることに抵抗を感じると言われています。

まず1つ目の評価を下すという項目ですが、どうしても誰かを褒めるという行為には単に人に対して評価を下すという印象を持ってしまう側面があるます。

例えばノルマを達成した先輩に

「すごいですね」

と褒めたとすると、捉え方によってはノルマ達成しないと思ってたと捉えることもできます。このように人に対して褒めるとその人のことを無意識に評価をしてしまう側面があり、伝える相手によっては失礼にあたるため、褒めないという選択をとるというのが一つ目の抵抗です。

次に2つ目の成長が止まるに関してですが、良い結果を出したとしてもあまり褒めるとそこで満足をして努力をやめてしまう。または調子に乗ったり勘違いをしてしまうと思われる可能性を感じて褒めないというのが二つ目の抵抗です。

そして最後三つめの依存させコントロールするに関しては、相手をコントロールする行為、そして褒められたいという依存状態を生み出してしまうとあるように、褒めてしまったせいで相手の純粋な努力理由にズレが生じてしまう場合があります。

例えば今まで何のご褒美もなくても純粋に親を助けてあげたいと考えてお手伝いをしていた子供に、ある日から突然お手伝いをするとお小遣いをあげるようにしたとします。するといつからか親を助けたいからお手伝いをするのではなく、お小遣いをもらうためにお手伝いをするようになってしまう場合があり、これが努力理由のつれです。

そしてもしこの子供に次はお手伝いではなく勉強を頑張ったらお小遣いをあげるよと約束をするとおそらく勉強を頑張ります。これが相手をコントロールする感覚です。今はお小遣いを例に挙げましたが褒めるという行為でも同じように依存させること、コントロールすることが可能だからこそアドラーは褒める行為に対して否定的なのです。

そしてこの3つめの依存させコントロールするに関しては、このような関係や環境を作りたくないから褒めることに抵抗を感じることを指します。

②「旧型褒める」と「新型褒める」

2つ目のポイント「旧型褒める」と「新型褒める」ではそのほめることのデメリットを払拭できる褒め方をお伝えしていきます。まず結論からお伝えすると旧型褒めると新型褒めるとはどういうことかというと、

■旧型褒めるは結果に対して褒めること
■新型褒めるは思いや努力を褒めること

褒め方には新型と旧型2種類があり、旧型褒めるは結果を評価し褒めること、新型褒めるは思いや努力を褒めることという内容をまずははっきりと分けて考えることが重要とされています。

例えばプレゼン資料の作成を行ったメンバーを少し労ってあげる際を想像しましょう。プレゼン資料を作成したメンバーが

「資料確認をお願いします」と持ってきた際、仕上がった資料に目を通し、「いい出来だよ、よく頑張った、よくやった、完璧だね」

など資料のクオリティを評価するのが「旧型褒める」の考え方です。

これだと褒めることがデメリットに働く場合があります。ではどうやって褒めるのでしょうか。たとえばこのような場合だと出来上がった資料のクオリティだけではなく、その過程に目を向けましょう。

今までと比べてデザイン性や構成が少し違っていた場合なぜそうしようと考えたのか、どうやってそのデザインや構成を思いつきどうやって情報を集めて試行錯誤したのか、その理由を自然と会話の中で聞いていき、その思い過程を褒めていくのです。

出来上がった作品を褒めると自分は今のままで十分と考え成長を止めるリスクはゼロではありませんが、その過程を褒めた場合には成長を止めることがありません。逆にこの考え方でいいんだもっとという考え方であったり新たな取り組みを入れていいんだ、というようにもっとその人の個性を出すようになるかもしれません。

営業成績業績が上がったメンバーがいた際も同じです。売り上げが上がったこと、売り上げの数字自体を褒めるのではなく、なぜ業績が上がったのかに目を向けその過程の努力を労う。もしくは会話の中で業績が上がった理由を相手が答えられたのであれば、その自己分析ができているという事実を褒めるのです。そうするともっともっととなる可能性が高くなります。そしてこの褒め方であれば部下が上司に対して褒める際も

「いつも挑戦していてすごいですね」

など結果ではなく過程であれば嫌味なく褒めることができるのです。このように「新型褒める」はあくまでも結果ではなくその結果が出るに至った過程を褒めることで相手の成長を止めずモチベーションを高めることができるのです。

③さきがけ考察「実践編」

では続いて3つ目のポイントである魁考察「実践編」です。1つ目、2つ目のポイントでお伝えした内容から褒めることのリスク、そしてそのリスクをなくす褒め方「新型褒める」という考えはご理解いただいたかと思います。ただその方法が分かったからといって、そもそもなぜ褒めなければいけないのかという疑問は払拭できてない人もいるかもしれません。給料をもらって働いている以上、業務を遂行するのは当たり前、だからこそ当たり前にノルマをクリアした当たり前に努力をして成長している、すべて当たり前だから褒める必要はないという考えの人、自分も褒められずにやってきた厳しく育てる方が根性のある人間になるという考えの人もいるかもしれませ ん。

しかし、相手を褒めること自体が当たり前の事なので、相手を褒めないこと自体が間違っているということになります。というのも会社はチームで働いている以上立場は関係なく、チームの空気を良くして成果を出しやすい快適な環境を整えることはメンバー全員に課せられた職務に含まれています。

そしてその快適な環境を作る上で必ず必要となるのがメンバーのモチベーションです。そしてそのモチベーションを高める方法の一つが褒めるという行為なのです。例えば何をやっても褒められず、何をやってもありがとうという言葉もない職場、もしくは周りのメンバー全員が何かと変化や成長努力に目を向けてくれ、自分の過程を褒めてくれる、そしてメンバー同士のありがとうで溢れかえっている職場、あなたはどちらの職場で働きたいですか。あなたはどちらの職場のメンバーと協力をして大きな目標を達成したいですか。もし後者なのであればあなたは周りのメンバーを褒めることでその快適な環境を作る努力をするべきです。これをやらないというのは業務怠慢です。だからこそ当たり前の業務を全うするために当たり前に周りの人を褒める意識を持ちましょう。

相手の将来のビジョンを確認したり、誰のため何のために努力をするのかという点を明確にし、心の報酬だけではなくあくまでも自分の将来、チームの成果そしてクライアント顧客をより豊かにするために努力をしたいという自然の心を持ち続けられるようにメンバーとはコミュニケーションをしっかりととりましょう。

まとめ

次世代型リーダーや新しいリーダーシップのありかた、など上司の立場における立ち振る舞い方も大きく変わりました。そしてコミュニケーションの術が「叱る」から「褒める」に変わってきているのだと思います。

人間誰しも叱られるより褒められたいです。只、その褒め方を間違えると組織の風土を壊してしまうリスクもあります。人間は感情があるので難しいですね。

この本に出てくるこの3つのポイントはそれらをしっかりとあらかじめ把握した上でいい組織風土を形成するヒントをくれるような気がします。

特に私個人的に重要だと感じることは「褒める」は手段であり、なぜ褒めるのかの本質を常に意識することかと思います。部下の成長、組織の活性化、本質はケースバイケースかと思いますがこの「褒める」をうまく【使いこなす】ことで組織運営に役立てることができるのではないかと思います!




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