座って挨拶ができるかどうかでわかる品格
和室で挨拶をするときは
立ったまま挨拶はせず、座ってから挨拶をします。
和室で「立ったまま」というのはNGです。
理由は案外簡単なもの。
もし先におうちの方や先客がいた場合、
当然皆さま座っていらっしゃるので
立ったままでいると
相手を見下ろすことになります。
見下ろすということは
自分が格上であることを見せつけようとするもの。
これはあまり気持ちのいいものではありません。
ですので
和室で挨拶をするときは
座って挨拶をします。
と言っても、、、
私は礼法を習う前は
和室だろうと洋室だろうと
挨拶はまず一番はじめにするものだと思ってましたから
座る前にするものだと思っていました。
それに、そのこと自体を考えたことがなかったので
立ったまま挨拶をするのが
相手によっては失礼にあたるということなど
思ってもいなかったこと。
知らないというのは恐ろしいことです…
私が礼法を習い始めたころ、
高校時代からの友人の家へお邪魔することがありました。
高校時代からのと言っても
友人の家に行くのは実に25年ぶり。
友人のご両親にお会いするのも25年ぶり。
とはいえもうかなり長いお付き合いです。
友人の家に行き和室に通されました。
まだ礼法を習いたてのことでしたので
いつものように立って待っていたのですね。
そうしたら友人のお母さんがいらっしゃり、すっと畳に座って
私に「久しぶりですね。お元気でしたか?」と
挨拶をされたのです。
私は慌てて座り、挨拶を返しました。
その時に
この動きが自然にできる人は何て綺麗なのだろう
と感じました。
立場的には立ったまま挨拶をしても
何もおかしくはない私に対して
そのお母さんは普通のこととして
畳に座り挨拶をする。
立ったこれだけの動きなのに
その人の育ってきた環境や生き方、考え方が見える。
すごいことだと感じました。
けれど、自然とその動きができるようになれば
私も綺麗に見えるようになるかもしれない、
いや、そういう品格のある人になりたいと思いました。
たった一つの動作で人間性がわかる、そして変えられる。
これが礼法の面白いところだと思います。