私とイチと将棋5
藤井二冠が誕生しましたね!
18歳…ものすごい素質に適切な環境が揃った結果でしょうね。とにかくすごいことです!
…さて、子どもが将棋を始めた頃の話のつづきです。
2019年6月
イチ4歳8ヶ月の頃
将棋教室のイベントで勢いがつき、その勢いのまま大会に申し込みをした。
まずは6月8日に将棋の森で行われる、はじめての将棋大会に出場する。この大会は、他の大会を含めて入賞したことがない子どもを対象にしており、反則の場合もやり直しできるという初心者向けの大会。
なお、この頃のイチの棋力は、ピヨ将棋レベル10(R450)に勝てるくらい。
また、イチに負けることが珍しくなくなってきた私は、振り飛車を指すようになっている。イチが無理矢理攻めてくるのをカウンターで倒すという作戦がうまくいき、だいぶ勝率を回復していた。
まあ、それはさておき…迎えた6月8日
はじめての将棋大会とはいえ、みんなイチより大きく、小学生が20人くらいいたと思う。
この大会はトーナメントなどではなく、時間内で対局を繰り返し、とにかく勝ち数が多い人が優勝というもの。
最初にイチと対局することになったのは、小学2〜3年生くらいで、きっとクラスのムードメーカーなんだろうなぁといった感じの少年。
「駒の動きはわかる?」などと声をかけてくれて、イチを気遣ってくれた。
そして、結果はイチの勝ち。
唖然としている少年のもとへ友達がきて、「えー!こんな小さい子に負けたの?!」とからかう。
「いや、ちがうんだ!この子強いんだ!」と必死に弁明する少年。
私は心の中で(そう、そいつ、無害な子猫に見えても、本当は子熊だから…迂闊に手を出すと、けっこう力強くて怪我するから…)と油断した少年に同情した。
しかし、結局その少年をからかっていた友達も、イチに倒されたので、それ以上少年がからかわれることはなかった。
この大会のイチの最終的な戦績は4勝1敗だった。そして、イチに勝った子が5勝か6勝で優勝した。
なお、私が見た対局では、イチは矢倉囲や振り飛車穴熊を使っていた。少し前までは攻撃一辺倒だったので、防御にも気をつかえるようなったことに成長を感じた。
このところ、私がカウンターばかり狙っていたので、無闇に攻撃するだけではダメだということを学習していたのかもしれない。
この大会は優勝はできなかったが、それなりに収獲があり満足できる内容となった。
しかし、ここまでが幼稚園生にしては出来過ぎで、変に期待が大きくなってしまったことで、次の大会ではそれが悪い方向に出てしまうことになる。
つづく