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一期一会のことば 4*あしたからも、きのうからも遠くはなれている

こんにちは、Reiraです。
昨日までの肌寒さとは打って変わり、今日はこれぞ秋晴れ!という見事な空です。真夏の厳しい陽射しとは異なり、どこまでも透明な、やわらかくまっすぐな光。地球って、自然って、こんなに美しかった?そんな驚きも幸せに感じるのは、世界で悲しいことが起き続けているからかもしれません。どうか、みんなの祈りが届きますように。

涼しくなってきたので、2階の本棚の整理をしていました。懐かしい本を手に取っては、つい、パラパラと・・・案の定、整理は一向に進まず時間だけが過ぎていきました。そんな中、目が釘付けになった一行がありました。

あしたも、きのうも、遠くはなれていました。おまけに、いまはお日さまがきらきらと赤く、しらかばの林のあいだにかがやいていて、風はやわらかく、さわやかでしたもの。

『ムーミン谷の仲間たち』トーベ・ヤンソン / 山室静 訳 講談社青い鳥文庫

すばらしいお天気の中、スナフキンが幸せな気持ちで歩いていた時の描写です。次の瞬間、スナフキンは今こそ歌をつくるのにもってこいの夕方だ、と気がつきます。すでに何日も前から胸の内で温めてきた歌を、いよいよ外に出す時がきたのです。

日本で普通に仕事をし、家族やそれなりの人間関係がある大人の場合、この『あしたも、きのうも遠くはなれている』状態になるのが、どれほど難しいことか。否、難しいと決めつけているのは本人自身であって、頭を空っぽにしてコーヒーを飲んだり、趣味に没頭する時間、ただただその瞬間がおだやかで幸せである、いわゆる「今ここ」の時間を過ごすことは、きっと可能なんだけれども。

私もヨガを始めて何年か経って、やっとその幸せ感が分かるようになりました。・・・どれだけ感度が鈍っていたのでしょうか笑

外側の世界が混迷を極めていこうとしている今、大切なことは、一人ひとりが、内側にあるこの本質的な穏やかさ、静けさに意図すればすぐに戻れること。その術を自分がちゃんと知っている、ということ。これは頭の知識ではない。体験・体感で身についているかどうか。大人にとっても、これからの時代を生きていく子どもにとっても、きっと必要なこと。

誰もが必ずその内側に深い叡智をたずさえている、とヨガでは考えます。その叡智からの大切なメッセージは、あなたの内側であなたに見出されるのをきっと待っている。あなたが、あしたからも、昨日からも遠くはなれた、その瞬間に。

本日もお読みいただきありがとうございました。
人々の胸の中が、どこまでも蒼いこの空のように、澄み渡って軽くなりますように。

感謝をこめて。


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